南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

リーバイス

リーバイスの中間価格帯は成功するか否か

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - リーバイスの中間価格帯は成功するか否か
 リーバイス、家族向け6500円発売
http://www.senken.co.jp/news/levis-lowerpriceline/

プレミアム戦略は継続するが、ジーンズカジュアルチェーン店など郊外型マーケットに向けて、6500円以上の中価格帯のジーンズのテスト販売を3月から開始する」ことを明らかにした。テスト販売の結果が良好なら、15年秋物から本格展開する計画だ。

とある。

実はこの記事の全文を読んでも今一つ共感できないでいる。

リーバイスは数年前に5900円という中間価格帯の「オレンジタブ」を廃止している。
筆者には今回の打ち出しがオレンジタブの復活というように見えて仕方がない。
(実際にタブがオレンジになるかどうかは記事からは分からない)
今、復活させるならなぜ当時それを廃止してしまったのか不思議でならない。

「オレンジタブ」ラインが作られた当時は、ユニクロの大躍進と不況から低価格ブームが起きたころである。
9800円以上の商品のみでは戦えないという判断があった。
実際はもっと低価格のイオンとのシグニチャーモデルも発売したことがあるが、その出来栄えは到底良いものとは思えなかった。
ある程度のリーバイスらしい品質と見た目を保っていたのは「オレンジタブ」である。

リーバイス伝統の赤タブをオレンジにし、価格帯を分けるというのは買う側からすると分かり易い施策であったと感じる。

リーバイス・ストラウス・ジャパン社の特徴は、社長が交代するたびにめまぐるしく施策が変わることである。
そして筆者が傍目から見ていると、それは一貫性に欠けると感じる。

今回の低価格商品問題は社長が交代するたびに、廃止と創設を繰り返している。
もう一つの施策は世界統一企画の導入と廃止に繰り返しである。
その裏返しとして日本独自企画の復活と廃止がある。

経営施策は時代に応じて柔軟に対応しなくてはならない反面、ブランド作りというのは一貫性がなければならない部分がある。
一貫性を保ちつつ柔軟に対応しなくてはならないのだから、これはなかなか難しい作業である。
この難しい作業ができなければブランド作りなんてものはできないから、実際はアパレル業というのは大変に難しい業種だといえる。

好きこそ物の上手とはいうものの、「服好き」だけではどうにもならないのがアパレル業だとも思う。

めまぐるしく数年おきに方針が変わるリーバイ・ストラウス・ジャパンに対して、「柔軟に対応している」と評価することもできるが、筆者の目には一貫性に欠けると映る。

経営的に考えるなら「ダメなものは早期に廃止すること」は良いが、ブランド作りという観点からいうなら、短期間で止めてしまえば定着させることは難しいともいえる。

オレンジタブを廃止して、今更また中間価格帯の復活というのは果たして効果があるのか、筆者には疑問である。
低価格志向は現在は幾分弱まりつつある。

誤解してもらいたくないが、低価格衣料品はなくならない。
しかし、低価格品だけを欲しがる風潮ではなくなりつつあると感じられるということである。

この風潮が出始めた時期にわざわざ低価格品を新たに作るというのはちょっとタイミング的に疑問を感じてしまうわけである。

例えば郊外店に限らず、ジーンズチェーン店には期末になると30%程度割り引かれた廃盤のリーバイスが並ぶ。
だいたい7000円弱くらいになるから今回創設される中間価格帯とほぼ同等ということになる。
どちらを買うかというと、筆者なら割り引かれた方を買う。
元々、1万円前後の定価で販売されていた物だから割安感がある。

そう考えると新ラインもなかなか売り方が難しいのではないかとも思う。

その一方で、ジーンズというアイテムに関しては、アパレル業界人からも「ユニクロの次の価格帯が1万円を越える。その中間価格帯がない」という嘆きの声も聴かれる。
実際のところはその中間価格帯の商品もあるのだが、業界人にすらあまり認知されていないといえる。

そこに向けての需要はあるだろうからリーバイスの新商品もそれなりの需要はあるのではないかとも感じる。

ただし、昨今は郊外型ジーンズチェーン店でも自主企画商品を製造販売しているから、6500円という価格帯はチェーン店の自主企画商品と競合する価格帯でもある。

筆者程度の知識では今回の取り組みが上手く行くかどうかは皆目見当がつかない。
いろいろと書いてきてアレだが(笑)、上手く行くことを願っている。
こんな感じでお茶を濁しておこう。

