月別: 7月 2016 (1ページ / 2ページ)

犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる

 久しぶりにファッションビル、セレクトショップを覗いた。
夏バーゲンの中だるみの時期である。
店頭はほとんどバーゲン品だが、目ぼしいものはあらかた売れてしまったが、もう一段の値下げはまだである。
晩夏・秋冬向け新商品はそれほど入荷していない。
そんな時期である。

8月に入ったらもう一段の値下げに入るが、それまでは中だるみの時期が続く。

商品の見た目も品質も、低価格ブランドとそれほど変わらなくなったから、2005年以降ファッションビルブランドでセール品を買うことが少なくなった。
2010年以降は百貨店ブランド、ファッションビルブランドで商品を買っていない。
2010年以降に買ったのは、ユニクロ、ライトオン、ジーンズメイト、無印良品、レイジブルー、GAP、バナナリパブリック、ジーユー、ウィゴー、チャオパニックティピー、グローバルワーク、ZARA、イトーヨーカドー、西友である。
しかも全部値引き品だ。定価では1品も買っていない。

それはさておき、買わないが、ときどきはファッションビルも覗く。

今夏、ファッションビルのテナントに入店しているセレクトショップ系チェーン店で目に付いたのが「Lee」と「チャンピオン」のダブルネーム、別注品の多さである。

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デニムとコーデュロイのクラッチバッグ

猫も杓子もLeeとチャンピオン、犬も歩けばLeeとチャンピオンに当たる、そんな感じである。

独立系デザイナーやら小規模ブランドは資本力がないから、直営店を複数まとめて出店することは難しい。
必然的に卸売りで売上規模を拡大するということになる。
専門店やセレクトショップに向けて卸すことになるが、その際、問題になるのが「バッティング問題」である。
野球のバッティングではない。そんなものは張本勲にでも任せておけば良い。

英語のスペルはまったく同じだが、「予定などがかち合うこと。物事が競合すること」という意味もある。
業界でバッティングというとこちらのことを指す。

要するに近隣店や競合店に同じ商品が入荷するのを嫌うということである。

隣り合った店に卸すことはさすがに避けた方が良いとは思うが、少し離れた(といっても3キロ~5キロくらい)離れた店に卸すことまで禁じようとするのはどうかと思う。
ケツの穴の小さい店は、業界外の人が想像するより多い。

衣料品不振といわれる状況だから百歩譲って、そういうことを言い出す気持ちはわからないではない。
わからないではないが、じゃあ、このLeeとチャンピオンであふれかえっている店頭をどう説明するつもりなのか?

自分たちが争ってLeeとチャンピオンの商品を並べたのだろう。
同じフロアにそれを扱っている店舗が何店舗もあるというのに。
これこそ究極のバッティングではないか。
それでよくぞ、小規模ブランドに「バッティングが~」と抗議できたものだと呆れ果てる。

自分らが勝手に同質化しているくせに。

これはまた別途書いてみるが、先ごろ話題となった経産省からの提言には、「無難な売れ筋追求に終始して同質化した」とあったが、それはメーカーだけの責任なのか。
小売店は放っておいても勝手に同質化しているではないか。

さらにいうなら、メーカーがいくら「変わったもの」を作ろうと、販売する小売店がそれを拒否するなら、そういう商品は店頭に並ぶことがない。
経産省も業界のエライサンも何か勘違いしているんじゃないか。

経産省も業界のエライサンも基本的に物作り脳しか持ち合わせていない。
だからいまだに「個性的な商品を作る」ことだけを重点的に考えているのだが、いくら作っても小売店や流通業者がそれを選択しなければ結果は同じなのである。
店頭にそういう物作り脳の人々が好むような「個性的な商品」は並ぶことがない。店頭に並ばないということは消費者の目に触れる機会はほぼなくなるということだ。

これだけLeeとチャンピオンで同質化しておきながら、「バッティング問題」を言い出す小売店側の身勝手さにも驚くばかりだ。

こういう店頭の同質化は今にはじまったことではない。
何年も前から変わっていない。並んでいるブランドがそのシーズンによって異なっているだけである。
ラベンハムだったりニューバランスだったりノースフェイスだったりしただけのことである。

小規模ブランドをバッティングで締め上げながら、人気ブランドはバッティングを気にせずに店頭に並べる。
そういう小売店は自らは気が付いていないだろうが、ブランドにおんぶに抱っこの状態である。

ブランドに頼り切っているだけだと、自らカミングアウトしているに等しいことになぜ気が付かないのか。

「ブランドを並べていたら売れる」という高度経済成長かバブル期の思考から抜け出せていないのが、そういう店のスタッフであり、バイヤーであり経営者である。
そういう店は実は存在価値がなくて、現在の顧客は店ではなく、品ぞろえを評価しているだけなのである。

しかし、もし、同じ品ぞろえの店があれば、その店はまったく要らないということになる。
同じ品ぞろえでさらに値引き販売する店が近隣にできればすぐさま潰れる。

「他店で人気があるから」とか「世間的にブームだから」とか「有名店や大手で扱っているから」とか、そういう理由だけでLeeとチャンピオンを並べることに何のためらいも感じない小売店に、小規模ブランドをバッティングで縛る資格はまったくない。





百貨店ブランドはかつては圧倒的に高品質だった

 基本的に洋服は自分の収入から手の届く範囲で買えば良いと思っているし、今の百貨店ブランド・ファッションビルブランドは、郊外型ショッピングセンターに入店している低価格ブランドの商品と見た目も品質も変わらないと思っている。

一方、本当に高品質の洋服を見たければ、それはもはやラグジュアリーブランドにしか存在しないとも思っている。

同年輩で、素材関連・OEM生産関連の仕事をなさっている社長がいる。
素材のことも縫製のこともアパレルの動向のこともお詳しい。

その人が、以前「本当に品質の良い生地が使われた洋服が百貨店やファッションビルで売られていた時期は20~15年前で終わった」というようなことを言った。
これはその通りだと思う。

20~15年前というと95~2000年くらいということになる。
こんな筆者でも2005年くらいまでは夏冬のバーゲン時には百貨店ブランドやファッションビルブランドで洋服を買っていた。
2005年当時、ショッピングセンターがあちこちにでき、各社は低価格ブランドを開発しており、それを見たり触ったりしたが、圧倒的に見た目も品質も違っていた。

さすがに90年代に買った服はほとんど残っていないが、2000年くらいに買った洋服は何枚か残っている。
元値が高かったというのもあるが、デザイン、品質ともに気に入っておりなかなか捨てるに捨てられない。
2010年以降に買った低価格ブランドの商品とは比べ物にならない。
まあ、ジャケット、コート類はアームホールが太すぎるので思い切って捨てたが。

