
「改善方法=解決方法」ではないという話
2025年3月17日 考察 0
みなさんこんにちはUSです!
寒暖差の激しさと花粉の季節に突入したことにより、花粉症なのか、風邪なのかどちらかわからず体調が悪い日が続いておりますが、みなさまいかがお過ごしでしょうか。
趣味のサイクリングもこの時期になると花粉で鼻水が止まらないので真冬に走るよりも辛い季節です。
季節の変わり目で体調を崩しやすいですし、3月を期に新しい部署へ異動という方も多くいらっしゃると思うので体調には気を付けてお過ごし頂きたいところです。
それはさておき、先日、繊維製品の検査・評価を行っている方の講演会に参加する機会がありました。
その講演は繊維製品の様々な事故とその原因とその改善方法・回避方法について紹介をされており、その内容は非常に興味深く拝聴させて頂きました。(TES試験の事例みたいなものです)
講演会の終わりには会場の方からの時間がありました。議題が事故品ということもあり、積極的な質問者が多かったのですが、その質疑応答のやり取りの場面で回答者が懸命に回答をして下さっていたのはよくわかりますが、質問した方の様子からとても納得がいったような感じには見受けられない場面も少なからずありました。
よく話を聞いていると、
質問者は、問題が起きた時の解決の方法を知りたい。
しかし、
回答者は、問題が起きた時の改善の方法を説明している。
この微妙な齟齬が納得がいかなかった原因だと思います。
これは非常に難しい問題なのですが、回答者は事故が起きた発生原因を理解し、またその改善方法についての理屈は理解できています。(例えば、色が変色したのは●●という物質が原因でその原因である●●という物質を除去するには□□という物質を使えば良い)
しかし、実際に問題の解決をするには生地の風合いが変わったり、変色したりすることでその解決方法を取れない場合いがあります。
つもり改善方法と解決方法が違う場合があるということです。
改善方法をとることで一つの問題が解決したとしても別のことが問題になるということはよくあります。
その場合だと、問題は解決しないままデメリットタグをつけて解決するというのが一番良い方法かもしれません。問題を改善しないのが一番の解決策であるという場合も実際にはあるのです。
どちらが良い・悪いという問題ではないですが、評価者はあくまで評価者であり、理屈や仕組みを理解していても現場に入って物を製造したり、修正をしたり、しているわけではないので実際どのような解決方法をすれば良いのかということを理解できていないということがあります。
問題が発生した場合、解決策も教えて欲しいと相談を受ける場合がよくありますが、餅は餅屋なので、問題発生の原因の究明までは評価機関で実施し、その問題の解決方法についてはその考えられる原因について製造現場と共有し改善に向けて話あったり、修正屋さんに相談したりすることが良いと感じます。
もちろん、問題解決方法の中には時として製造現場などで思いつかないような斬新なアイデアもあるのですべての答えが現場にあるというわけではないのが難しいところではあります。
以上USでした。
来月もまたよろしくお願い致します。