品番数を増やし続けたのは店頭占有率を高めるため?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 品番数を増やし続けたのは店頭占有率を高めるため?
 先日、ジーンズナショナルブランド(NB)はシルエット違いの品番数が多いのではないかと書いた。

すると、某NBで営業職を務めた経験のある知人が

「NBのSKUが増えたのは、他社との売り場シェア争奪戦=壁面、中島、ハンギングのフェースをいかに他社より多く取るか、そんな側面での品番、色番の展開を乱発した。特に90年代の10年間は多かった。
結局、常に上位20品番で売上の80%を占めると言うパレートの法則通りの結果で、品番を絞り込んでは処分し、また増えの繰り返しで粗利も低かった。
消費ニーズに応えたというよりは、シェアを取る為に店頭での展開が増えたのではないか」

との意見をくれた。

これは今でもそうだが、例えばリーバイスの501、エドウインの503のような「看板商品」以外の品番は、シーズンごとに大きく入れ替わる。
同じ番号でもまったくシルエットが異なったり、リーバイス517(ブーツカット)がなぜか「527」に番号変更したりと、そんなことは日常茶飯事である。

そして、販売員時代の経験と照らし合わせるなら、春夏と秋冬で店頭の陳列商品も大きく入れ替わる。
春夏に主力だったライトオンスジーンズや、淡色ジーンズを8月末ごろにメーカーに返品して、代わりにコーデュロイとか濃色加工ジーンズが送られてくる。これをシーズンごとに店頭とメーカー間で繰り返すわけである。

ジーンズという商品は、買い取りではなく、百貨店と同じ「委託販売」という形態をとる場合が多かった。
ジーンズNBの多くは自家縫製工場を持っているので、生産は毎日行われてしまう。季節返品された商品は倉庫に積みあがることになるため、アウトレットモールができるまでは、セール対応品として値引きされて再び専門店に送られることも多かった。

ご存知の通り、ジーンズ専門店の壁面はほぼジーンズの棚である。
ユニクロの店頭もこの形態を引き継いでおり、よく見てみるとユニクロのパンツ売り場は結構広い。
一方、GAPは壁面一面がジーンズということはない。かなりボトムス比率は低い。

時が流れ、専門店の壁面争奪戦はほぼ終結しつつある。
最盛期には7、8社くらいあったNBがエドウイン、リーバイス、リーにほぼ集約されてしまった。
そうなると、もともとあった広大な壁面を3ブランドの商品で埋めなくてはならなくなる。
これは店側にとってもNB側にとってもかなりの負担である。
先日書いたことと逆になるが、品番数を絞り込んでしまうと壁面スペースが埋まらなくなる可能性もある

同一品番を横に広げて面積を埋めるという手もあるが、それが不格好だと思うなら、品番数を増やすしかない。
9種類もある微妙なシルエット変化は、広大な壁面を埋めるためにやむを得なかった側面も強いのだろう。


残念なことに現在、NBとジーンズ専門店は低迷している。
理由は日本人がジーンズを購入しなくなったのではなく、選択肢が広がったためだ。
ユニクロ、GAP、ZARA,H&M、ハニーズなどの国内外のSPAブランド、高級インポートジーンズブランド、ライトオンのバックナンバー、マックハウスのラッシュアワーなどの専門店プライベートブランド、エヴィスやシュガーケーンなどのこだわりジーンズブランドだけではない。
一般の百貨店ブランドにもジーンズはある。バーバリーやタケオキクチなどにも並んでいる。

これらすべてがNBとジーンズ専門店の競合となっている。

そうなると、壁面をびっしりとジーンズで埋め尽くした従来型の店構えが良いのかどうかである。

NBとジーンズ専門店は商品の選択肢を増やし過ぎて、逆に消費者に選ばれにくくなっているのかもしれない。
「種類が多すぎて良く分からないから、ジーンズ専門店に行かずにユニクロに行く」。
そんな選択を行っている消費者も意外に多いのではないか。

先ほども書いたが、ユニクロの店内をよく見てもらいたいが、壁面はビッシリとジーンズとカジュアルパンツで埋め尽くされている。ユニクロの店作りは旧来のジーンズ専門店を引き継いでいる要素が強い。
什器とか内装とか照明が異なるため、そう見えないだけである。
他のSPAブランドで壁面をビッシリとジーンズで埋め尽くしているブランドはない。

となると、やっぱりNBとジーンズ専門店にとって、ユニクロの店構えは参考にすべき要素があるのではないか。
そして、選択肢を狭めるという努力も必要ではないかと思う次第だ。



