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キャンプ市場の拡大は終焉を迎えたのではないかという話
2023年7月14日 トレンド 4
今年6月後半はここ何年間かで最も過ごしやすい比較的涼しい日が続いた。7月に入ると大阪も高気温の日が増えたが、昨年までとは異なり猛暑日は少ない。東京の方が猛暑日が多いくらいではないかと思う。
とは言いながら、生来の汗っかきなので扇風機は必須で、電気代さえ気にしなければ冷房をフル稼働させたい。去年の夏までは冷房を毎日稼働し続けていたが、今年は電気代節約のために半分くらいに稼働を減らしている。
一応、何となくもう12年間もなんちゃってランニングを真夏でも続けてはいるが、それを除くと10月まではできるだけ屋外での活動はしたくない。働かなくてカネがもらえるなら夏は外出すらしたくないというのが本音である。そんな当方からすると真夏にアウトドアだスポーツだ海水浴だと屋外で遊びたがる人間の気が知れない。
幸い、当方には友達も家族もいないので、仕事となんちゃってランニング以外は好きなだけ自宅に引きこもっていられるので、離婚して一人になったことは精神衛生上良かったと感じている。
基本的には好奇心が強い方がだが、興味の範疇外のことには全く好奇心が働かない。キャンプとか山登りとかハイキングとか海水浴とか、絶対に行きたくない。友達も家族もいないから誘われることも連れて行けとせがまれることもないので我関せずと眺めている。
10何年前から「アウトドアブーム」だと言われてきた。そういえば10年くらい前は「山ガール」とかそんなブームがあった。山ガールなんて2020年代になるとすっかり死語になっているが、それでもアウトドアブームは続いている。ブームというよりはある程度定着したといえるのではないかと思う。日常生活の余暇の過ごし方において、軽度のハイキング程度のアウトドア活動をすることはそれほど特別感は無くなったように感じる。当方はしないけど。
2010年代後半からは手軽なキャンプやソロキャンプなどを楽しむ人が増え、2020年のコロナ禍による活動制限によって娯楽の選択肢が狭められた結果、さらに急増したという体感がある。
当方は野外で宿泊することに何の価値も感じないので今までもこれからも絶対にキャンプなんてしないが。
しかし、アウトドアが広く定着化したためにこれ以上の新規参入者の増加は望めなくなりつつある。
この統計データはそんな現状を示しているといえるのではないだろうか。
キャンプ用品市場 14年ぶりに減少 | 繊研新聞 (senken.co.jp)
日本オートキャンプ協会によると、22年のキャンプ用品(登山用品、ウェア、靴除く)の推定市場規模は、前年比5%減の948億円となった。市場規模が減少に転じるのは08年以来14年ぶり。
キャンプ参加人口も、21年の750万人から650万人に減った。キャンパーの年間平均延べ泊数は、前年より1泊多い7.2泊、年間実施回数は0.5回増えて5.4回だった。キャンプ経験1年の割合は、前年より2.3ポイント減り、22.1%となった。
とのことである。キャンプ用品で登山用品、ウェア、靴を除くとあるからいわゆるテントとかシュラフとか炊事セットとかそういう類の用品ではないかと思う。ウェア、靴はキャンプ用品としてではなくアウトドアファッションとしてタウンユースでも取り入れる人がいるからキャンプ需要とは関係なく売上高が伸びる可能性が高い。
だが、テントとかそういう用品はキャンプに行かない人には無用の長物である。だからキャンプ需要が減れば売上高も減る。キャンプ参加人口も100万人減っているし、キャンプ経験1年の人の割合は微減している。
その一方で年間延べ宿泊数は前年より伸びているし、年間実施回数は微増なので、ヘビーユーザーとライトユーザーの格差が激しくなったということだろう。
ヘビーユーザーはさらに行くようになったが、ライトユーザーの活動は減ったということではないか。
そしてさらにいうなら、キャンプ人口はもう取り込み切ったのではないかといえる。コロナ禍を契機として少しでも興味のあった人は2020年以降にほとんどが参加しただろうし、2022年年末時点で参加していない人は、当方のようにまるでキャンプに興味が無い人たちだろう。当方のような興味の無い人たちは今後もキャンプに参加する可能性は極めてゼロに近い。
近年何かと話題が多かった国内アウトドアブランドのスノーピークだが、今年5月に発表された第1四半期決算は減収減益だった。
売上高 6,479百万円(前年同期比8.5%減)
営業利益 257百万円(前年同期比72.5%減)
経常利益 328百万円(前年同期比66.4%減)
親会社株主に帰属する四半期純利益 245百万円(前年同期比61.7%減)
