
5月の連休は涼しく快適だったが来週から高気温になるという予報
2025年5月7日 天候・気候 0
今年もゴールデンウィークが終わった。
当方は例年通り取り立てて何事もないゴールデンウィークだった。毎年、ゴールデンウィークは夏日・真夏日になることも多く、自宅で「暑くてたまらん」と悶絶するのだが、今年は何年かぶりに涼しいゴールデンウィークを過ごせてその点は快適だった。(関西基準)
4月を振り返ってみると、昨年よりは涼しい気温が多く、半ば過ぎに真夏日があったが下旬からはまた涼しい気温が続き、予想外に近年稀に見る快適なゴールデンウィークだった。
4月が涼しかったのは全国的なものだったようで、天気予報で確認した限りにおいては、東京は大阪よりも夏日が多かったがそれでも全般的に涼しい気温だった。
そのため、4月度販売実績が振るわなかったアパレルブランドが多かったようだ。例えばこの記事。
専門店チェーン、セレクトショップの2025年4月度売上高(既存店ベース)は、月前半に気温が再び下がったことで、夏物の動きが鈍く、前年実績を下回ったという声が多い。
国内ユニクロの売上高は前年同月比1.3%減。「月の前半の気温が下がって夏物の動きが鈍った」と広報担当者。また、前年が一昨年に対し18.9%と大きく伸ばしていたことも伸び悩みにつながった。
とある。
ここには5月の連休の様子は含まれていないから、5月度実績が発表される際には、恐らく「ゴールデンウィークが比較的涼しかったため」という文言が盛り込まれるのではないかと思われる。
5月の連休中、関西は最高気温が24度の日もあったものの、湿度は低くカラっとしていて朝晩はヒンヤリするほどだった。暑いのが嫌いな当方にとっては快適だったが、衣料品販売においては夏物衣料の販売は苦戦したのではないかと思われる。
一部の「先端層」を除いて、多くの人がますます「体感気温」に沿った服を買うようになっている。そのため、涼しければ夏物は売れないし、暖かければ冬物は売れない。供給側・販売側からすれば、早く夏日が到来してほしいと心底願っていることだろう。当方は冷夏になってほしいくらいだが。
さて、そんな当方の願いを打ち砕く気象予報が発表された。これである。
動画を観ていただければわかるが、5月13日ごろから全国的に「10年に1度の高温(またか)」が始まるというのである。
たしかに、Yahoo!天気予報を見ても、大阪は5月13日から27~28度が23日まで続いている。(5月7日時点)ちなみに東京は5月11日から27度が続いている。
25~27度という気温は例年だとこの時期なら不思議ではないが、今年はゴールデンウィーク終了時でも涼しかったため、いきなり5度以上気温が上がるため、体に堪えそうである。
ただ、衣料品販売にとっては5月13日以降(東京なら11日から)は本格的に夏物衣料が好調に動き出すのではないかと考えられる。
4月の末から、各社の「ゴールデンウィークセール」のお知らせが届いている。 だいたいが「夏物」を強く押した内容となっており、例えば、ユニクロだと「ドライEXクルーネックTシャツ」が期間限定値引きで1290円になっている。この商品は昨年も販売されており、「EX」が付くくらい吸水速乾性が高い。昨年の夏の終わりごろ、990円に値下げされていたブルーがかったパープルを買って着用してみたが、スポーツ競技用衣料並みに吸水速乾性が高かった。
これをこの時期に期間限定値下げしてきたということは、今夏の販売量を探る観測気球であるとともに、例年通りの暑いゴールデンウィークを想定していたためではないだろうか。
ユニクロに限らず、各社ともにこんな感じで「成夏物」を強く押していたが、実際の盛夏物の売れ行きは気温から考えてイマイチだったのではないかと思われる。
もしかすると、春物の残りの方が好調に売れたのではないだろうか。
しかし、この盛夏物が5月10日以降は急激な気温上昇で一気に動き始めそうだ。そして体調不良になる人も多数出そうだ。
それにしても、2015年ごろから気温の変化が毎年激しくてなかなか予想しづらい。また、今年のゴールデンウィークのように例年通りには進まず、いきなり涼しくなる時期も頻発している。
体調管理が難しくなるとともに、衣料品の供給・販売計画も難しくなる。小売店側はなるべく引き付けて仕入れたいと思うことは当然で責められない。小売店が引き付けて発注すればするほど製造側も生産が引き付けられて難しいオペレーション管理とならざるを得ない。
そして「気象情報」の重要性が増しているものの、予報を今以上に早期化してそれを的中させることも難しい。
それだけに、気象情報が外れた際に生じる売れ残り在庫の処分方法と値引き額も事前に綿密な計画を立てておくことが求められる時代だといえる。