選択肢は多すぎても逆効果

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - 選択肢は多すぎても逆効果
 ちょっとジーンズの話題続きで恐縮だが、考えていたことをパラパラとまとめてみたい。

エドウインやリーバイスに代表されるナショナルブランド(NB)は、一部にトップス製品があるものの、ほぼジーンズとカジュアルパンツ専門メーカーだと考えて差支えない。
NB各社のジーンズは、シルエットが事細かに細分化されている。かつて、筆者らが若かりしころは、その細分化された中から自分にぴったり合うシルエットの商品を探すのが楽しみでもあった。

リーバイス501はちょっと合わないから、ラングラーを穿いてみる。
ラングラーでも11MWZは合いにくいから13MWを穿いたらぴったりだった。
でもリーバイスの509もそれなりに合う。

こんな感じだった。
しかし、大部分の消費者にとって、ジーンズのシルエットをそこまで細分化する必要があるのだろうかと思う。
とくにジーンズNB各社が苦戦を始めてからその思いは強くなった。
もっとシルエットの選択肢を狭めた方が良いのではないか。

ちょうどこの考えをもう少し詳しく説明したブログを発見したのでご紹介したい。
リーバイスのHPが題材になっている。例によって長文である(・_・;)


プロダクトの整理と「選ばせない仕組み作り」がポイントのようだ。
http://keynotes.hidezumi.com/keynotes/2012/11/style_selector.php

ページに掲載されているルックブックは面白い。裾の長さなどのポイントを抑えるとお洒落に見えるということがよく分かる。特に高価なプレミアムジーンズを買う必要はなさそうだ。と、同時に消費者に何かを選ばせるというのはとても大変なのだということも浮き彫りになる。システムとして見た場合、とにかく使い勝手が悪い。

(中略)

次に、人は10以上の選択肢を見せられると「げんなり」してやる気を失ってしまう。これはつまり「お客さんが買ってくれなくなる」ということを意味する。ここでは16のスタイルが立て続けに提示され、3つほど見ると、前になにがあったか分からなくなる仕組みになっている。

これはヒトの脳のキャパシティに起因している。電話番号のような一連の情報の組み合わせだと7つから12程度は覚えていられるが、乱雑な情報の列になると、せいぜい3つか4つが限界だろう。またプロセスの数も5つ以上は「多いな」と感じられてしまうのではないかと思う。

(中略)

さて、Find Your Styleに戻る。無事にこの関門を通り越えて「好みのジーンズ」が選べたとする。最後にジーンズを選ぶと、結局いくつものジーンズが提示される。この時点で「前に選んだものが何だったか覚えていますか」ということになる。きっと「うんざりして」選ぶのをやめてしまうだろう。

いずれにしても「選択肢が多すぎて探せない」ということは、状態化している。最近出た野村総合研究所の生活者一万人調査の抜粋には次のようなコメントがある。

一方で、「商品やサービスに関する情報が多すぎて、困ることがある」と「商品やサービスに関する情報が不足していて、困ることがある」のどちらに近いかを尋ねた結果をみると、前者の考えを支持する人が全体の70.1%をしめる結果になっています。また「事前に情報収集してから買う」人は2006年(28.9%)から2009年(35.8%)に大きく増加したのに対して、今回の調査では33.1%とやや減少しています。買い物時に参考となる情報や利用者の評判は気になるものの、いわば情報過多の状況下にあるため、自身でさまざまな情報を収集する傾向がやや頭打ちになっていることがみてとれます。

口コミやブランドの信頼性などにこだわる人がいる一方で、情報疲れしている人もいるのかもしれない。店頭への回帰も見られるようだ。この「情報過多」というのは、現在では重要なポイントだ。


とある。

この筆者は、反対のアプローチで業績を回復したブランドに注目している。
アバクロンビー&フィッチ、通称アバクロである。
彼は、アバクロはジーンズを4シルエットに集約することで、売り上げが回復したと以前に述べている。
たしかに米国でアバクロの株価は上昇しているようだ。


さて、筆者も気になって現在のリーバイスのHPを見てみた。
メンズを見てみる。

510 スーパースキニー
511 スキニー
508 スリムテイパード
551 スリム       (蓬莱の豚まんではない)
502 ストレート
501 ストレート
505 ストレート
503 リラックス
527 ブーツカット

と全部で9つものシルエットがある。
517はいつの間にか527に変更になっていた。
また、501と502は同じシルエットで、ボタンフライとジップフライの違いがある。
なのにどうして同じストレートで505があるのだろう?
HPによると腰回りがゆったりしてひざ部分がストレートになっているそうだが、そんな細かい違いが必要だろうか。


