涼しくなる服は存在しないから猛暑で使えるのは吸水速乾Tシャツだという話
2023年7月26日 商品比較 4
梅雨明けした途端に猛暑日が続いている。大阪よりも東京の方が猛暑日が始まった日が早いのが今夏の特徴で、一昔前は「東京は大阪と違って比較的涼しい」と言われたものだが、2010年代半ば以降は大阪とほとんど同等の暑さ、もしくは大阪よりも暑い日が多いのではないかという気候に変わっている。
天気予報によると、大阪の猛暑日は土曜日まで続き、日曜以降は最高気温35度未満になる日が増えるようなので期待している。
若い頃から汗っかきで、夏場は洋服が常に汗で濡れているので最も不快で嫌な季節だった。それは今でも変わらない。というより、なんちゃってランニングを始めてから若い頃よりも汗っかきになってしまっている。
最高気温30度くらいまでならさして暑いとは感じなくなっているが、汗を大量にかく。
若い頃は、それでもちょっとイキりたくて、メンズクラブなんかを読んだりして夏場でも麻ジャケットや綿麻混スーツを着用したりしていた。しかし、常に大量の汗をかいてしまい、麻生地・綿麻生地はしわくちゃヨレヨレになってしまってひどくみすぼらしいので、イキることをやめた。
13年前にはからずも独立してから、ビジネスチックな服装はよほどのことが無い限りしなくなった。特に夏場はクールビズ、スーパークールビズが定着したおかげで、ビジネスの場でも半袖ポロシャツを着用していても文句も言われなくなった。ありがたいことである。
当方にとっては冬の寒さよりも夏の暑さと大量発汗の方が重大問題だったので、30年くらい前から暑さを感じにくくなる服は何かということを追い求めてきたわけだが、結論として「暑さを感じにくくなる服」は存在しないということがわかった。
2年前の夏には電動ファン付きベストも買ってみた。当方は、クーラーのような涼しい風が循環するのだろうと期待していたが、実際は暑い空気が循環するだけでありたしかに少しは涼しいが期待したほどの涼しさではない。そのため1万数千円もしたがほとんど着用しないまま放置している。
今年の最新商品としてはワークマンがペルチェベスト、水冷ベストなどを発表している。他の作業服メーカーも水冷式ベストを同じタイミングで発表している。
ワークマン「冷暖房服」を試す 瞬時の冷暖切り替えが秀逸 – Impress Watch
WZ-1 ウィンドコアアイスマン水冷服 | ワークマン公式オンラインストア (workman.jp)
という具合である。記事を読む限りにおいてはどちらの商品も電動ファン付きベストよりは少しは涼しいのではないかと考えられるが、まだ試していないのでなんとも言えない。
ただ、両方ともデザインには難点があり、電動ファン付きベスト以上にデイリーカジュアルに着用することは難しいと感じる。
冷暖房服と紹介されているペルチェベストだが、ショート丈で大胸筋の下くらいまでしか丈がない。記事に添付されている画像を見てもらえばわかるが、どこかの国の軍隊の特殊部隊みたいにしか見えない。
アイスマン水冷服はガッチリしすぎていて、ベストなのか大型リュックなのかにわかには区別しづらい。どう見ても何かの現場の作業員か安全ベストを着たガードマンである。
もし、涼しさを体感した方がおられるのであれば着用感想を教えていただきたい。
2つの新商品の効果がわからないので、それを除くと結局、涼しくなる服は存在せず猛暑日を若干でも快適に過ごすための服は
1、吸水速乾機能服
2、汗染み防止機能服もしくは汗染みが目立たない加工服
の2つしかないというのが当方の結論である。
梅雨明けから秋分の日が終わるまでは、3年前から当方は吸水速乾機能Tシャツしか着用しなくなった。
汗染み防止Tシャツも2010年代半ばには多く見かけたが、2020年には見かけなくなったから意外と消費者には支持されなかったのではないかと思っている。
