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南充浩 オフィシャルブログ

暖冬が基本形態になるために分厚い冬物衣料品が売れにくくなる未来

2023年10月27日 天候・気候 3

アパレルの花形はやはり冬物だと思う。

衣料品好きの人の多くは同様の考えを持っているのではないかと思う。ウールセーター、ウールコート、ダウンジャケットなどなど衣料品好きの人にはたまらない魅力を持ったアイテムだと感じられるのではないだろうか。

当方でさえ、夏の半袖Tシャツなんかとは比べ物にならないほどに冬物衣料品には魅力を感じる。

しかし、手持ちのガチ冬物は年々着用回数が減っている。いわゆる暖冬傾向だからだ。2014年か15年頃から暖冬傾向はとみに強まった。暖冬が基本形態で、そこに寒波が来るか来ないかという状態が続いている。

そして、その寒波が滞在する期間も年々短くなっていると感じる。

汗っかきで暑さに弱い当方とすると、いくらカッコヨク見えても、汗を流しながら分厚いウールのコートを着たり、肉厚のダウンジャケットを着たりすることはない。

「オシャレは我慢だ」とばかりに着用する人もまだチラホラといるが、53歳で異性からモテたい意欲も無いオッサンが暑さを我慢してまでカッコヨク見える必要がまるで無い。

カッコ悪く見えるよりはカッコヨク見てもらえた方がありがたいが、別に暑さ・寒さを我慢する必要性を感じない。快適な服装でなおかつ他人様から少しマシに見てもらえればそれで十分である。

 

そうなると、寒波が来なくて記録的な暖冬になれば、当方はウール系の防寒着をほとんど着ることなくすごすだろうし、厚手のダウンも着ることもないだろう。

せいぜい、綿セーターだったり、薄中綿入りジャケットや防風機能ジャケットあたりで十分だろう。朝晩ヒンヤリするなら首元にマフラーを巻けばいい。マフラーなら使わないときはリュックに収納しておける。

 

以前、小規模ながら海外からの売上高で8割以上を占めるCTプラージュというニットブランドのことを書いた。

「割安感」と「継続する力」と「資金繰り」の重要性

で、オリジナルのニットブランドを立ち上げた際、すぐにヨーロッパへ進出したわけだが、その理由の1つとして

「ウール、獣毛のセーター類は日本でよりもヨーロッパの方が長く売る期間があると思った」

ということを挙げておられた。

 

北海道・東北・北陸などを除く大都市圏はだいたいが暖冬傾向が強まっており、ウール・獣毛のセーターを着る期間が年々短縮されている。もちろん、ウール・獣毛セーター好きの根強いファンが存在することは知っているが、その生活様式はマス層ではなく少数派である。マス層はメンテナンスの簡単さも手伝って、非ウール・非獣毛の中衣料を着用する人が増えている。フリースとか綿裏毛スエットとか合繊セーターとかである。

 

当方の親世代(生きていたら70代後半から80歳手前)までは「季節に応じた服装をすべき」という考え方が強固にあった。例えば、いくら暑くても11月に半袖シャツ1枚で出歩くことはおかしい、というような具合である。

しかし、そういう「季節感」も日本人は徐々に薄れており、暑ければ冬でも半袖を着るし、寒ければ梅雨時でも分厚い上着を着る、という体感温度に応じた服装をする人が増えている。

こちらの方が理にかなっていると思うが、季節感が無くなるというデメリットもある。

 

そうなると、暖冬が基本形態となると予想される日本では、ウールのセーターや分厚いウールコート、分厚いダウンジャケットなどは着用する人も着用できる気温も年々少なくなっていくと考えた方がよいだろう。

着用する人、着用できる気温が少なくなれば、各アイテムの売れ行きは当然鈍る。そういうアイテムが絶滅するとは思わないが、少数のブランドが残り、後はブランドが無くなるか扱う商品から消えるかということになるだろう。

 

