メディアへの露出効果が単発で終わる理由
2014年12月18日 未分類 0
昨今、国内産地の製造加工業者が大手メディアに取り上げられることが増えた。
テレビ番組やファッション雑誌、経済誌、大手新聞などである。
取り上げられたことは喜ばしいが、その効果は意外に早く沈静化してしまう。
過去に筆者がプレスリリースを作成することでかかわった産地企業が何社か存在するが、たまに大手メディアに取り上げられた。それによって、次々とほかのメディアで取り上げられるかと期待したが、そんなことはほとんどなかった。
オリジナル商品が取材されたこともあったが、それによってその商品が爆発的に売れたかと言うと、そんなこともなかった。
その後、忘れたころにまた散発的にメディアに取り上げられる。
そんな感じである。
読者の方々は原因はなんだとお考えになるだろうか?
その原因の一つとして、普段からの情報発信が足りないということがある。
例えば自社のウェブサイトをまったく更新していない。そもそも自社サイトがない。
自社のブログがない。メディアにニュースリリースを発送していない。
これらのことが考えられる。
どんな人気番組に取り上げられたとしてもその放送は一度きりで終わる。
録画した人がいたとしてもそれを繰り返し何度も見る人はあまりいない。
となると、視聴者の記憶からはすぐに忘れられる。
おそらく、取材したメディア側からもすぐさま忘れられる。
消費者からもメディアからも忘れられないために今ではウェブサイトやブログがあるのだが、
それが2年前から更新されていないとか、そういうものがそもそも存在しないという状況なら、メディア露出の効果はそこでお終いである。
また一度きりの取材でその商品の魅力をすべて伝えることは不可能だから、自社サイトやブログでの説明し続けることが必要になる。そうでないと商品は売れない。
また取材した大手メディア側も日々次々と取材対象が現れるため、1年前に1度だけ取材した産地企業のことなんて、よほど印象的でない限り放送日が終われば忘れてしまう。
その人が忘れていなくても担当者が異動すれば新しい担当者にはほとんど引き継がれない。
だから定期的に新商品情報とかイベント開催情報などのニュースリリースを送付する必要がある。
頻繁にリリースが来れば正直なところ「またかよ」と思われないかと心配する方もおられるが、心配無用である。
「またかよ」と思われた方が忘れられるよりも何億倍もマシだ。
これを端的にまとめているブログのエントリーを紹介したい。
テレビに出たからって自社の商品が売れるとは限らない。
http://tanpan.jp/blog/archives/3191
社長がなぜバスローブ姿なのかは置いておくとして、
それにしても、最近はアパレル関係の会社がちょくちょくテレビに出てます。もちろんメディアに出れば、注目はされますけど、それが商品に結びつくか?と言ったらそうでもない。あの天下の百貨店とコラボして、全国放送のテレビに出てたって、注文数は数十枚と聞きました。
大事なのは、マスメディアとソーシャルメディアを組み合わせること。
でもテレビに出ただけじゃダメ。発信してたからです。ひたすら。だって発信してなくちゃ、受け皿がないワケですから。そして発信してもらうこと。紹介してもらうこと。
とある。
まあ、平易な言葉で書かれているがそういうことである。
もちろん、大手メディアへの露出効果はある。
売れることもあるが、売れないこともある。
意外だが、売れないことの方が確率的に高い。
10年前までは自社からの発信というのはほぼ不可能だった。
メディアに取材してもらう必要があった。
機関紙や広報誌作成という手段もあったが、結構な費用が必要となる。
現在ではブログも含めたSNSでの発信はほぼ無料でできる。
そういう意味では企業側もずいぶんと発信しやすくなっている。
もうなんなら、産地企業の社長が毎日バスローブ姿の写真を掲載しても良いのではないかと思う。(笑)
それくらいインパクトがあれば良くも悪くも何らかの反応がある。
そんなわけで、メディア露出をどうやって商品の販売、次のメディア露出につなげるかということをせっかくの機会なので各社で考えてみてもらいたい。