どうだろうか?明らかに選択肢が多すぎるのではないかと思う。

ジーンズNBが苦戦を余儀なくされた一因に国内外のSPAブランドの台頭がある。
代表格であるユニクロとGAPのHPのメンズジーンズを見てみる。

ユニクロは細い順に、スキニー、スリム、レギュラー、リラックスの4シルエットしかない。
またGAPも スキニー、スリム、ストレート、イージーの4シルエットしかない。


この両ブランドの施策がすべて正しいとは思わないが、ジーンズのシルエットはこの4つで事足りるということであろう。実際にこの両ブランドに押されてジーンズ専門店の売上高が激減しているのだから、ジーンズNBは注目すべきではないだろうか。


ただ、ジーンズNBと両ブランドを単純に比較しきれない部分もある。
ほぼ単品アイテムしか展開していないNBと、トータルファッションを展開する両ブランドの違いがある。

両ブランドは異様に細分化されたジーンズを展開する必要はなく、
4シルエット程度の提案でも各種のトップスと組み合わせることで着用感のバリエーションが提案できる。

一方、単品しか展開していないジーンズNBは4シルエットだとラインナップがさびしいと感じるのだろうか。
しかし、リーバイスで言うなら、501だとブルーデニムの濃淡だけで7種類ある。うち1種類はクラッシュ加工なので6色か。ここにホワイトデニムバージョンとメイドインジャパン製品、メイドインアメリカ製品が加わる。

502だとブルーの濃淡だけで6色、ブラックデニムが1つ、カツラギ素材によるカーキやオリーブなどのカラージーンズが3色、そこにまだメイドインジャパン製品も加わる。

こうして見ると、一つのシルエットに7~10色のバリエーションがあることになる。
平均8色と仮定すると、リーバイスだと9シルエットなので9×8で72のバリエーションということになる。
これはかなり多い。仮に4シルエットか5シルエットに集約してもカラー展開を含めると、40ちかいバリエーションが確保できることになる。
40種類もあれば十分だろう。

そういえば、VMDの基本理論に「一番遠く(4~8メートル先)から認識できるのは色柄」とある。
ならば、シルエットを増やすのではなく色柄の種類を増やす方が、まだ理にかなっているのではないだろうか。

次に認識しやすいのはデザインであり、微細なシルエットの違いではない。
ならば、カーゴポケットを付けるとか目立つ付属を付けるとか、ブッシュパンツ型にしてみるとかの方が効果的だろう。
2メートル先で待っている相手が、502を着用しているのか505を着用しているのかを見分けられる人間はおそらくほとんどいないだろう。
だから、微細に異なるシルエットの商品を拡充することはあまり効果がないと思う。

それにしても改めて数えてみたがブルーデニムの濃淡のバリエーションも多すぎる。
6色や7色も必要ないのではないか。せいぜい4色で十分だろう。
もし、ラインナップがさびしいならブルーデニム以外のカラーバリエーションを拡充してはどうか。

ちなみにGAPはストレートがブルーデニムで4色、スキニーとイージーがブルーデニムで2色、スリムがブルー2色と異素材で2色である。

ユニクロはレギュラーのブルーが4色、スリムのブルーが5色、スキニーのブルーが3色、リラックスのブルーは2色だ。

ブルーデニムの濃淡だけで見ると、ユニクロよりもGAPの方が効率的だが、そのユニクロでさえNB各社よりも色の集約は効率的である。


微細なシルエット変化とブルーデニムの色変化をたくさん打ち出すことで、消費者ニーズを広く捉えようということだろうが、選択肢が増えすぎて一般消費者にその思いは伝わっていない。
むしろ、4シルエットと数色のブルーに集約したユニクロやGAP、アバクロの手法に学ぶべき点は多いのではないだろうか。








チノパンブームなのにドッカーズは再上陸しないの?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - チノパンブームなのにドッカーズは再上陸しないの?
 ときどき思い出したかのように古着屋を覗くことがある。
しかし買い物をしたことはあまりない。なぜなら古着はあまり好きではないからだ。
とくにTシャツとパンツがいけない。
両方とも素肌近くに身に着ける物なので、前の持ち主を想像してしまう。
「すね毛ボーボーで熊みたいな足のオッサンが穿いていたらどうしよう」とそんなふうに思う。
まあ、これは想像過多なのであるが、苦手なものは苦手だ。