例えば、今年3月末で廃止となったワールドのボイコットというメンズブランドがある。
OZOC、インディヴィと同じグループで展開されたメンズブランドである。
当初はタケオキクチとヤング向けのボイコットとして上手く住み分けていたが、タケオキクチにヤング向けや低価格ラインができるようになって市場でのポジショニングが被さってしまい、存在意義をなくした。

このボイコットのTシャツを今でも捨てられずに持っている。
もちろん傷まないように登板回数は減らしているが。

2004年にはすでに着用していた記憶がある。
なぜなら、当時これを着用していて「胸のシルバーのロゴがギャル男みたいですね」と言われたことがあるからだ。
こんな風貌のおっさんがギャル男みたいなTシャツを着ていたら気味が悪いだろう。(笑)
本人はそこまでギャル男みたいだとは思っていないのだが。

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おそらく2002年か2003年に買ったような気がする。
定価も買値も覚えていないが、阪急百貨店うめだ本店の催事場で投げ売られていたのを買った。
当時は夏冬のバーゲン終了時に、催事場で一段の投げ売りが行われていた。
元値が4000~5000円くらいで、それを1500~2000円で買ったのではないだろうか。

で、このTシャツの素材がかなり品質が高い。
6オンス前後の分厚さがあると思うのだが、その割にはソフト感がある。
襟の部分が色落ちしているが、全般的には染色堅牢度も高く、10年以上洗濯を繰り返しているがそこまで色落ちしていない。

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(襟の色落ち)

そして何よりうれしいのが、どんなに大量の汗をかいても、乾いたときに汗のあとが白く浮き出ないことである。
黒とか紺のTシャツ類は汗が乾いた後に白く塩が浮き出ることがある。
あれは見苦しいので、真夏に黒・紺のTシャツを着用することを避けているのだが、それがない。

同じ黒・紺でも、不思議なもので塩が白く浮き出るTシャツと浮き出ないTシャツがある。
一体、素材にどういう違いがあるのだろうか?
ここの詳細な説明を聞いたことがないので、ご存知の方はぜひ教えていただきたい。

買った当時は、「やっぱりブランド物は違う」と感じたのだが、今の百貨店ブランド・ファッションビルブランドにここまで感じさせる商品はほとんどない。
下手をするとユニクロや無印良品の方が素材が高品質だったりする。

末期のボイコットがマルイやらキューズモールの催事場で投げ売られていたが、ひどいものだった。
冬物だが合繊100%の安物くさいセーターとかおざなりな綿素材で作られたカジュアルパンツとか。
定価設定が高すぎるのではないかと感じた。あんなセーターを7000円とか8000円で売っていたらぼったくりも良いところである。

同じころに買ったジュンメンのボーダーTシャツがある。
おそらく2000~2002年ごろに買ったと記憶している。
これは今でいうビッグシルエット気味で、顔デカで肩幅の広い筆者が着ると、単なるゴツイおっさんみたいになるので部屋着として使っているが、これも肉厚生地で、染色堅牢度が高く、型崩れもしない。
ほとんど色落ちしていない。

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これは阪神百貨店で買った。おそらく値引きされて1500~2000円くらいだったと記憶している。

余談だが、90年代後半に女性を中心にチビTブームが2年ほどあった。
いわゆるSサイズとかXSサイズのTシャツをピチピチにして着るのだが、これがメンズにも波及した。
メンズのトップス類も2~3年くらい小さめが主流で、2000年ごろからそれが終わって、通常サイズに戻った。
このジュンメンのTシャツはそのころのもので、2004年からまたディオールオムのブームによってタイトフィット主流へと戻ってしまう。

ビッグシルエットが市民権を得るのは2014年以降のことである。

百貨店やファッションビルで手の届く価格で上質素材の商品が手に入ったのは、今から思うと幸せな時期だったのだと思う。
逆に今の30代半ばより下の世代は、そういうものがラグジュアリーブランド以外で手にすることができなくなったのは気の毒だと思う。

2008年ごろから原材料費はすべて上がり続けている。
比較的安定しているのが綿素材と合繊だけで、ウール・獣毛類、レザー、ファーはすべて値上がりし続けている。(綿は2011年ごろに高騰したがその後、もとに戻った)
今後原材料費が高くなることはあっても安くなることは考えられないから、素材クオリティの低下はまだまだ続くと見た方が良いだろう。

低価格ブランドとの違いをどこで打ち出すのか。百貨店ブランド・ファッションビルブランドには苦しい状況が続く。




「ファッションに無理は禁物!」に激しく賛同

 利用者の立場から、洋服に対する考え方はいくつかある。

1つは、「物の良し悪しを理解するためにもできるだけ高級な服を着よう」という考え方

もう1つは、「懐具合に合わせて買う。ただし、品質やデザインにはある程度気を付ける」という考え方

である。

筆者はむろん後者である。
この2つの考え方は絶対に交わらない。
筆者からすれば前者は「こだわりバカの呪文」か「金持ちの寝言か」くらいにしか思えない。

一概に前者が間違いだとは思わないが、その論法は今は通用しにくくなっているとも思う。
20年前までならイズミヤの平場に並んでいる美濃屋や水甚のトレーナーと、百貨店やファッションビルに入っているブランドのトレーナーは圧倒的に商品そのものが異なっていた。

素材や縫製仕様もさることながら、デザイン、色・柄そのものが圧倒的に違っていた。
Tシャツやトレーナーの前身ごろに入るプリントのグラフィックすらまるで違っていた。

当時、ユニクロはまだ台頭していなかったし、ユニクロの商品の見た目がマシになるのは2000年以降になる。
無印良品はすでに人気を博していたが、やっぱりそういうブランドとは見た目が少し違っていて、代用品には使いにくかった。

これが2000年以前のこと。

2005年以降は、低価格ブランド、量販ブランドと百貨店・ファッションビルブランドの商品の差がなくなっていく。
理由は何度も書いているが、低価格ブランド商品の見た目が向上したことと、百貨店・ファッションビルブランドの物作りが低下したことである。
百貨店・ファッションビルブランドの商品は見た目もクオリティも露骨に2005年ごろから低下し始めた。

2016年現在では、両者はほぼ同じように見える。
見た目もクオリティもほぼ変わらない。

低価格ブランド商品の見た目が向上した理由は何度も書いているが、百貨店ブランドやファッションビルブランドが人件費削減の名のもとに企画担当者やデザイナー、パタンナーを大量解雇し続けたからだ。
解雇された彼らも食わねばならないから、当然新しい仕事を探す。

