イベントへの人出の復活によってゴルフ市場とキャンプ市場が踊り場を迎えたという話
2023年7月18日 トレンド 0
天気予報によると、明日の夜の雨で大阪の猛暑日は一旦落ち着くようで、その後は35度未満の最高気温が続くことになるので、明日の夜の雨を心待ちにしている。
土曜日から今日までが猛暑のピークということに天気予報ではなっている。
そんな猛暑日の土曜日、この日は朝からまたガンプラを買うために開店前のジョーシンに並んだのだが、それはさておき、夜には地元町内にある少し離れた神社で夏祭りがあるというポスターが掲示されていた。コロナ禍になってから、神事だけは行われていたが今回は屋台も出るようだ。
屋台には全く興味が無いから神事だけ見られるのであれば見ようと思って、夜20時半ごろその神社に向かって入り口から境内を眺めると、そう広くはない境内に地元民がぎっしりといて、熱帯夜に人間の体温が加わることを想像すると気色悪くてそのまま自宅に引き返して冷房を点けた部屋でゴロゴロした。
京都では祇園祭があったようで、今回は昨年までとは異なり大量の観光客でにぎわったらしく、その人ごみの画像や動画を観ただけで気色悪くなってしまった。
7月24日・25日は大阪で天神祭りがあり、今回は花火大会を自粛せずに行うそうなので、その混雑ぶりが恐ろしいので25日には早めに帰宅することに決めている。
まあ、地元神社と祇園祭を見ただけでも昨年までのコロナ自粛とは一変して、どこもかしこも大量の人出でにぎわっている。
しかし、実際はコロナ感染者数は現在はまた増加傾向にあり、東京で働いている当方の次男も先週1週間はコロナ発熱で仕事を休んでいたし、新型コロナに効く特効薬はまだ開発されていない。タミフルやリレンザが開発済のインフルエンザとは本来は状況が異なるが、まあ、夏以降もイベントには多数の人が集まるのだろうと思う。当方は人ごみが嫌いなので絶対に大規模イベントには何があっても参加しないが。
このように、当方を除く人々が密集を厭わないようになると、コロナ自粛下でブームとなってきたものに陰りが見え始めるのは当然だろう。
その代表例がキャンプとゴルフなのではないかと当方は見ている。
まずキャンプだが前回にも書いたように衣料品・靴を除いたキャンプ用品市場は14年ぶりに減少に転じた。
またキャンプ参加人口も100万人減少した。
これに先立って、5月に発表されたスノーピークの第一四半期決算が減収大幅減益に転じていたのだが、どの記事にも明確な理由が書かれていなかった。何なら、スノーピークの決算説明書にも大した理由は書かれていなかったが、販管費の増大や前社長の意味の分からないスキャンダルによるイメージ低下だけでは説明がつかない。当方はキャンプ市場のピークアウトがその根本的な理由ではないかと考えている。
次にゴルフだが、ブランド間の優勝劣敗が鮮明化し、好調ブランドと不調ブランドの格差が開き始めている。相変わらず好調を発表し続けているパーリーゲイツのようなブランドもあるが、フェアリーパウダーやチェイスバンパイア、イリッカゴルフなどのオリジナルゴルフブランドを子会社で展開していた理喜は倒産してしまった。本業の苦戦を支えられるほどのオリジナルゴルフブランドの売れ行きではなかったのだろう。
国内のゴルフ市場も20~22年末までのような大幅な伸びは全体的には期待できなくなりつつあるのだろう。繊研新聞にはこんな記事が掲載されている。
ゴルフアパレル 海外に照準 欧米、東南アジアへ | 繊研新聞 (senken.co.jp)
国内ゴルフ用品・ウェア市場は、コロナによる過熱感が落ち着きつつある。さらなる伸びしろを海外に求め、販路開拓を急ぐ。
(中略)
一方、国内市場も伸びているが、足元では〝コロナ特需〟が一巡したことや参入ブランドの増加に伴い、流通在庫の滞留が指摘されている。
とのことで、当方の身の周りでも2022年後半以降は「最近のブームに乗っかってゴルフを始めてみたんですよ」という知人はもういない。興味のある人間はもうすでに始めているし、今現在も始めていない人間は当方も含めてゴルフに興味の無い人間ばかりである。
これはキャンプも同様だろう。興味のある人はすでにコロナ禍をきっかけに始めているし、今も始めていないのは当方も含めて興味の無い人間である。
そして、今夏の各祭りの人出から考えても、今後はコロナ禍以前のように各イベントに参加する人が増えるだろうから、代替娯楽だったキャンプ、ゴルフへ新規参入する人はほとんどいなくなるだろう。
個人的にはゴルフもキャンプも参入障壁が高いと思っている。いくつも理由はあるが当方がゴルフとキャンプが嫌いな最大の2つの理由は
1、道具が多数必要でしかも値段が高い
2、1人ではやりにくい(ソロキャンプもあるが、多くの場合は友人や家族が必要)
である。
まず1についてだが、当方が何となく続けているランニングと比べると道具の問題は一目瞭然である。当方程度のなんちゃってランナーなら必要なのはスニーカーくらいで、あとは適当なTシャツとジャージで十分である。高いランニングスニーカーを買っても2万円程度だし、それを半年から1年くらいは使える。ランニングシューズにこだわりがなければABCマートやネット通販で名の通ったスポーツブランドの型落ちランニングシューズが2000円台~5900円くらいの値段で買えてしまう。
これに比べるとゴルフ、キャンプに必要な道具の多さは比べ物にならない。それを集めた場合の費用も比べ物にならない。
次に「1人ではやりにくい」という点である。ゴルフは特に1人ではやりにくい。せいぜい打ちっぱなしの練習くらいだろう。コースを1人で回っている人など聞いたことがない。
しかし、当方には家族も友人もいないし、今後作る気もない。そんな人間からするとゴルフはめんどくさいスポーツの代表で、絶対にやりたくない。
キャンプも同様でソロキャンプをする人もいるが、だいたいは家族や友人とする場合も多い。個人的には1人で野外で寝たいとは思わないし、防犯上の危険性も感じるので絶対にやりたくない。また家族と友人はいないし、今後も作る気が無いのでこれもやろうとは思わない。
両方とも1人で手軽にできるわけではない。そして、従来型イベントへの人々の参加が復活した今、ゴルフ、キャンプともに参加者数が2022年以上に伸びることは考えにくい。
従来型イベントへの人出が復活してしまえば、代替娯楽だったゴルフ、キャンプが伸び悩むのは極めて当然の結果だといえる。