2000年頃の吸水速乾Tシャツ、吸水速乾ポロシャツというのはほとんどスポーツ競技のユニフォームみたいなピカピカテカテカしたポリエステル生地が多く、カジュアルには取り入れにくかった。
2000年頃、ファイブフォックスのPPFMでテロテロのポリエステル100%生地の吸水速乾Tシャツを買って何シーズンか着ていたが、やっぱり練習中の運動部員みたいに見えるので捨ててしまった。
その時からすると、だいぶと吸水速乾生地もテカテカテロテロ感が無くなり、通常の綿生地と見分けがつきにくくなった。
その中でもデイリーカジュアルに取り入れやすくて手軽な値段の商品ということになると、やはりユニクロとジーユーが双璧だろうと思う。
2020年から夏場は、ユニクロのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツとジーユーのドライポンチクルーネックTシャツをローテーションで着用する毎日である。
ユニクロのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツはロングセラー商品になっており、当方以外でも真夏はこれしか着用しないと言い切るアパレル業界関係者やファッションメディア関係者も多い。
一方、ジーユーのドライポンチクルーネックTシャツもロングセラーだが業界人にはあまり注目されていない。ジーユー版のエアリズムコットンオーバーサイズTシャツという感じである。
ジーユーは昨年夏まではドライポンチ以外のドライ機能Tシャツをいくつか発売していたが、今夏は今のところドライポンチのみである。今夏の定価は1490円、エアリズムコットンがの定価が1990円なので500円差である。両方とも期間限定値引きが行われるのでその時に買えば良いが、この商品が好調なのか両方ともあまり期間限定値引きがない。ドライポンチの今夏物はいまだに買っていない。
業界人の評判はエアリズムの方がはるかに高いが、個人的には昨年までのジーユードライポンチの方が吸水速乾性が高く生地の触感が良いと感じている。
素材の組成はどちらも似たようなもので今夏のエアリズムコットンが綿53%・ポリエステル30%・再生ポリエステル17%となっており、昨夏物のドライポンチはポリエステル52%・綿48%となっている。
(昨年夏物のドライポンチクルーネックTシャツ)
綿とポリエステルの比率でいうとほぼ半々だが、エアリズムコットンとドライポンチは逆になっていることがわかる。
生地の厚さでいうと、ドライポンチの方がわずかに薄くてしなやかな触感がある。エアリズムコットンは「張り感」が強い。好みの問題もあるだろうが、ドライ感がどちらが強いかというと当方はドライポンチだと感じる。汗でずぶ濡れになっても乾く速度も速いと感じる。
生地の編み目をよく観察してみると、ドライポンチの方が細かいのだが、これは使用している糸の番手が細いのではないかと感じる。もしくはポリエステルの方が綿よりも多めなので必然的に細い糸を多く使っていることになってしまう(ポリエステルの糸の太さは綿よりもはるかに細い)のではないかと考えられる。
今夏のドライポンチをサイトで見てみると、素材組成は綿52%・ポリエステル48%となっており、エアリズムとほぼ同じになっている。買っていないので速乾性がどうなのかわからないが、恐らくは昨年夏物の方が高機能なのではないかと考えている。
注目度は少ないが昨年夏物までのジーユードライポンチTシャツはなかなかに優れモノだった。
値下がりしてから買ってみて今夏物のドライポンチも試してみたいと思う。
Amazonでジーベックの水冷式ベストをどうぞ~
comment
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とおりすがりのオッサン より: 2023/07/27(木) 11:13 AM
あ~言われてみれば、昔の綿ポリって毛玉になってたのに、今のはならないっすね!
