南充浩の繊維産業ブログ

ファッションブログ・・・・と言いたいところだけれどもそこまでファッションに特化していないし、能力的にもできない。そこで繊維製造業、産地、アパレルメーカー、小売店など幅広く繊維産業全般についてぼちぼちと書きます。たまにマスコミ、経済問題についても書く予定。よろしくお付き合いください。 お仕事の依頼は minami_mitsuhiro@yahoo.co.jp まで。

繊維業界新聞の記者としてジーンズ業界を、紡績、産地、アパレルメーカー、小売店と川上から川下まで担当。 同時にレディースアパレル、子供服、生地商も兼務した。退職後、量販店アパレル広報、雑誌編集を経験し、雑貨総合展示会の運営に携わる。その後、ファッション専門学校広報を経て独立。 現在、記者・ライターのほか、広報代行業、広報アドバイザーを請け負う。

パルグループ

牛丼の価格について思うこと

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 外食産業で消費者にとってもっともコストパフォーマンスが高いのは牛丼だと思う。
関東と関西で値段の違う店舗があるのだが、
すき家、松屋、吉野家いずれもほぼ同列であろう。
(企業業績に優劣はあるが)

個人的には、松屋の牛めしは味噌汁がセットされて250円なので、
もっともお得だと思う。

2年ほど前、牛丼各社は値段を元に戻した。
だいたい400円弱である。

こうなると途端に牛丼の売れ行きが落ちた。

なぜなら300円以下の価格に多くの消費者が慣れており、
400円弱の価格を「高い」と感じたからである。

一方、マクドナルドは一時期よりも価格を上げた。
以前はセットが350円くらいだった記憶があるが、
今では500円を越える。
自分は、今のマクドナルドを「割高」だと感じており、
この2年間、ドリンク以外では利用したことがない。
マクドナルドで食事をするよりも牛丼を食べた方がお得だからだ。


こう考えてみると、一旦下げた値段を上げることはかなり難しい。


衣料品で考えてみると、高くても売れるブランドは存在するものの、
平均的な価格は下がっている。
今春夏も一時的に売れた時期はあるものの、全体的に消費は低調である。
これはセールで処分するしかない。
おそらく、2か月以上にも及ぶであろう今夏のセールでは、
最終的に投げ売り価格になると予想される。

先日、心斎橋のビッグステップ1階に期間限定出店中のパルグループアウトレット店で
昨年以前の夏物在庫のトップスを3枚3000円で買った。
いずれも元値は3900円以上する商品が値下がりしていたのである。

こういう商材が出回れば出回るほど、衣料品の平均価格を上げるのは難しいと感じる。

しかし、外食と違って衣料品の救いは、毎シーズン商品が一部を除いてがらりと入れ替わる点である。
牛丼は同じメニューで値段が変化したので、割高感があるが、アパレル商品は季節ごとに商品が変わる。
今春夏と同じ商品は、来春夏に存在しない。
そこを上手く利用できれば、ある程度の価格上昇は成功するのかもしれない。


来春から衣料品価格は上がる。もしくは品質は下がる。

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 12月にこれほど大々的にセールが行われていたのは、今年が初めてではないだろうか。もちろん今までからも「シークレットセール」「フライングセール」「メンバーズバーゲン」などと銘打っては、行われていたものの、どちらかというとひっそりやってますという感じだった。
しかし、今年はもはやセールのPOPで店頭が真っ赤である。

そのセールの値引き率も高い。ユニクロでも9990円のダウンジャケットが年末まで3990円に値下がりしている。
言ってみれば、衣料品のデフレも極まれりの状況にある。

他方、原料費は高騰を続けており、綿花、羊毛の値上がりがすさまじい。それに引きずられてポリエステルやアクリルの合成繊維まで値段がわずかずつ上昇している。さらに、中国の生産工場の人件費も上昇しており「中国で生産しても、国内で生産しても値段はあまりかわらない」くらいになっている。

このため、来年春物からは衣料品の値段が上昇しそうだ。
業界努力でもなく、政府の努力でもなく、原材料の高騰と海外工場の人件費上昇という外的要因であるところが笑えるのだが。

例えば、パルグループの大谷時正専務は「店頭価格は上がらざるを得ない」と分析している。
しかし、価格が上昇して厳しくなるのは、3900円までの低価格ゾーンであり、10000円の商品が11000円になっても固定客は買うが、1900円の商品が2900円になればそのゾーンの消費者は買わなくなる。
もっと最悪なことを考えると、低価格ゾーンの企業が価格据え置きを狙うなら、原料と縫製の品質を落とすしかない。
すなわち安い材料と安い縫製工賃で商品を作らなくては、価格据え置きができない。これまでより数段品質の劣る1900円商品が出来上がるというわけだ

低価格ゾーンではユニクロは、おそらく価格据え置きにするだろうと推測している。生産ロット数量がケタ違いに大きいため、なんとかコストを吸収できるはずだ。しかし、しまむらやハニーズ、ジーユー、リオ、タマヤなどはどうだろうか?
生産数量が中途半端だが、価格は安い。
最も影響を受けるのではないだろうか。

価格上昇で客数を減らすのか、価格据え置きで粗悪品を提供するのか、のどちらを選択するのかでその企業の姿勢が見えてくるのではないだろうか。

何はともあれ、海外状況のおかげで、衣料品のデフレは底打ちをしそうだ。

セール待ちで売れない12月

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 今月はいよいよ12月である。
今の12月はあまり洋服の売れない月になりさがってしまった。
一つには来月元日から始まるバーゲンの影響がある。
あと少し待てば、洋服は3割~5割引きになる。
これを待たずに服を買うのは、よほどの金持ちかマニア級に服の好きな人に限られるだろう。

同じ商品が安くなるのであれば、安い状態で買うのが通常の人だからである。

しかし、12月がバーゲン待ちの停滞シーズンとなってしまったのは、ほんの15年ほど前のことで、90年代半ばまではもっとも洋服の売れる月の1つだったのである。
そのころまでは元日から営業をしているお店はほとんどなかった。個人商店だけではなくスーパーマーケットも百貨店も量販店もである。だいたい初売りは3日か4日から。2日に初売りをして、その後4日くらいまで営業しない店もあった。

だから、12月は31日の夜中まで開店しているショップも多かった。
パルグループの大谷時正専務によると「20年前までは12月31日は、路面店は夜中の2時ごろまで開店していた」という。
正月には、下着・靴下・その他すべての洋服を一新するという風習があったことも12月の需要に結びついていたのだろう。

今は逆に、12月31日の閉店時間は通常よりも早い。
都心の商業施設でも午後7時ごろにはほとんど閉店する。
大晦日にわざわざ服を買わなくても、明日も通常通り店は開いているし、おまけに値段も下がっている。
そんな状況でわざわざ定価で服を買うのは、金が有り余ってる人か、日本経済再浮上に使命感を燃やしている人かだろう。


40歳のオッサンのノスタルジーで言えば、正月はしばらく店が営業していないから、数日分買いだめしておくという大晦日の緊迫感はなかなかに楽しいものであった。今にして思えばだが。

そう思えば営業時間を延長した流通業界は、自分で自分の首を絞めているとしか思えない。





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