で、話を戻すと、最近ではヨーロッパも毎年夏には35度以上の熱波が襲来するようになったが、日本に比べると猛暑日の期間が短く、秋になると朝晩は日本よりも冷え込むことが増え、ウールや獣毛のセーター、薄手のダウンベストなんかはほぼ年間定番的に着用されているという。

そういう意味では、CTプラージュが気温的なことを考えてヨーロッパへの進出をスタート時から模索したことは正しい判断だったといえるのではないだろうか。

 

クールビズが提唱されてからすでに18年が経過した。

今でもたまに「正しい洋服文化が廃れる」とか嘆いている人をたまに見かけるが、最高気温35度越えが当たり前の気候になって、外回り営業の人間がクールビズ以前のようにスーツの上着着用でネクタイまで締めていたら今以上に熱中症患者が続出してしまうだろう。

冷たい言い方だが、スーツ屋やネクタイ屋が何と言おうとクールビズは必要だったし、今後、法律で禁止でもしない限りクールビズは無くならないだろう。スーツ屋・ネクタイ屋は商売替えを自己努力でするほかない。

 

今後、ウールや獣毛のセーター類、ウールコート、分厚いダウン類なんていうのは、真夏のネクタイや真夏の正統派スーツと同様で、よほどの愛好者程度しか着用しなくなるのではないだろうか。もちろん、寒波が襲来すればそのようなことはないだろうが、寒波が来ない暖冬の年は着用者も購買者も少ない状態で推移することになるだろう。

 

先日、たまたまユニクロの店頭のマネキンを撮影したが、こんな服装をすることは個人的には好きだが、もう気温的にはできないだろうと思っている。完全にできないわけではないが、できる日が限られてくるだろう。

 

いくら、カッコイイとかトレンドとか言ったところで、クールビズと同様に体感温度には抗えない。そういう冬ならではの衣料品は、クールビズ時のネクタイ同様に少数の愛好者だけが求めるマニアック商品となるのではないだろうか。

 

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 comment
  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/10/27(金) 5:33 PM

    「ガチ冬着」「ガチ冬物」

    うまい造語だなぁ・・・さすがライター

    チェスターフィールドコートや
    ダッフルコートに代表される
    厚手織物着丈90以上なんて冬物が
    数年前に流行ったのが定番化するなぞ
    150%あり得ません

    もちろんこうした傾向に気づいているのは
    我々だけではありません

    都内の一部モールでは、着丈90以上のコート類を
    はやばやとセールにかけている所があります

    If then式で、2月になったら!寒波が来たら!
    という期待は100%外れます。断言できます

    ちうわけで、業界人らしく今年はシェラの
    60/40パーカーでも復活させますか

    ただセーターを着こむ前提のフィッティングだから
    このあたりを各社どうするかですね

    と思いきやノースフェイスが既に下に着こまないのを
    前提としたパターンのアウターをさんざんリリース済でしたww

  • あわあわ より: 2023/10/28(土) 10:06 AM

    あいからずイキってますなーーーwww
    あんたに流行を作れる力も金も権力もあると思えないけどね笑
    ぜひあなたの力で流行りを作って見て下さい

    ただ単に古臭い昔の栄光を語るしかないっていうね、、、栄光もなさそうだけど
    60/40しか業界用語知らないんじゃないの
    混紡と交織、交編の区別すら出来そうにないけどwwwwwwwwww
    そもそも素材の区別とかつかないでしょ

    買えないと買わないを混同するのは止めましょう

    で2ちゃん用語で顔真っ赤にして喚くんでしょ
    キモすぎ、ダサすぎ

  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/10/30(月) 10:05 AM

    マァ、おとなの世界では「くるくるパ~はほうち」というのが
    ふつうだけど、ここの大人たちは優しいからなぁw

    これからもネタを提供し続けてくださいね

    もちろん転職活動も忘れずにねw

    若いうちは苦労するのも悪いものではないかもよwww

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