そんな中で「ドッカーズ」のチノパンが並んでいるのを見つけて、懐かしかった。
そういえば、ブランドの存在すら最近では忘れていた。

「ドッカーズ」はリーバイスが展開するチノパンブランドである。
日本にも一時期上陸して百貨店平場やジーンズ専門店などで販売されていたが2007年ごろ撤退した。
今では日本市場には、かつて「ドッカーズ」があったという痕跡すら残っていない。

アメリカンなチノパンなので、現在の日本のトレンドとは少し異なる。
オフィスでも穿けるようにという設定だが、体格の大きなアメリカ人に似合うようにゆったりとしたシルエットが多い。

しかしである。

日本市場は2009年ごろからチノパンがトレンドアイテムの一つとなり、ブルージーンズは苦戦している。
とくにジーンズ専業メーカーは厳しい。

それを考えたとき、リーバイスはどうして「ドッカーズ」を再上陸させないのかと、疑問を感じた。
売りにくいブルージーンズをあれこれこねくり回して市場に提案するよりも、ドッカーズをトレンドに適合するようにアレンジする方が簡単ではないのか?
もちろん、当時のそのままの商品では日本では売れないことはわかりきっている。

苦労して「ジャパンメイド」を作ってみたり、吸水速乾の機能繊維を混ぜてみたり、保温発熱繊維を混ぜてみたりとこんなことをしてまでブルージーンズに執着する必要があったのだろうか?

一番売りやすい物を売るのが良かったのではないか?と今にして思う。

幸いにして、今秋冬からブルージーンズ人気が復興しそうな気配はある。
ただし、今度のブルージーンズ人気の一つの柱はジャージデニムが担いそうである。

結果論だが、ドッカーズの日本撤退は少し早まったような気がしてならない。

リーバイスに復調の兆し?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加 はてなブックマーク - リーバイスに復調の兆し?
 1月25日の繊研新聞によると、12月、1月と「リーバイス」が好調に推移しているという。
記事によると、12月に「501」を軸とした新たなクラシックモデルを投入したところ、1月までの売り上げは前年同期比60%増以上だという。商品の価格は1万1550円以上。

日本で「リーバイス」を展開するリーバイ・ストラウス・ジャパン社の決算は11月期であるから、12月の新年度開始とともに好調な出足だといえるだろう。

ただし、記事は「売り上げ」としか書いていないため、金額ベースなのか本数ベースなのかが少しわかりにくく感じる。もし、金額ベースであるなら「売上高」と書いてもらいたかった。

記事によると、今後はブランドの高級化路線、プロパー販売重視のビジネスモデル構築を進める。とある。

同社の斎藤貴社長はかつて「ラコステ」を日本で展開するファブリカの社長を務められていた。
その昔、15年ほど前までは「ラコステ」というとポロシャツの単品専業ブランドと、世間では認識されていた。
筆者はいまだに「ラコステ」はポロシャツブランドというイメージが払しょくできず、「ラコステ」でブルゾンやパンツ類などを買おうとはなかなか思えないのだが、実際はこの15年間でトータルブランドへと完全に脱皮できたと感じる。

「リーバイス」のブランド知名度は高いが、世間的に見ればやはり「ジーンズ専業ブランド」というイメージだろう。
もちろんトップス類を作られていることは存じているが、Gジャン類、ネルシャツ類、Tシャツ類以外はあまりバリエーションがなくファッションブランドとは雲泥の差があることも事実である。
今後、さらにブランド価値を高めるためには、「ラコステ」と同様にトータルアイテムを展開するファッションブランドへと進化することが望まれる。

そういう観点では、元「ラコステ」の斎藤貴社長は適任なのだろうと考えている。

新年度から明るい兆しが見えたが、手放しでは喜んでいられない。
リーバイ・ストラウス・ジャパンの24年11月期連結は

売上高97億円
営業損失9億円
経常損失8億5500万円
当期損失9億2000万円


と見通している。

23年11月期連結よりは赤字幅が縮小しているとはいえ、まだまだ楽観視できない。

また、「リーバイス」ブランドはこれまで本国の度重なる意向の変化に翻弄されてきたのも事実である。
ジャパン社の政策も5年間継続されたためしがない。
ジャパン社の歴代社長も2~3年で交代を余儀なくされている。

今の斎藤社長の方針は、高付加価値化であるため、すぐに成果が見えにくい。
米国本国が短気を起こして路線変更しないことを祈るばかりである。








PR





記事検索
livedoor プロフィール
タグクラウド
QRコード
QRコード