低価格ブランドに入社した人もいるし、OEM/ODM企画会社を起こした人もいる。
それによって百貨店ブランド・ファッションビルブランドの商品デザインノウハウと製造ルートが、業界全体に広まることになった。
これで商品の見た目はほぼ同一になった。

品質面でも2000年以降、百貨店ブランド・ファッションビルブランドは低下し続ける。
主にはバブル崩壊による消費不振による売上高減少とそれに伴う利益低下が原因である。
それによって、コスト削減がさらに強まり原価率が低下しているのだがそんなことは消費者には関係ない。
通常、業界の平均的な原価率は30%とされているが、百貨店・ファッションビルブランドでは25%、20%にまで低下しているブランドも珍しくないし、某百貨店・専門店ブランドでは18%にまで下がっているともいわれている。

一方、低価格ブランドの原価率はそれほど下がっていない。
元から低価格なのでそれ以上に下げようがないというのが実態だろうが、品質面でも差が縮んでしまった。

こうなると、無理をして百貨店ブランド・ファッションビルブランドを買う理由がない。
だから筆者は金もないし、低価格ブランドを買うのである。

今、確実に低価格ブランドと差があるのは、いわゆるラグジュアリーブランドくらいだろう。
ラグジュアリーブランドを買うには恐ろしく莫大な金がいるから、貧乏人がそこまで無理をするのは逆に滑稽である。
それこそ今流行りのワークライフバランスが著しく崩れている。

それでも90年代後半とか2000年前半までは、そういうラグジュアリーブランドを無理してでも買うことがかっこいいという風潮があったから、売春までする輩が多数発生していた。
今ではそういう無理をした消費自体がかっこ悪いという認識が主流になっており、それは社会が成熟した証ともいえるのではないか。

今、「とりあえず無理をしてでも高級な服を買え」と主張する人は、こういう実態を知らないか、知っているが宗教にも似た頑なな信念を持っているか、金が余ってしょうがないか、のどれかだと思う。

先日、ドン小西氏の記事がウェブで掲載された。
個人的にはドン小西氏の見た目も、着ている服も好きではないが、この記事は割合に良いことを言っていると思う。

青紫のシャツに赤紫のネクタイを締めるようなセンスの人にファッションチェックなんかされたくない、と常々思っていたが、この記事は一読の価値があるのではないかと思う。

http://form.allabout.co.jp/series/28/269/

「まだ若くて収入も少ないから……」と言ってお洒落を諦めちゃダメ。「お金がない=ダサイ」ではないんだよ。Tシャツ一枚にしても、長さやシルエットやバランスをちょっと工夫するだけで全然見栄えも違ってくるんだから。

そもそもフランス人で「ルイ・ヴィトン」持っている人なんてなかなかいないよ。彼ら彼女らは、安い物にちょっとコサージュを着けてみたり、チェーンベルトを重ねてみたり……と、実に上手にお洒落を楽しんでいる。

逆に、高い金出して高級なブランド品に振りまわされながら、なんの工夫もしないのが日本人。モテるための策もロクに労せず、ただ大枚をはたいてプレゼントを買うしか能がないオッサンにはなりたくないだろ?

ファッションに無理は禁物! 分相応に年収内で最大限の工夫をすればいい。

とのことであり、
消費者視点からすれば、やたらと高級品を買うことを勧めるポジショントークの業界人よりよほど健全な思考だといえる。

今、ナショナルブランドも伸び悩んでおり、低価格ブランドとのコラボやダブルネームが増えている。
低価格ブランドからそういう物を上手に選べばかなりオシャレなコーディネイトができる。
その選択眼を養った人こそが本当のファッショニスタではないかと、常々思っている。




ファッションで一番重要なのは顔立ちと体型の良さ

 筆者は夏が嫌いである。
理由は暑いからだ。暑いのが苦手である。

で、人間の夏服姿というのは実にマヌケていると思う。
秋冬に重ね着をしていておしゃれに見える人でも夏服はカットソー1枚とか半袖シャツだけになるから、体型がモロに見えてしまう。

だいたいにしてかっこいい体型を保てている人なんてほとんどいない。

夏服を見ていると、ファッションとは、コーディネイトや色合わせがどうのではなく、顔立ちと体型の良さがもっとも重要なのだと改めて認識する。

最近はファッション雑誌をあまり読まなくなった。
とくに夏シーズンはほとんど読まない。
メンズはTシャツとポロシャツと短パン(短パン社長ではない)のカタログみたいになっている。
コーディネイトに工夫を凝らすといったって、Tシャツ1枚に短パンみたいな組み合わせしかないから、せいぜいTシャツの色柄を変えてみる程度しかない。
あとはサイズ感か。

しかし、それも顔立ちと体型が良くなければ、そんな工夫はほとんど無駄である。
それが毎年夏のファッション雑誌を読んだ率直な感想だ。

メンズのファッションはほとんど毎年代わり映えしないから、2年前のSafari8月号のページを画像で上げてみる。

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黒いTシャツと黒い短パンを着用した外国人男性モデルである。
なんの工夫もないコーディネイトである。
このモデルの顔立ちが良くて、体型もそこそこ良いから(ちょっと外国人にしては肩幅が狭いと思う。なで肩すぎるのか?)なんとなくサマになっているように見えるが、実際、同じようなコーディネイトをした人は山ほど街で見かける。
日曜日のショッピングセンターには同じようなコーディネイトをした冴えない風貌のオッサンが掃いて捨てるほどいる。

もし、ハゲてて、肥満してて、顔立ちが扁平でもっと短足な50歳くらいのオッサンが同じ服装をしていてかっこよく見えるだろうか?
そういうことである。

ファッション雑誌が売れなくなった理由はさまざまあるだろうが、モデルの顔立ちや体型が一般人からかけ離れており、その着こなしがまったく参考にできないからという理由もあるのではないか。

WEARなどのコーディネイトアプリが支持されている理由は、無料という以外にも、いわゆる一般人がコーディネイト画像を上げているため、参考にしやすいからではないかと思う。

彼らの多くはモデルや俳優ほど顔立ちが良いわけでもないし、スタイルが良いわけでもない。

背が低かったり、足が短かったり、背が高いけど痩せぎすだったり、肥満気味だったり、とそんな人が数多くコーディネイトをアップしている。
自分と似たような体型の人が合わせているコーディネイトはそのまま取り入れられる可能性が高い。

ファッション雑誌だとモデルが合わせているコーディネイトを試してみても、雑誌で見たような感じになることはほとんどない。
読んだことがそのまま取り入れられる確率は低い。
しかも雑誌は有料だ。

