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南充浩 オフィシャルブログ

土曜日の夜に梅田に出かけたらハンドバッグを持っている女性がほとんどいなかったという話

2023年12月22日 企業研究 1

コロナ禍明けからの人流の増え方にどうにもついていけない。まあ、ついていきたいとも思わないのだが。

土曜・日曜・祝日、連休期間はなるべく外出せずに自宅にいるようにしている。理由は人混みが嫌いだからだ。それでもお盆と正月には母方の叔父の家に行くのだが、電車の混雑ぶりが酷くてどっと疲れる。

コロナ禍中は電車も空いていて本当に移動も楽だった。

酒を飲みに行くのも嫌いではないが、金曜夜・土曜夜はコロナ禍明けからの混雑が酷いのでなるべく避けていて、平日夜か日曜夜に行くようにしている。ただし、50歳を過ぎると酒を飲むと翌日しんどいので、なるべく回数は減らしている。

そんなわけで、普段観察している他人様の多くは平日の仕事や学校の行き帰りや仕事中の移動であることが多い。休日の他人様の服装やら持ち物は目にしているサンプル数が少ないということになる。

 

そんな中、12月16日、大学のサークルのミニ同窓会で夕方から梅田に出かけた。土曜日なので行きも帰りもそれなりに電車は混んでいる。仕事の帰りがけという人の割合は少なかったように見える。

そこで周りの乗客、梅田を歩いている人の洋服や持ち物を観察してみたわけである。

男性、女性ともに圧倒的にリュックで、次いでショルダーバッグ類である。そのあとが小さ目のミニポーチやボディバッグ類、持ち手が長めのトートバッグ類という感じで、ハンドバッグ・手提げカバン類を持っている人はほとんど見かけなかった。

目の届く範囲でいうと、ハンドバッグを下げた女性を2名見かけた。年齢は30代半ばから40代前半という風貌だった。

両者ともにレザーっぽいシックな感じのハンドバッグで、ブランドのプレートを読むと「コーチ」と「マイケル・コース」だった。

まあ、この動画によるとコーチもマイケル・コースも売上高は減収で苦戦傾向にあるらしいが(笑)。

 

人口が最多である首都圏の観察ではなく、関西圏では最大規模の梅田での観察なのでそれなりに当てはまる部分はあると思うが、首都圏ではまた違う要素があるかもしれない。

それを念頭に置いた上で考えると、サマンサタバサの衰退の最大の原因はハンドバッグを持つ女性が激減したというところにあると言えるだろう。

何せ、大半以上が私的なお出かけと考えられる土曜日の夜に梅田を歩いている人と、梅田に向かう電車の乗客をざっと見渡しただけでも2人しかハンドバッグを持っている女性を見かけなかったのだから。

そしてさらに言うと、ハンドバッグを持つ女性はサマンサタバサというブランドを選ばず、最低でも「コーチ」「マイケル・コース」クラスのブランドを選んでいるという点も大きいと考えられる。

 

恐らく、女性がハンドバッグを持つという状況は冠婚葬祭のようなフォーマルな場か、それに準じたような場に限られるようになってきたのではないだろうか。その際、持つハンドバッグブランドは「サマンサタバサ」などではなく最低でも「コーチ」「マイケル・コース」クラスで、場合によってはそれ以上に位置するハイブランドということになるのではないだろうか。

普段使いするならリュック、ショルダー、トートバッグ、ミニポーチを選択するのだろう。当方は慎ましやかに独居する初老爺なので若い女性とお会いする機会は少ないが、その少ない中でもわざわざハンドバッグをぶら下げている女性を目にすることが近年まったく無い。

エビちゃんが持っているハンドバッグというイメージが強いサマンサタバサは、いくら他のアイテムを強化してもそもそも「ブランドとして女性から選ばれにくくなっている」といえるし、得意とするハンドバッグというアイテムの中でも選ばれないブランドになってしまっていると考えた方がよいだろう。ハンドバッグを持つなら最低でも「コーチ」や「マイケル・コース」レベル、もしくはそれ以上の本物のハイブランドという選択になるのだろう。

男性も女性もリュックやショルダーバッグの普及によって両手がフリーになることの便利さ・快適さを覚えた。また東日本大震災でそれがさらに周知された。

そうなると、冠婚葬祭的なフォーマルや準フォーマルの場、職場での服装規定でもない限り、わざわざハンドバッグを持つという選択をする女性は限りなく減る。

そして、ハンドバッグという不便なアイテムを持たねばならないのなら、少し奮発して「コーチ」「マイケル・コース」レベルか、さらに奮発してハイブランドを選ぶという思考になると考えられる。

サマンサタバサは価格的(1万円台~3万円弱)にも中途半端な存在になってしまっている。

ブランドにこだわらないのなら、ユニクロ、ジーユ―、ハニーズ、アダストリアあたりの低価格なバッグ類を持てば良いし、機能性を追求するならスポーツブランドかアウトドアブランドのリュックということになる。

得意アイテムのハンドバッグは需要自体が減少し、価格帯は中途半端になっていて、そして選ばれるブランドでもなくなっているのが今のサマンサタバサといえ、だから苦戦が続いている。

某ウェブメディアで「サマンサタバサはナイキを見習え」というトンデモ記事を拝読したが、元来がスポーツブランドであるナイキと可愛い系のレディースブランドでは顧客層も利用する状況も用途も販路もすべて異なる。サマンサタバサの経営陣がナイキを見習ったら一層悲惨な状況に陥るだろう。

 

サマンサタバサは減少した愛好者層にガッチリ売って現状維持で存続するか、一度全てを廃止して、新看板アイテムの策定も含めて新たにブランド再構築するか、が現実的な選択だと思うがどうだろうか。

 

 

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 comment
  • kた より: 2023/12/22(金) 12:25 PM

    この界隈のニュース見る度にエビちゃんのネガティブキャンペーン被害がすごいなと思ってましたが…w
    でも翻って現在のエビちゃん当人にライフスタイルを聞いて改めてタッグを組んで良いのかもとも思った。
    もう立派なママやってるはずだし、何かBAGでも新しい打ち出しができるチャンスかもしれない。
    まだエビちゃん世代も購買に関してボリュームゾーンではあるし、
    ティーンのようにプチプラだけが刺さる要素な年齢ではないでしょう。
    がんばれっ

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