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南充浩 オフィシャルブログ

どんな優れた商品にも向き不向きがあるという話

2023年9月1日 お買い得品 0

1人暮らしの当方だが、炊事・洗濯は苦にならないがとにかく掃除が嫌いでめんどくさいことこの上ない。

しかし、放置していてもだれも掃除してくれないので、月に何度かは一念発起して掃除をするが、真夏はとにかく掃除はしたくない。理由は汗だくになるからである。

毎年夏場は極力掃除をせず、10月下旬の涼しくなるころにまとめて掃除をし、そのまま年末大掃除に突入するというスタイルである。

とはいえ、お盆ごろには毎回、息子たちが来るからその前々日ぐらいから少しずつ申し訳程度に掃除をするのだが、今年もまた汗だくになってしまった。

 

頭をタオルでくるんで、首からもタオルをかけるというスタイルで掃除をするのだが、今年はスギ薬局で15%オフの935円(税込み)で買った綿100%の吸水タオル「エアーかおる」を首からかけて掃除に臨もうと考えた。

 

 

いざ、首にかけてみると、酷く暑い。通常のタオルを首にかけた時より体感的に1・5倍くらい暑いと感じてすぐに外して通常のタオルにかけかえた。

なぜ暑いかというと「エアーかおる」はそのフカフカ感と吸水性の高さに定評があり、比較的高額な割にロングランで人気を博しているタオルである。

しかし、夏場に首にかけるとその「フカフカ感」が保温力を発揮してしまい、通常のタオルよりもはるかに暑く感じられてしまう。

冬場に首にかけて作業をするなら、暖かくて丁度良いのかもしれないが、いわばマフラー的な暖かさが感じられるため夏場の作業には全く向いていないといえる。

 

タオルというアイテムにそんなに興味はないが、門外漢一歩手前みたいな当方からすると、今の売り場で「高付加価値品」として販売されているタオルというのは、エアーかおる的な「フカフカ感」のあるタオルだと感じられる。通常のパイル地のタオルは、今治タオルとか泉州タオルなどの国内産地ブランド品でも、恐らくは不良在庫品と目される国産商品が、天神橋筋商店街あたりの催事店で1枚200~300円で普通に売られている。

 

エアーかおるの場合は、フェイスタオルが1000数百円、バスタオルが2000円強なので、タオルという商品の中ではラグジュアリーを除くと破格の高値であまり値崩れせずに売られているといえる。

理由は「フカフカ感」が好まれていることに加えて、吸水性の高さというたしかな機能性があるからだろうと思う。また洗濯を繰り返しても硬くなりにくいという機能性も評価されているといえる。

通常のタオルは洗濯を複数回行うと硬くなりやすい。洗濯を干して乾いたときのあのタオルのパリパリ感が当方は嫌いではないのだが、それを嫌うという人は想像よりも多いのだろうと感じる。

今、AmazonやYahoo!などの大手ネット通販サイトでタオルを検索してみると、1000円前後のフェイスタオルは、エアーかおる的なフカフカ感を謳い文句とした商品が多く見つかる。

 

当方も今年初めて、エアーかおるをスギ薬局で買ってみたということは以前にもこのブログで書いた。理由は相場よりも安かったからである。

スギ薬局オリジナルのエアーかおるフェイスタオルは定価が税込みで1100円、15%オフクーポンを使うと税込み935円で買えてしまう。他のエアーかおるのフェイスタオルが1200~1800円くらいで売られているのと比べると格段に安い。

935円程度なら当方も試してみようという気になる。

で、買ってみて、風呂上りに体と髪を拭くように使い始めたわけだが、やはり吸水具合は良い。だから、2枚目、そして8月に3枚目を買っている。もちろんすべて935円でだ。定価で買う気はこれっぽっちも無い。

実際に使ってみて、少々高くてもロングランのベストセラーとなることは十分に理解できた。

 

ただ、今回掃除のときに首からかけようとして「適さない」と感じたが、これ以外でも適さないと考えられる用途は多い。例えば、入浴中にエアーかおるで身体を洗うことである。

当方は通常、ポリエステル100%素材のトゲトゲの健康タオルで身体をごしごしこすっているが、通常の銭湯などでは備え付けのタオルで身体を洗っている。仮にエアーかおるを持ち込んで洗ってみたとしたら、通常のタオルよりも吸水して重くなるだろうし、フカフカ具合が逆に体をこすることには適さないだろう。

 

となると、エアーかおるの最も適した用途は、入浴などで濡れた顔・身体・髪を拭くことで、それに特化したタオルだといえるのではないかと思う。

作業時に使う物でもないし、入浴時に使う物でもない。

昔から適材適所という言葉があるが、どんな優れた商品でも万能ではない。必ず向き不向きがある。エアーかおるは優れたタオルだということは間違いないにしても作業や入浴に適したタオルではない。

逆に、今はあまり人気の無い通常のタオルは作業時や入浴時には適しているといえる。

 

タオル業界に詳しい某氏が先日、エアーかおるの大ヒットが逆に今はタオル業界を追い込んでいる側面があると語ってくれた。

この某氏によると、売り場の手前に控えている各問屋が、これまでのエアーかおるの大ヒットに毒されて「エアーかおる的なタイル」を必要以上に求めるケースが多いという。いわゆる「フカフカ系」である。

そうなるとメーカーもフカフカ系ばかり作るようになりつつあり、供給過多になりつつあるという。

タオル業界というのはいまだに問屋がそこそこ勢力を持っているようで、問屋とすれば高くて売れやすい商品を卸すことが利益に直結するためフカフカ系タオルの要望を増やすわけだが、いささか短絡的すぎるともいえる。

 

しかし、タオルというのは使ってナンボという商材だし、様々な用途があるため、フカフカ系ばかりがクローズアップされても却って消費者にも不便をかけてしまうことにもなりやすい。

いくら、優れた商品でも用途を考えた売り方・供給の仕方が必要ということになる。

これはタオルに限らず、他の繊維製品でも同じなのではないかと思う。

 

税込み1320円のエアーかおるをどうぞ~

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