読んで、そのままでは取り入れられないような情報にわざわざ金を払いたいと思う人が増えないのは当たり前ではないだろうか。

だからファッション雑誌は軒並み部数を減らしており、回復する兆しもないのではないか。
オマケ商法もとっくに飽きられている。

【コラム】編集者が出版不況を乗り越えるために
https://www.wwdjapan.com/focus/column/business/2016-07-24/17399

このコラムでは週刊文春のノウハウを紹介しているが、週刊文春とファッション雑誌では掲載内容が違いすぎて一概には参考にならない。
また週刊文春はかなり財政的にも余裕がある。
多くの訴訟を抱えており、訴訟を起こされるリスクを承知で発行している。
訴訟で敗訴することもあるから、その場合、多額の賠償金が支払わなくてはならない。
文春にはそれを支払う財務的余裕があるということである。

翻って今の各ファッション雑誌にそんな財務的余裕があるだろうか。

あれこれ考えると、ファッション雑誌はコアなファンをターゲットとしたミニコミ誌的な役割を追求するほうが良いのではないかと思う。というよりそれしかやりようがない。

かつての隆盛は二度と取り戻せないと思う。
そこを覚悟できるかどうかの問題ではないかという気がする。


さらばゲイナー

値下げされたジーユーの靴はお買い得

 つい先日、生まれて初めてジーユーで服を買った。
ボーダーTシャツとスリッポンシューズである。

ボーダーTシャツは定価990円がアプリ会員専用で790円になっていた。
しかし翌週は定価990円に戻っていたから期間限定キャンペーンだったのだろう。

スリッポンシューズはアッパーがキャンバスで、定価1490円が790円に下がっていたので迷彩柄を買った。

両方の評価を書いてみる。

ボーダーTシャツは価格の割には出来は良いと思う。
ユニクロにも似たようなウォッシュボーダーTシャツ(定価1500円)があるが、ジーユーよりもわずかに生地が分厚いと感じる。
これは個人的な推測だが、ジーユーは比較的細番手の糸で編まれており、ユニクロはそれよりも太番手の糸で編まれているのではないかと思う。

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しかし、他ブランドの990円や790円のTシャツと比べるとはるかに素材のクオリティは高い。
柄さえ気に入れば買って損はないだろう。

ユニクロのボーダーTシャツとの違いは、ユニクロは左胸にポケットがあるがジーユーはない。
あとボーダーの柄行きが少し異なる。
ユニクロのボーダーTシャツは乳首の部分に色の縞が来るが、ジーユーは白い部分が来る。
そういう意味ではユニクロのほうがオッサンにやさしい作りになっている。

あと、ジーユーのボーダーTシャツは若者向けのシルエットなので袖がかなり短い。
腕を上げると間違いなく腋毛が見える。

ユニクロはもう少し袖が長く、よほど腋毛が長い人以外は腕を上げて見えない。
この辺りもユニクロはオッサンにやさしい。

スリッポンシューズも履いて2度ほど外出してみた。
材質はキャンバス地である。
感想はかかとのゴムが少しキツイかなと感じる。
しかし、靴、とくに布靴は履いているうちに絶対に伸びるので少しくらいキツイ方がよい。
クッション性は悪くない。
1490円でもコストパフォーマンスが良いと感じるが、790円ならさらにコストパフォーマンスに優れている。
790円で気に入った柄とサイズがあればまとめ買いしても良いくらいである。

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サイズは1センチ刻みのようだ。
25センチの次は25・5センチではなく、26・0センチとなる。
そのためフィット感の追及はあまりできない。

紐靴は紐でフィット感が調整できるので、どうしても足に合うのがなければ少し大きめでもよいと思う。
ただし、履いているうちにさらに大きくなることは言うまでもないが。
スリッポンシューズは紐による調整はできないので、なるべく足にぴったりした方が良い。

試着すると28・0は大きすぎたので27・0にした。
通常のナイキやアディダスのスニーカーだと27・5を買うので、本当は27・5がほしかったが、そんなサイズはないのであきらめた。
着用してみると27・0も幅が広めにできているようであまり問題ない。
今後伸びることを考えると27・0でよかったと思う。

0・5センチ刻みではなく1センチ刻みにしたのは、コスト削減のためには賢明だったといえる。

ところで、買ってみて初めて気が付いたが、商品に「GU」と書いたタグや襟ネームがない。

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「パーツとして使える洋服」

ユニクロが飛躍的に伸びた90年代後半に柳井正会長が常に言っていたブランドコンセプトである。
その割には当時は、ネイビー地の襟ネームが付けられていた。
まだ当時は「ユニバレ」が恥ずかしいと言われていた時代で、上着を脱ぐ際や仲間と着替える際にネイビーのユニクロタグが見えると恥ずかしいという声が広く聞かれた。

その声が届いたのかどうかわからないが、2004年ごろから、当時の玉塚元一社長は襟ネームからロゴをなくしてM、Lなどのサイズ表記のみになった。

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当時、そのことを取材で質問すると「パーツとしてのブランドコンセプトに忠実にした」との答えが返ってきたことを覚えている。

しかし、その後、ユニクロは2009年か2010年ごろから「ユニクロ」ロゴの襟ネームを復活させる。
もちろん、以前のネイビー地のものとはデザインを変えている。

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このころから、「ブランド」としてのユニクロを強く意識し始めたのではないかと勝手に想像している。
もちろん今でも「パーツだ」との思いは今もあるだろうが、それ以上に「ブランド」としてのまとめ方を模索しているのではないかと思う。

一方、ジーユーも初期に比べるとずいぶんとマシになり、ブランドらしいスタイルを打ち出すようになった。
スタート当初は「単なる安いユニクロ」にすぎず、ユニクロの商品の劣化版をさらなる低価格で販売していた。
店づくりも上から下までびっしりと商品で埋め尽くされた棚やラックが充満しており、見通しが悪いので圧迫感があり、どこぞの物流倉庫のような野暮ったいものだった。

当然、売れ行きは伸び悩んだ。

2009年に一瞬注目を集めたのは、業界に先駆けて990円ジーンズを発売したからだが、当時のメディアはこぞって出来栄えをほめていたが、実際手に取ってみると値段相応の粗悪品だとわかった。

そこから若者向けトレンド品へと方向転換したことが、成長の起爆剤となった。
今では一部にユニクロとの類似品があるものの、スタイリングやコーディネイトが全く異なる。
完全にトレンドブランドとしての基礎を固めることができたと感じる。
だからこそ、売上高も1500億円を越えたのだろう。

