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南充浩 オフィシャルブログ

4月・5月は平年並みの気温予報で春物衣料は消化しやすそうという話

2025年3月27日 天候・気候 0

早いもので3月も終わろうとしているが、今年の3月は半ばまでは比較的低気温だったが、先週ぐらいから一気に高温化してしまい、昨日は全国的に夏日、真夏日が続出して「史上初」が記録された。

3月半ば以降はそれこそ「史上初」レベルの高温が続いている。

その高温も3月28日の金曜日を最後に一旦休止する。土曜日から数日間は気温が下がり最高気温13~15度で推移する予報が出ている。

最高気温でいうとその差は15度前後である。いきなり15度くらい気温が下がるので体調管理が難しい。風邪をひかないまでも温度差がありすぎると自律神経に悪い影響を与えるとされている。

 

ただ、近年の気温変化を見ていると、いきなり寒くなったりいきなり暑くなったりということが多く、以前にも書いたが、段階的に気温が上がったり下がったりしないために、春と秋という季節がほぼ無くなっている。

そんな中、4月~6月の3カ月予報が気象庁から先日発表された。

気象庁 | 季節予報解説資料

  • 向こう3か月の気温は、暖かい空気に覆われやすいため、北日本では高く、東・西日本では平年並か高いでしょう。

一言でまとめるとこうなるらしい。

北海道を含む北日本は4月・5月・6月と高温予想が続く。一方、西日本と東日本は4月・5月は平年並みだが、6月から高温傾向が顕著になる。

 

 

当方は北日本とは縁が薄い上に土地勘も無く空気感も分からないので今回は除外して考える。

西日本・東日本の気温推移予想を基に考えると、現在の異常な暑さは金曜夜からおさまり、その後は3月下旬らしい気温が続くと考えられる。

Yahoo!の気温予想でも3月末の寒の戻りが終わってからの4月上旬は最高気温が18~22度で推移しており、現在のような史上初レベルの暑さではない。

西日本・東日本ともに寒の戻りで現在の暑さは一旦リセットされて、4月上旬からは平年並みに戻ると考えられる。

そうなると5月も平年並みという予想なので、ここ2~3年続いていた5月の異常な高温というのもあまり無いと考えられるのではないだろうか。

 

 

一方、問題は6月である。

6月から全国的に高温傾向に転じている。

そして6月といえば「梅雨」だが、降水量は平年並みかやや多いという傾向が予想されている。そうなると、非常に蒸し暑い梅雨になると考えられる。

想像しただけでつらくなってしまう。

例年、梅雨時は最も不快である。当方は汗っかきだから梅雨時は汗が止まらない。まあ、梅雨明け以降も汗は止まらないのだが。

 

 

衣料品関係の各社ともに「暑くて長い夏」に対して十分な備えをしていると思われるが、早速6月からその効果が発揮されるのではないかと思う。

降水量も平年並みかやや多いという予想なので、これが的中すれば各社が準備している「防水透湿」系のレインジャケット類は好調に動きそうだ。

一方、4月・5月は久しぶりに珍しく春物衣料が順調に消化できるのではないか。3月下旬の異常高温で春物が飛んでしまいそうだったが、月末からの寒の戻りと4月の平年並み推移によって、春物需要は一定数量確保できるのではないだろうか。

近年は4月の高温によって「春物が飛んだ」という商況が続いていたため、春物商況に関しては今年は比較的に順調に推移するのではないだろうか。

もっとも、ワークマンのように「春物」を徹底的に薄くした品揃えの企業も増えているだろうから、昨年秋物の在庫や昨年以前の春物在庫などを処分販売してみてもよいのではないかと思う。

 

 

今夏の長期予報はすでに「高温傾向」と発表されているが、問題はその猛暑がいつまで続くかということになる。

例年のように9月末や10月前半でおさまると、秋物衣料品はまだ消化は期待できるが、昨年のように11月半ば過ぎまで続くと秋物衣料は終わりである。

現在の衣料品の生産リードタイムは業界平均で60日(2か月)と言われている。そこから逆算すると、10月用の商品は遅くとも7月下旬には工場への指示を完了させておく必要がある。

 

となると、6月下旬と7月下旬に発表される3カ月予報は極めて重要な判断材料になる。

生活ベースでいうと、すでに年間の半分を夏服で生活するようになっている。これが6か月で終わるのか7か月で終わるのかが秋商戦を大きく左右する。

元来、衣替えのタイミングは6月1日と10月1日とされてきた。6月1日から夏服、10月1日から秋冬服になる。この決め方では夏服の着用期間は4カ月ということになる。1年の3分の1しか夏服を着る期間がなかったわけである。だから夏服を軽視して、その穴埋めを高単価の冬物で稼ぐという販売手法が成り立っていたのだが、夏服の着用期間が年間の半分から半分以上にまで延びると、これまでのような夏服軽視の販売では売上高も営業利益も稼げないということになってしまう。

また24冬は久しぶりに寒冬だったが暖冬の年も多いため、以前ほどの分厚くて高単価の防寒アウター類は売れにくくなっている。

もうすでに各社ともに気温対応の工夫を凝らしてはいるだろうが、一層の工夫が必要不可欠になる。

 

 

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