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南充浩 オフィシャルブログ

ワークマンのカジュアル服はデザインにこだわるよりも高機能化や多ポケット化すべき

2024年11月13日 企業研究 0

先日、ワークマン女子のモモテラス店内覧会に参加してきた。

モモテラスは京都府の六地蔵にある郊外型ショッピングセンターで、かつては近鉄百貨店の六地蔵店だった。近鉄百貨店としては初の郊外型だったが、現在は手放している。

15年ぶりくらいにモモテラスに入店したが、ハッキリ言って使いにくい建物である。

まず、入り口にフロアマップがない。これは完全に落第点である。

96年に開店したそうだが、当時としてはカッコイイ建物を目指したのかもしれないが、左右非対称で非常に内部構造が分かりにくい。特に方向音痴の当方のような人間にとっては慣れるまでは一苦労である。

ワークマンのテナントを探しまわったのだが、1階内部には無くて外に出て通路を挟んだ「離れ」のような場所だった。

しかし、この「離れ」のような作りも疑問しかない。まことに分かりづらいし、ワークマンがここにオープンするとワークマン目当ての客は本館を通らずに直接この「離れ」に来るだろうから、モモテラスの集客にはそれほど貢献しないだろう。

96年当時なので、仕方が無いのだろうが、もう少しましな設計はできなかったのかと思ってしまう。

 

さて、今回の内覧会は六地蔵という辺鄙な土地なので小ぢんまりとしていて、当方が到着した際には3組くらいユーチューバーが動画撮影をしていたが、その中にナイロンポリエステル氏がいて動画撮影をされていた。ご挨拶をしてみようかと思ったのだが、撮影の邪魔をしてはいけないのでやめておいた。

さて、店内を案内してもらい、新商品の説明を受けたが、この店舗は先ごろワークマンがニュースリリースで発表していた「メンズカジュアルを強化する」店舗の1つである。

そのため、ツータックパンツとか合皮ジャケットなどのメンズカジュアルが並んでいた。

で、案内をいただいた方に「ワークマン女子やメンズカジュアルはどのように強化すれば良いと思いますか?」と逆取材を受けたので、当方は「レディースもメンズカジュアルも『機能性』を最重要視すべきではないですか?」と答えておいた。

これはどういうことかというと、メンズカジュアルにせよレディースカジュアルファッションにせよ、デザインとかトレンド性だけではハッキリ言ってワークマンで買う意味が無い。そんなものは、ジーユーかユニクロ、無印良品あたりで十分である。デザイン性はユニクロ、ジーユ―、無印良品の方が現時点では格段に高い。

デザインのこなし方はいずれ進歩するだろうが、それには少なく見積もっても数年は必要になる。ユニクロの初期も酷いデザインだったし、アダストリアがSPAに切り替えたばかりのころの商品デザインも酷くてゴミ屑みたいだった。ジーユーもスタート当初はカスだった。

いずれも修正に修正を重ねて現在に至っている。

ワークマンとて同様に一定の時間は必要になる。

 

 

ワークマンの出自は広く知られているように作業服である。

作業服の特性というのは、耐久性も含めての高機能性と低価格にある。ということは低価格はすでに実現できているわけだから、カジュアルアイテムにも高機能性を付加した方がブランドの出自にもコンセプトにも合致しやすい。何よりも消費者がワークマンに求めているのはその二つである。最先端ファッショントレンドなんて求めていない。

ただ、従来型の作業服デザインでは踊り場に差し掛かっていて、新しい風として「ファッション化したい」というのも理解はできる。

なら、ベンチマークをユニクロに設定するのではなく、釣り具のダイワのアパレル「ダイワピア39」あたりに設定して、ダイワピアの低価格版を目指した方が理にかなっている。

なぜなら、ユニクロの半額にしたところでそんなものはジーユーで十分だからだ。

ダイワピアよろしく、防水とか撥水とかそういう機能性以外にも、ストレッチ性、軽量化、高耐久性などを各アイテムに盛り込めばどうだろうか。

 

 

で、もう一つのアイデアとしてはワークマン女子の女性カジュアル服も同様に高機能化すべきだが、最大の目玉として「多ポケット化」「大ポケット化」という機能を全女性カジュアル服に付与してみてはどうか。

女性服は元来ポケットが少なかったり小さかったりする。これは女性差別などではなく、恐らく、レディースのフォーマルがポケットが無くて、ポーチなどを持つことが前提とされていた名残ではないかと思っている。あとは前例踏襲である。

しかし、近年は男性服並みに多ポケット服、大ポケット服を望む女性の声が増えている。

そして、これはユニクロでさえまだ実現していない。

 

さらに、多ポケット・大ポケットという服は元来、ワーキングやミリタリー、アウトドアの象徴的機能性ディテールであるから、ワークマンがこれを実現することはブランドコンセプト、ブランドストーリーにも合致する。

付け焼刃のファッションデザイン性の向上に取り組むよりもまずは

 

1、廉価版「ダイワピア39」を目指して、全カジュアル服を高機能化する

2、レディース服は高機能化に加えて多ポケット化・大ポケット化する

 

という2点に取り組んでみてはどうか。

取ってつけたようなトレンドカジュアル化よりはよほど消費者から好反応が得られると思うが。(笑)

 

 

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