しかし、そういう状況にあってもジーユーはもしかすると、今でも「パーツ」としての洋服を前提としているのではないかと思う。

2年ほど前にジーユー梅田店のオープン内覧会に取材に行った際、ノベルティとしてTシャツをいただいた。
大阪らしい事物とのコラボTシャツで、4種類くらいあったのだが、どれもまあ、コミカルタッチなTシャツだった。
筆者はそこでMBSのらいよんチャンネルとのコラボTシャツを選んだのだが、これも襟ネームにブランドロゴはない。
さすがにこのTシャツは部屋着やセーターの下にしか着ていない。冴えない風貌のオッサンがこんなTシャツを着ればより一層ダサくなることは目に見えている。

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実際に現在の店頭で商品を見ていると、「パーツ」として取り入れやすいトレンド品で構成されている。
独自のスタイリングを打ち出しながらもパーツとしても使用できる、そんなブランドの立ち位置を目指しているのではないか。

サイズが合うなら定価でも十分にコストパフォーマンスは高いが、値下げ品はさらにコストパフォーマンスが高い。とくに靴の値下げ品は突出している。

そんなわけで、これから筆者の普段履きは値下げされたジーユーの靴が増えそうな気がする。




黙って並べているだけでは物の価値は消費者に伝わらない

 先日、ツイッターのタイムラインでこういうのが流れてきて、興味深かった。

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手作りの刺し子生地を使ってオリジナルのシャツやコートを作っているブランドが地方にあるそうだ。
価格はシャツが2万6000円、コートが7万9000円だという。

このツイート主は物の良し悪しのわかる方で、これを「安すぎる(それくらいに値打ちがある)」と鑑定されている。
この後もツイートが続き、試着した結果、シャツは非常にスマートなシルエットなのに動きやすいとのことであり、その感想が事実であるなら、かなりクオリティが高いといえる。

地方にはまだまだこういう無名ブランドが眠っている。
文字通り眠っているわけではないが、スポットライトを浴びていない。
おそらく地元の人にもそれほど知られていないのではないか。

こういうブランドが何とか世に出てもらいたいと思うが、だからこそ、告知や販促といった活動の重要性を痛感する。

漫然と店に並べてこの商品を売っているだけでは、今後もおそらくあまり売上高は伸びないだろう。
刺し子生地も手作りなのだそうだから、飛ぶように売れると製造が追いつかない可能性がある。
だから今のままでもよいのかもしれない。

一般消費者からすると、この商品は「高い」と感じる。
刺し子生地自体も何のことやらよくわからないし、シャツが2万6000円なんて、イタリアからの輸入シャツと同じくらいの値段である。
コートの7万9000円も同じだ。
無名ブランドにしては高すぎる。
そこそこ著名なブランドでも5万円でコートを売っている。

作り手の手間とかノウハウを考えると決して高くはないが、多くの一般消費者は間違いなく「高い」と感じる。

刺し子とはなにか、製造する際にどこに工夫を凝らしたか、特殊な商品だけにこれが伝わらないと、一般消費者にとっては「単に高い無名ブランド」としか感じられない。

筆者の関連業務でいえば、これを打破できるのは広報、販促という手段だし、小売店からすると店頭での接客(ただし上手い販売員に限る)ということになる。
最低でもどちらかを強化しないと、この商品の価値は消費者にはまったく伝わらない。

なにも活動をしないままで評価してくれるのはツイート主ほどの鑑識眼のある人間に限られており、そんな人間がこの世に何人存在しているかである。
ほとんどそんな人は存在していないだろう。

作り手からすると「このノウハウと手間暇で2万6000円は破格値」と思っているが、一般消費者は「2万6000円のシャツは高すぎる。同じ値段ならイタリアのインポートブランド買うわ」と考える。

かくして黙っていてはこの商品はおそらく売れないままだろう。

現在、産地企業による、自社企画商品が次々に市場にデビューしている。
その多くは、消費者にとって「高い」と感じる価格帯に設定されている。

製造側からすると、コストを積み上げるとこの価格になったということなのだが、消費者にはそんなことはわからない。
消費者が鑑識眼を備えるべきだという意見があるが、それはちょっとナンセンスな要望ではないかと思う。

なぜ消費者がわざわざ鑑識・鑑定の勉強をせねばならないのか。
プロ並みの鑑識眼を備えるまでにはどれほどの手間と暇が必要になるのか。そしてそんな手間暇をかけたいと思う消費者がどれほど存在するのか。

本気でそんなことを要望しているなら、それは製造側の思い上がりだろう。

逆に「お前らがわかりやすくみんなに伝えろよ」という話である。
売りたいのなら売れるように売る側が努力するべきであり、お客に過剰な努力を強いるのは筋違いではないか。

「今の消費者はわかってくれない」という嘆きの声が聞かれることがあるが、そもそもきちんと説明したのかどうかすらあやしい。

産地企業の自社企画商品やオリジナルブランドがなかなか売れにくいのは、その部分の努力を放棄してしまっているからである。
自社でやるならやればいいし、できないなら専門家に有料で依頼すべきである。

説明できないけど有料では依頼したくない、でも商品は売れてほしい。

そんな虫の良い話はこの世に存在しない。



刺し子のふきん
主婦と生活社
2013-11-22


販売員のための情報・交流の場「TOP SELLER . STYLE」が始まる

 今日は告知なので興味のない方は読み飛ばしてもらいたい。

繊維・ファッション業界といわれるが、繊維業界とファッション業界はひどく異なる。
まあ、それは置いておいて、素材を川上、アパレルメーカーを川中、小売店を川下と呼びならわしてきた。

川上には紡績、合繊メーカー、織布工場、染色加工場、整理加工場、ニッターなどが属する。
ここはけっこう縦・横のつながりがあって、協同組合みたいなものもあるし、勉強会的な集まりもある。

川中のアパレルメーカーも協同組合もあるし、経営者同士は意外に仲良しで情報交換という名の飲み会なんかも行われている。

川下の小売店でも経営陣は意外に他社との交流がある。
たまには飲み会か勉強会かわからないような会合もある。

しかし、川下の販売員にはそういう集まりがあまりない。
もちろん協同組合なんてものはない。

販売員は一般的にあまり報われにくい仕事として認識されている。
筆者も販売員上がりだ。そんなにカッコイイ一流店ではなく、イズミヤという量販店の子会社で1900円くらいの安物の洋服を販売していた。