全く気にしなくなってましたw
素人が知らないところで、プロが頑張ってるんだろうなぁ。 -
南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/07/27(木) 4:36 PM
夏場の組成は綿とポリエステル、オンリーかなぁ
いまんとこどのみち濡れる。そのとき、べっとり感・はりつき感
が出るかが分かれ目サラサラ感を追求するなら綿を入れずナイロンのほうが
良い筈ですが、はりつきが出ると思います「濡れる→冷房MAXの室内へ」という場面対応があるので
私はこの季節でも2枚重ねです1枚目はウール8%混の合物にアウターはポリ100の薄手
この「ウール10%以下混」は、残念ながらまだ大手の
独断場です。機能性商品だから下着売り場でも値段高めしかし「冷房冷え」には絶大な効果がありますよ
そうそう20年前は
「夏場のインナーは薄手のカシミアだよね~」
とかなんとか言ってましたよね~じぶん(遠い目)w -
BOCONON より: 2023/07/27(木) 9:40 PM
ユニクロの吸水速乾Tシャツは割合涼しくて助かるけれど,色や質感がアレなので僕なんぞは部屋着にしかしたくありませんね。オサレTシャツが欲しければ,コラボT買えばいいわけですが,昨日偵察に行ってみるとどうもいけない。去年も売れなかったそうですが,今年もっとヒドい。欲しくなるものなしでした。
・・・いや,別に『僕のヒーローアカデミア』が悪いわけではないが,アニメやゲームTシャツは(ノベルティ・グッズならともかく)いい大人が実際に着用して外出したら「子供服みた様なヘンな服着た男」または “痛Tシャツ” と云った感じにしかなるまい。「ちょっと着られないから…」と言って父ちゃん母ちゃんにあげてもイヤがられるだろうしw
ネタ不足なのか「現代アートT,アーカイヴから復刻!」というのもあったけど,ああいうのはせいぜい(田舎者の好きそうな)アンディ・ウォーホルのバナナとか R.ストーンズのジーパンのLPジャケットくらいにしてもらいたいもんだ。今さらK.へリングとかねえ ...いっそ草間彌生とか村上隆とかにすれば話題にはなるだろうに(僕はタダでも要りませんが)。
そう言えば「最近百貨店で柄物Tシャツ売っているとは珍しい」と思って見てみたら,タケオ・キクチが浮世絵Tシャツ売っているのでなんだか可笑しかったな。そりゃいいものでしたが,いくら上野の博物館の展示物から取った由緒正しい柄だと言ってもさすがに1万円札が飛んでしまうのでは――「布だよ?」とは申しませんが――ユニクロと比べてしまうからちょっとお高い感じがする。どうもユニクロに限らず,面白い柄のシャツなんてものは年々減ってきている感じで,結局昨日もこれしか買うものがありませんでした(オーバーサイズ気味なので買う人は要試着)
↓
https://www.uniqlo.com/jp/ja/products/E458065-000/00?colorDisplayCode=09&sizeDisplayCode=004
夏物の綿ポリ/ポリ綿を極めた男ですなぁ南サンは・・・
化繊入りのメリヤス評論が今や専門になりつつあるのでは?
20世紀の夏物綿ポリメリヤス製品は
まだミズノさんアシックスさんがメインで
「運動部員の下着」に過ぎませんでした
したがって色は白+ワンポイントのみ
そしてとにかく毛玉になりやすかった
4半世紀前はまだ綿100のほうが扱いやすかった
とはいえ綿100だとフライスが伸びるし
乾くのも遅い
しかし綿ポリだと毛玉になるので、肌ざわりが悪い
ここで綿ポリ勢が新たな構成に出ます
従来は番手が高い糸で綿100の質感を再現しよう
としていましたが、メッシュ状の組成で勝負に出た
結果大ヒットです
それが南サンのいう「2000年頃の吸水速乾Tシャツ」
だったのですが、色だし質感にまだかなり難があった
ただ、これぞ解決が一番ムツカシイ問題です
色だし質感が良くなって一応の完成まで25年かかりました
綿ポリメリヤスの歴史をまとめると
1.ひとまず物が登場した1995年
2.機能性が向上した00年
3.美観の面でも完成に達した2023年
といったところでしょうか。技術の進歩は偉大です