
あまり話題にならないがマイクロファイバー素材のタオルが増えているという話
2025年2月4日 素材 0
少し以前、アーバンリサーチの通販で合繊100%の吸水速乾手ぬぐいを買ったことを書いた。
手や顔の拭き心地は綿100%の通常のタオルハンカチに一歩及ばないが、速乾性は格段に優れている。昨年夏は頻繁にズボンの後ろポケットに入れて活用した。
通常の綿100%タオルハンカチだと、ズボンの後ろポケットに入れていると長時間湿ったままである。下手をすると自宅に帰りついてもまだ湿っている。
ところが、吸水速乾手ぬぐいだとポケットの中でも乾燥している。この違いは大きい。
そのブログをアップした後で、月に一度寄稿してくれているUS君に会うと、「作業服業界でもマイクロファイバータオルが売れていますよ」と教えてくれた。
そういえば、泉州のタオル産地の仕事をしている業界の先輩も「今年の夏(要するに昨年夏)はマイクロファイバータオルがめちゃくちゃ伸びている」と話しておられた。
そうこうしているうちに、ようやく11月18日から涼しくなり、普通に歩いているくらいなら汗をかかなくなったのでこの吸水速乾手ぬぐいは一旦収納した。
そして、あっという間に年末がやってきて、恒例の年末大掃除することになったのだが、当方は掃除が苦手であまり普段からやらないので、こういう年末大掃除みたいな行事がある方がありがたい。掃除をする機会が得られる。
まあ、掃除自体はめんどくさくてしんどいのだが、窓ガラス拭きがいつもなかなかにめんどくさい。
子供の頃に教えられたやり方でやっているが、まず水拭きしてそれから乾いた布で乾拭きをする。しかし、この乾拭きが曲者でなかなか難しい。水滴を完璧に拭ききらないと、窓ガラスが曇ってしまう。
子供のころから今までずっと綿100%素材の使い古したタオルや使い古したTシャツで乾拭きをしてきた。何度も何度も力を入れて乾拭きしないと水滴を拭ききれないので、けっこうな重労働である。
昨年末も初めのうちは、使い古したタオルで乾拭きしていたが、これがなかなか進まない。時間ばかりがかかってしまう。
そこで何となく閃いて、昨年のうちに100均で買いだめしておいたマイクロファイバーふきんを窓ガラスの乾拭きに使おうと思い立った。
マイクロファイバーふきんで窓ガラスを乾拭きしてみると、使い古した綿100%タオルや綿100%Tシャツよりもはるかに力を入れずに乾拭きできる。当方の腕前が悪いため完全にピカピカにはならなかったが、綿100%生地での乾拭きよりも綺麗に拭きとることができるようになった。
このおかげで作業効率が捗り所定の時間で窓ガラス拭きを終えることができた。
これまで何かの役に立つのではないかと思って使い古したタオルや使い古したTシャツを掃除用に残していたが、これからはほとんどを捨てようと思った。
今後は窓ガラスの乾拭きはマイクロファイバーふきんで十分である。しかも3枚110円という安さである。昔は死んだ母親や母方の祖母が使い古したタオルなどを縫って雑巾を作っていたが(父方の祖母は全く家事ができない人だったので何もしていない)、その手間を考えると100均で3枚110円のマイクロファイバー布巾を買った方が効率的だし、拭き掃除も作業効率が高まる。
今回は改めて、機能性素材の効力を体感したわけだが、雑巾類以外でも機能性素材の進歩の度合に感心することが増えた。
まず、感じているのが機能性中綿素材である。
最近は羽毛原料の高騰や動物愛護の観点、生産開始時期の早さなどから羽毛(ダウン)使いの防寒アウターが減っている。特に低価格ブランドでは99%の割合でダウンが無くなっており、機能性中綿アウターに置き換わっている。
繊維・衣料品業界人はとかく素材へのこだわりがある。業務上必要不可欠なのだが、それでもどうでもよいところにこだわる部分がある。かくいう当方もその宿病から逃れられていない。
そんなわけで、中綿ブルゾンよりはダウンブルゾンの方を好む傾向が業界人には総じてある。業界の外れの底辺にいる当方もそんな気持ちが少しある。
しかし、最近は価格とのバランスを考えて値下がりした機能性中綿入りブルゾンを買うことが増えた。アダストリアやアーバンリサーチあたりで4000~5000円台に値下がりした中綿入りブルゾンを何枚か買っている。ユニクロUの中綿入りも持っている。
で、着用してみると軽さや保温力はダウン(等級はさまざまあるが)とさほど体感的には変わらない。特に当方は薄手の長袖Tシャツの上に直接ダウン類を着用することはせずに必ず、セーター類かスエットフーディーを着た上からブルゾンを着用するので、余計に体感は変わらなくなる。
アウトドア活動もせず、都心か郊外で自転車と電車に乗って生活をしている当方にとっては、ダウン素材にこだわる必要が無く、機能性中綿入りブルゾンで十分だと痛感している。
野外キャンプやら登山やらをする人はこの限りではないが、そうではない人にとっては機能性中綿入りブルゾンで十分だろう。ダウンジャケットとて洗濯はできるが、中綿入りブルゾンの方が気兼ねなく洗濯もできる。
おまけに中から羽毛が抜けて服に着いたり、その辺に落ちているという心配も無い。
とこのように見てみると、天然物へのこだわりとか、天然素材からの生地作りの物語とか、そういう物を考慮しなければ機能性合繊素材の方が効率的でしかも安くて効能もある。
機能性合繊の技術進歩は目をみはるばかりだが、これまで綿100%へのこだわりが並々ならぬものがあったタオルという分野もかなりの割合がマイクロファイバータオルに置き換わるのではないかと思われる。