小泉アパレル、ヤギ、タキヒヨー、美濃屋、水甚といった量販店メーカーの商品を扱っていた。

販売員はやっぱり当時から報われない職種だった。
本部の方が偉いし、売れない商品ばかり仕入れるくせにバイヤーはなんだか偉そうだったし、経営陣は根拠もなく前年比10%増の売上予算を毎月押し付けてくるし、何だこりゃって感じだった。

記者になって人気ショップの販売員と触れ合う機会が増えた。
やっぱり彼らも報われない。
意外に給料は安いし、その上、自店での買い物で毎月支払いに追われている。
量販店系の店なら単価も安いが、人気ショップになると1枚ン万円の洋服ばかりだ。
それを毎月何枚も買っているからそりゃ支払いは苦しい。

某有名セレクトショップの店員なんて毎月15万円くらい支払いがある人もいる。

おまけに洋服はどんどん売れにくくなっているし、2005年くらいからインターネット通販が台頭し始めた。
昨年あたりからこれまでネット通販に冷淡だった有名ブランドまでが目の色を変えて参入しようとしている。
現金な奴らめ。

インターネット通販が盛り上がって、大手アパレルは大量閉店を打ち出している。
ワールドとオンワード樫山とイトキンとTSIと三陽商会とを合わせたらおそらく2000店くらいは軽く閉鎖しているはずだ。

当然そこにいた販売員の多くは解雇または契約終了ということになる。

これからは人工知能も発達するし、販売員はますます不要の存在になる。

筆者だって実際に、へたくそなわけのわからん接客をする販売員よりも、ペッパー君か自動販売機を相手にしたほうが服を買いやすいと感じる。

まあ、そんな散々な販売員という職業だが、それでもそれが好きでやりたいという人も少数だがいるはずである。
一部には本当に「売るプロ」という人もいるだろう。

これからますます淘汰される販売員という職業をスキルアップするために

TOP SELLER . STYLE

という情報提供の場が設けられることになった。
サイトはこんな感じだ。

http://topseller.style/

今まで、現場販売員のための交流・勉強の場というものは設けられなかったので、これは画期的な取り組みではないかと思う。

もちろん、筆者は主宰ではない。
主宰グループはみな筆者よりも若い。
若者に交じって、画期的な取り組みだと思った46歳のオッサンは、このたび協力させてもらうことになった。

今後、どのように展開していくのか楽しみにしている。
メンバーの一人として今後もちょくちょくと活動の告知をしていきたいと思う。

興味のある方はぜひ覗いてみてもらいたい。


ネット通販で苦戦する大手総合アパレル各社

 今回はお役立ち情報をご紹介したい。

ソフトな語り口で業界の裏事情をサラっと書いてしまうブログ『「ニットキッチン」元社長の奮闘記』で、2015年度ネットショップ売上ランキングが紹介されていた。

http://ameblo.jp/knitkitchen/entry-12182062748.html

ネットショップに対する期待、過信、妄信、杞憂、恐れなどが業界内には渦巻いているが、実際のところの売上高を見るというのは、のぼせ上がった頭を冷やすには効果的である。

元資料は「日本ネット経済新聞」のものだそうだが、1位から444位までがランキングされている。
400とか450とか500とかきりの良い数字ではなく、なぜ444という半端な数字なのか理由は不明だ。

1位はアマゾンで7400億円だ。
2位アスクル
3位ヨドバシカメラ

と続くが、2位のアスクルで2000億円弱、3位のヨドバシカメラで1000億円だから、1位のアマゾンが独走状態にあるといえる。

さてアパレル業界でのトップはどこかというとここでもユニクロである。
320億円強の売上高である。

ユニクロがトップということは、業界で騒がれている〇〇とか××とかは、320億円以下の売上高しかないということである。
いかにアパレル業界は狭い世界で騒いでいるかがよくわかる。

百貨店だと三越伊勢丹と高島屋がほぼ同額でトップ。
三越伊勢丹が114億円、高島屋が113億円で、どちらも前年からそれぞれ20%増、13%増となっており、好調といえる。
まあ、まだ始めたばかりなのでこれから改良次第で伸びは見込める段階であり、飽和状態とか限界点に達するにはまだまだである。

ネットショップで買い物をしたことがないのではないかと疑われる某ベテランコンサルタントは高島屋のオムニ戦略をべた褒めしていたが、EC業界の人間にいわせると高島屋のオムニ戦略なんてまるでチャチだという。
同じ商品ならアマゾンや楽天で買ったほうが種類も豊富だしレスポンスも早い。割引率だってそちらのほうが高い場合もあるという状態なので今後の改善が待たれるところだ。

この何か月か百貨店の幹部と接触した感触でいうと、彼らはやっぱり基本的にネット販売をあまり深くは理解していないのではないかと感じる。
自身がネットで買い物をしたことがあるかどうかもあやしいと推測する。

こういう人たちだけではまともなネット通販事業は不可能ではないかと思う。
外部の専門家と契約するのが成功への近道だろう。あとは外部の専門家を選ぶ目を養うことだ。
外部の専門家といってもピンキリだし、詐欺師みたいな人もいる。
そのあたりをどう見極めるかである。

オンワード樫山が86億円、バロックリミテッドが80億円である。

オンワード樫山という巨大アパレルがたった86億円しか売れていないところにこの会社のネット戦略の弱さが証明されている。

肌着のピーチジョンが55億円でウサギオンラインと同額。
このあたりもネットの面白いところで良くも悪くも知名度の高いピーチジョンと、一般的にはまるで知名度が低いウサギオンラインが同額である。

実店舗での知名度とネットでの売上高は正比例しない場合があるということである。

三陽商会は33億円弱。ここもネットに弱い。

ずっと下がると322位に8億5000万円でショーイチがある。
これは以前にも紹介したバッタ屋であり、バッタ屋でランクインしているのはここぐらいなので快挙といえる。

さらに下ると332位に7億9700万円でレナウンがいる。
ここも極端にネットに弱いという証明である。腐っても知名度が高いレナウンなのにバッタ屋以下の売上高しかない。

ざっとこんなところである。

ネット通販市場全体では2014年度ですでに12兆円強あると野村総研が発表しており、これが2021年度には倍増以上の25兆円になる見通しだそうだ。

百貨店、アパレルが衰退基調に突入している中で、ネット通販市場はこれから倍増するという明るい見通しだということである。それはもちろん、実店舗の売上高を食ってネットが成長するということなのだが。

こういう市場動向から、「ネット通販こそ活路」と目を光らせる後追い業者が続出している。
繊維産地の製造加工業もその一員であり、大阪・本町や東京・馬喰町あたりに蝟集する零細アパレルもその一員である。

まあ、たしかに成長市場なので希望はある。
しかし、すでに楽天だけで4万店の出店がある。
ヤフーなら40万店だ。
この2つだけでも44万店のショップがネット上に存在することになるのに、無名の零細アパレルや産地企業が作ったポッと出のネットショップなんてどうやって消費者に選ばれるつもりだろうか?

