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南充浩 オフィシャルブログ

昭和的呉服屋は市場から淘汰されるべき

2015年3月23日 未分類 0

 知り合いでもなんでもないがこんなブログのエントリーが流れてきた。

年始めの出来事 ぼやき だから嫌がられるんだよ。呉服屋さんの嫌な所
http://ameblo.jp/acha-moyou/entry-12004187891.html

典型的な昭和の呉服屋さんの販売方法である。

筆者もこういう光景は何度も見たことがある。
亡き母が意外に着物好きで、けっこう高価な物を何枚か持っている。

50歳を越えるくらいまでは何年かに1枚は買っていたが、50歳を過ぎたあたりからはほとんど買わなくなっていた。
このブログで書かれているような呉服屋さんの光景は小さいころに何度か目にしたことがある。

それにしても呉服屋の押し売りはつくづくダメだと思う。
押し売りをするから消費者が離れる。
顧客が減るからさらに強力に押し売りする。
悪循環である。

もう少しスマートに売れないものか。
そこまで強引に押し付けずとも、自然と売れるデザインの商品を開発できないのか。

それに価格設定も高すぎる。
もちろん、着物と洋服とは製造工程が異なるから一概に比べることはナンセンスだということは承知しているが、洋服にしか親しんでいない消費者からするととてつもなく高額に見える。

文中にあるように、仕立てあがっていない振袖が10万円である。
10万円といえば三陽商会製のバーバリーのコートが買える。
ポールスミスのスーツだって10万円以下で買える。

着物にバーバリーやポールスミスほどのブランドステイタスがあるのだろうか。
筆者はないと感じる。
バーバリーやポールスミスはブランドステイタスを高めるための販促、広告、告知、広報活動を常に行っている。
ではそういう活動をこの呉服屋やそこに卸している着物メーカーは行っているのだろうか。

また文中でも触れられているように帯とセットで50万円である。
50万円もあれば相当に高性能な家電を何台か買える。
いまどきパソコンでも10万円以下で高性能な機種がたくさんある。
テレビだって冷蔵庫だって洗濯機だって、10万円もあればそこそこに高性能機が買える。

で、着物に親しんでいない人からすると家電製品の方が価値があると感じられる。

世の中に高額な商品はさまざまある。
中にはぼったくりじゃないかと思う商品も少なくない。

ただ、そういうぼったくり商品は当然のことながら、何かの拍子で消費者からの支持を失い市場から消えることがある。
その際、そういう商品に対してだれも保護しようとはしないし、業者側も保護を求めない。
まあ、損失が少しでも減るように画策はするだろうけど。

個人的に着物業界が好きではない理由の一つに、こういう旧態依然とした呉服屋でさえも、伝統的な着物を扱っているから保護されても当然だと考えている節があるところである。
場合によっては、着物文化の継承者の一人みたいな顔をしている場合もある。

そういうところに対して勘違いしていると感じてしまう。

こういう呉服屋を温存するために行政やら文化遺産やらの権威を行使するのはもっともナンセンスである。
思い上がりも甚だしいのではないか。
伝統だろうが何だろうが、需要がなくなった物は市場から淘汰されるのが当然だ。

最近では、昭和的売り方をしない呉服屋や着物屋が出てきた。
そういう新しい感覚の呉服屋、着物屋、着物ブランドは支持をしたいが、旧態依然とした着物業界は早いところ淘汰されるべきである。

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