製造・加工業こそ情報発信を
2014年12月2日 未分類 0
長らくおつきあいのある方だが、3月までの仕事が埋まったと、明るい表情で話してくれた。
そこはサンプル縫製とか小ロット縫製を手掛ける工場なのだが、ある縫製仕様が可能なことを自社のウェブサイトに掲載したところ、問い合わせが増え、大きな仕事が決まったとのことだった。
実はその仕様が可能な機械を製造している大手メーカーが存在する。
その大手機械メーカーでもある程度の枚数はその仕様での縫製を請け負っているそうだが、残念ながらウェブサイトがない。
おそらくその大手機械メーカーがきちんとしたウェブサイトを立ち上げていれば、受注は倍とはいわないが、1・5倍くらいにはなったはずだ。
このメーカーはウェブサイトがないため、受注はあまり増えず、
その仕様が可能なことを自社ウェブサイトに表記した知り合いの会社が受注を大きく伸ばした。
ということである。
以前から何度も書いているが、製造・加工業こそウェブによる情報発信が必要だということである。
自社ウェブサイトを立ち上げるのでも良いだろうし、
費用を節約したければ自社ブログを立ち上げるのでも良い。
何にしろ、情報発信をしないことにはそのメーカーが存在することさえ世の中には知られない。
円安傾向と中国工場の人件費高騰で、衣料品の製造・加工は恐ろしい勢いで国内工場に逆戻りしている。
国内の製造工場は減りに減っているから、すべての受注には対応できない。
当然、断られるブランドも多数ある。
これまで中国生産一辺倒だったブランドが、今すぐ急に国内工場のラインを抑えるのはかなり難しい。
しかし、他方ではあまり仕事のない国内縫製工場、加工場もある。
もし、こういう工場が自社のウェブサイトなり、自社ブログを持っていれば、溢れたブランドからの問い合わせがあるだろう。そのうち、何件かは成約できるだろう。
そしてもう一つ、情報発信には利点がある。
工場側から売り込んだ場合、工賃が安く叩かれてしまう。
ウェブサイトを見て、問い合わせがあった場合、そこまで工賃が叩かれることはあまりない。
気に入らない条件なら工場側が断れば良いのである。
それがわかっているから依頼側もそれほど無茶な要求は突きつけてこない。
仕事がないと嘆いている製造・加工業こそ、自社ウェブサイトなり、自社ブログなりの情報発信を行ってもらいたいと切に願う。