明らかにネットの海に埋没する。

これが超有名ブランドなら話は別だ。
わざわざそのブランド名で検索してネットショップまでたどり着いてくれるだろう。
しかし、ポッと出のブランドはブランド名すら知られていないのである。検索する手段すらないのと同じだ。

これでどうして、「ネットショップを出せばすぐにでも何千万円も売れる」なんて甘い考えを抱けるのか理解不能である。

2008年~11年くらいまで中国の好景気に沸いた時期があった。
その当時、この手の業者は「中国なら売れる」なんてことを平然と言っていたが、中国人の気質や商習慣、現地マーケティングの何も知らないくせに「よくそんな甘い考えで暮らせる」とあきれ果てたものである。今のネットへの進出もそれと同じニオイがする。
今回も敗北のニオイがプンプンしている。

レナウンほどの知名度があっても7億9700万円しか売れていない。

零細アパレルや産地企業は自分たちがレナウン以上の知名度があると思っているのだろうか?
もちろん、ウサギオンラインやショーイチのように知名度が低くくても売上高が稼げている企業もあるが、それは早くからネットに特化して事業化しているからである。
集客のノウハウを十分に蓄えており、これから進出する無名ブランドとは比べ物にならない。

ネット通販はそれほどの激戦地だと知ったうえで取り組む必要がある。

Amazon輸入は オリジナル商品で儲けなさい!
石山 芳和
秀和システム
2016-06-25




Amazonオリジナルで配信された仮面ライダーアマゾンズ(笑)

低価格ブランドがスーピマコットンTシャツを製造販売できる理由

 ユニクロでスーピマコットンTシャツが販売されていることはよく知られている。
そういえば、何年か前は、ユニクロでプレミアムコットンのTシャツやポロシャツが売られていたが最近は見かけない。それがスーピマコットンに代わったということだろうか?

さて、夏のバーゲン売り場を歩くと、今夏のメンズブランドのTシャツは素材に着目したものが多いことに気が付く。

ユニクロと同じくスーピマコットンをTシャツやポロシャツに使用しているのがグローバルワークである。

またコーエンはギザコットン、アメリカンコットンを使ったTシャツを販売している。

いずれのブランドも低価格の範疇に属しており、その差別化の一端として希少性の高い(といわれる)素材を使用することになったのだろう。
また、Tシャツというアイテムは、細部はさまざまあるが、見た目はほとんどどのブランドもあまり変わらない。
明らかに差別化を訴えるのはこれまで色・柄だった。
しかし、色・柄の差別化も行きつくところまで行っているから、次の差別化の手段としては、使用素材での差別化ということになったのではないかとも思う。

そういえば、少し前まで無印良品では新疆綿のTシャツやポロシャツが販売されていた。

ところで、スーピマコットンとはなにか?
コットンUSAのページから引用する。

http://www.cottonusa.jp/

アメリカ綿は品質の良さで知られていますが、

なかでももっともグレードの高いのが「スーピマ綿」です。

スーピマは、“Superior Pima(高級ピマ)”を略したもの。

もともとアメリカ大陸では、南米ペルーでピマ種の綿花が

栽培されていました。

その綿花を中心に品種改良されたのが

スーピマ綿で、この名称は、アメリカスーピマ協会の登録商標になっています。

スーピマ綿は、繊維長35mm以上の超長繊維綿です。

繊維が細く長く、しかも長さが均一で、強く、耐久性に優れています。

また、しっとりと柔らかい肌ざわりはカシミヤに匹敵すると言われているほど。

製品になったときの独特の光沢も魅力です。

とのことでカシミヤに匹敵するかどうかは置いておいて、スーピマコットンを使った生地は光沢がありソフトなことは事実である。

ここで、綿についてのおさらいだが、コットンは綿花から作られる。
採取されたばかりの綿花はタンポポの綿毛みたいな感じである。
その綿毛みたいなのを紡いで(これが紡績)、綿糸にする。

この綿毛みたいなものの1本当たりの長さを繊維長(せんいちょう)という。
繊維の長さだから繊維長というわけだ。

で、綿花の種類や栽培する地区の気候によって繊維長の長さは異なる。
アメリカのピマ綿はもともと繊維長が長かった。
南米のアスペロ綿は繊維長が短いことで知られている。

繊維長の長い綿を長綿(ちょうめん)と呼ぶ。
スーピマはそれをさらに長くしたから超長綿(ちょうちょうめん)と呼ばれる。

筆者の入った業界新聞は素材分野が強かったし、筆者も入社当初は紡績各社を回ったこともあるので、
長綿とか超長綿とかいう言葉を一番最初に覚えた。
文字で書かれるとなるほどと思うのだが、一番最初に音だけで聞かされたときは、チョウチョウメンは蝶々綿かと思った。

綿花は一般的に繊維長の長いものほど高級とされる。
理由は、それを使って生地を作るとソフトで光沢感があるからだ。
また昔は繊維長の長い綿の存在が希少だったということもある。

だからスーピマは長い間、高級綿とされていたということとである。
コーエンのTシャツに使われているギザ綿も同じ超長綿である。
スーピマがアメリカなら、ギザはエジプトの綿花である。

じゃあどうしてユニクロはスーピマコットンを使ったTシャツを1000円で販売できるのか。
そんなに希少だというならユニクロだけでなくグローバルワークでも使えるのか?
コーエンがなぜギザ綿を使えるのか?

もちろん、ユニクロが想像を絶するほどの大量生産をしているから、一枚当たりのコストが下がってその値段で売れるという背景はほかのアイテムと変わらない。

が、以前、カシミヤニットでも書いたように、材料そのものが高級でもその使用量さえ少なくすれば比較的低コストで製造することができる。

綿花1グラム=10円だったと仮にする。

これを100グラム使ってTシャツを作ると、生地代は1000円になる。
一方、30グラムだけを使ってTシャツを作ると生地代は300円で済む。

当然、100グラム使って作られたTシャツは生地が肉厚だが、30グラムのTシャツは生地が薄くなる。

カシミヤだってシルクだって同じやり方で生地代を抑えることは可能だ。
ギザ綿だって同じ理屈だ。

筆者がユニクロのスーピマコットンTシャツを見ると、明らかに生地が薄い。
プレミアムコットンを名乗らせていた過去の商品よりも生地が薄いと思う。

もちろん1000円はコストパフォーマンスが高いのだが、多汗症か更年期障害かわからない汗っかきの筆者にとっては、ユニクロのスーピマコットンTシャツは真夏に着るには頼りないと感じる。

それにしてもスーピマコットンやらギザ綿やらを低価格ブランドまでが使う時代になった。
「こだわり素材を使っているからうちは品質が良くて高価格」なんて言っていたブランドは、より異なる打ち出しを求められることになる。
リバティプリントにしてもそうだ。ユニクロではリバティ社と契約したプリント柄シャツが1290円で投げ売られている。

もう使用素材だけで差別化、高級化できる時代ではない。
いわゆる「こだわりブランド」はそろそろ別の打ち出しを考えなくてはならない。
もしくは素材についてもっと詳細に語るかのどちらかである。

なかなかやっかいな時代になったものである。





今夏のバーゲンで買ったお買い得品

 三越伊勢丹を除いて、セールが始まって長くて3週間、短くて10日くらいが経過している。
通常いわれるのは、「目ぼしい商品はほぼ売り切れて、残っているのは人気が低い商品ばかり」だと。

しかし、個人的には今の時期から8月のお盆が終わるころにかけて、投げ売りされている夏物を買うのが好きである。
これから、今年も五月雨式にさらなる投げ売り品を買うことになると思う。

そんなわけでさっそく3種類を買ってしまった。
今回はユニクロと無印良品である。

まず無印良品で、このスニーカーを買った。
定価3980円(税込み)が半額で1990円である。
形からするとおそらくニューバランスのコピー商品だと思うのだが、この1990円はお買い得だ。
ネイビーとグリーンとこのボルドーの3色があったが、たまたま筆者の足に合うサイズがこのボルドー1足しか店頭に残っていなかったのでこれを買った。

IMG_1469

ボルドーのスニーカーは持っていないので即決した。

翌日に履いて外出してみたが、クッション性もよくなかなか履き心地は悪くない。
耐久性がどれくらいあるかだが、仮に1年かそこらで破損したとしても価格から考えると十分である。
初回の履き心地の良さから考えると1990円は十分にコストパフォーマンスが高いといえる。

サイズが合って、気に入った色があるならお勧めである。

次はユニクロで2点。

先日、ドライタックイージーパンツを買ったことをこのブログで書いた。
ブルーのギンガムチェック柄の商品である。
買ったときは1290円だったが、今週火曜日からさらに300円値下がりしたようで、990円で販売されていた。
その中で、濃紺のストライプ柄と濃紺のウインドーペン柄があった。
濃紺のストライプ柄はまったく同じ生地でジョガーパンツも作られていたのだが、そのジョガーパンツも1990円に値下がりしていた。

最初はそのストライプ柄のジョガーパンツを買おうかと思ったのだが、この生地はストレッチ性がない。
腿が太いので、ストレッチ性がないジョガーパンツは動きにくいと思われるのでやめた。
タックイージーパンツはジョガーパンツよりも腰回りと腿にゆとりがあるし、価格も1000円安いので、そちらに切り替えた。ストライプ柄とウインドーペン柄があって迷ったのだが、ストライプよりもチェック柄の方が基本的に好きなのと店頭在庫がそちらの方が残り少なかったのでウインドーペン柄を買った。

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定価2990円が990円なので超お買い得である。
ドライタックイージーパンツは990円の今なら何本か買っておいて損はない。
1290円の時点でも十分にコストパフォーマンスが高かったが、990円なら本当にお値打ち品である。
違う色柄をあと何本か買ってみようと思う。

話は横道にそれるが、ユニクロは同素材異種商品を意識的に増やすことで製造コスト引き下げを行っている。
このタックイージーパンツとジョガーパンツもそうだ。
同じ濃紺のストライプ柄でまったく同じ組成である。

使用素材をまとめることで、その素材の買い付けメーター数が長くなり、1メートルあたりの価格がさらに安くなる。

今夏の商品でいえば、セオリーとのコラボ商品もそうだ。
4型あるが、素材は2種類しかない。
それぞれの素材で2型ずつを製造している。こうすることで素材の使用量が増えて、生地1メートル当たりの価格が安く抑えられる。

こういう素材の集約がユニクロは非常にうまい。

もともと他のアパレルも素材集約を行っていたはずなのだが、近年は各型の生産数量が減りすぎているためかあまりこういう手法で作られた商品を見かけることが少ない。
1型100枚未満程度しか作れないブランドがわざわざ素材を集約する必要もなく、それこそ生地問屋から着分だけを購入すれば良いのである。
そういうことだろう。

最後に買ったのが、プレミアムリネンシャツ(定価2990円)で、このネイビーのチェック柄だけがなぜか1290円にまで値下がりしている。よほど不人気商品なのだろうか。

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ネイビーがちょっと濃すぎるという気もするのだが、コーディネイトしやすい柄だと思う。
なぜこれだけが店頭に溢れかえっているのかちょっとよくわからない。
筆者の感覚が一般消費者とズレているだけかもしれないが。

さて、これ以外にもいくつかショップを見て回ったのでその感想を。

目玉商品なので現在あまり値下がりしていないが、値下がりしたらぜひ買ってみたいと思う商品は、汗ジミ防止Tシャツである。
吸水速乾機能は広まったが、大量に汗をかいたら濡れて変色することは防げない。
逆に吸水速乾機能はないが、汗ジミを表に出さないようにする機能がこの汗ジミ防止機能である。

何年か前に無印良品で何枚か買ったが、今年の夏は無印にはない。

ジーンズメイトとレイジブルーにある。
レイジブルーは無地だけだがジーンズメイトはプリントTシャツもあるので、値下がりしたらジーンズメイトで買ってみたいと思っている。

あと、コーエンのTシャツ類は結構良いと思う。
今夏は〇〇コットンという素材にこだわった打ち出しをしており、なかなか良い仕上がりになっている。
生地もがっしりしたのが多い。
定価が1800~3600円なので、ユニクロと比べると(定価1000~1900円)と1・5倍くらい高いが、ユニクロのグラフィックプリントTシャツはあまりセンスが良いとは思えないので、現在20~40%引きのコーエンがさらに値下がりしたら何枚か買ってみたいと思っている。

アメリカンイーグルのTシャツは生地が薄くて柔らかすぎて頼りない。

多汗症か更年期障害かわからないが汗を大量にかく筆者にとってはアメリカンイーグルのでは心もとない。
そういう意味ではコーエンのTシャツは良いと思う。

これから、あと1ヵ月間、断続的にバーゲンの「落穂拾い」が続けてみる。




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