となっている。
この当時、減収減益の理由は
スノーピーク、純利益62%減 23年1~3月期 – 日本経済新聞 (nikkei.com)
人件費や新規出店による家賃などの販管費が増え、減益となった。
と各メディアでは説明されていたが、今回の統計データを見ると、キャンプ用品市場の14年ぶりの縮小が原因だったのではないかと今にして思えてくる。
記事でもスノーピークの決算短信にも
国内では、直営店の売上高が前年同期を上回った一方で、他社ブランドの在庫過多の状況が改善しない状況が続いて販売が振るわず、卸売は前年同期比で減少した。
と説明されているのだが、キャンプ用品市場の縮小と合わせて考えてみると、スノーピークというブランドは支持されたので直営店売上高は前年同期を上回ったが、キャンプ用品市場の縮小が始まったことによって、他社ブランドの在庫過多が改善せずに販売が振るわず、卸売りも前年同期比で減少したということではないのだろうか。
スノーピークというブランドの人気で直営店と自社商品はある程度好調に動いたが、他社店舗に卸している商品は市場縮小から売れ行きが鈍かった。また直営店舗でも扱っている他社ブランド品は用品市場縮小で売れ行きが鈍く在庫過多に陥った、と考えるのが論理的ではないかと思う。
今後、キャンプ用品市場はよくて22年度の現状維持、悪ければもう少し縮小するだろう。ウェア、靴を除く他のアウトドア用品市場も同様で、よくて現状維持、普通に考えれば縮小ではないかと思う。
10何年間に及ぶ市場拡大が続いてきたが、今後は現状維持ベースで推移することになると考えられるため、自社の規模を拡大したければ他社から客を奪い取るというフェーズに突入するしか方法は無い。むろんこれまでも競争はあっただろうが、今後はアウトドアブランド間での血で血を洗うような激烈な顧客の奪い合いが始まるのではないだろうか。埒外から生温かく見守りたいと思う。
そんなスノーピークのローチェアをどうぞ~
comment
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キム ゴンウ より: 2023/07/14(金) 12:25 PM
暑い中 虫も出てくるのに
ご苦労様って気持ちです
食事するところが無いから
必要に迫られてキャンプメシするのであって
キャンプメシなんてうまいはず無いと思っています
東海林さだお先生だって似たようなことを書いてます
先日の女性キャンパーにしつこく話しかける
クソオヤジに関しても
100%あのおやじが悪いけど
わざわざ そういう所に行かなくてもいいんじゃないの
お嬢さんとも思う
ビジネスホテルでゆっくりすればいいじゃん
そんなに一人になりたいんならね -
元古着屋さん より: 2023/07/15(土) 11:18 PM
もともとオシャレイメージで売れていた感でしたが売上がピークアウトした辺りに、それ何の罰ゲームなの的なカミングアウトの3代目社長辞任でブランドイメージまで毀損してしまう追い打ちがありましたからね…固定ファンまで離れちゃいましたね怖い〜
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南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/07/19(水) 10:15 AM
>10月まで野外活動したくない
問題はこの「ふつーの人が外を出歩く気にならない期間」が
どんどん長くなっている点です温暖化してなかった30年前までは
7/15~9/15の2か月間でしたしかし今では下手しなくても連休明けの5/15から
遅くとも9/30までの最低4ヶ月間!!に伸びてしまいましたしかも日本は多湿だからムシがこれまたよく育つ
ムシ刺れや熱中症・日射病があるので
夜を含め7~8月の2か月間は
戸外にいっさい出ないほうが無難ですいっぽう、冬はあいかわらず寒いのが都会の冬
したがって野外で快適に過ごせる期間なぞ
1年の半分もないのが日本ですそれにしても「物販にとっては魔の2・8月」と
いわれて久しいですが、
実態は「魔の2・7~9月」ではないでしょうか?スマホでポチリ買いすらやる気がなくなる暑さです
先日は2時で37度・湿度76%でしたこんな暑さで一体何を買えというのか?
ハラだして冷房の温度を18度にして(外が暑すぎて
この温度にしても室内はせいぜい25度)
ヒルネするに限りますそしてヒルネの合間にこのブログへカキコするw
売上高は8.5%減なのに営業利益は72.5%減って、どうみても普通じゃない。
なんか、どっかがヤバい感じですねw
転職口コミサイトの元従業員さんたちの話では、超ワンマン社長で従業員の定着率も低くて給与水準も最低レベルたしいんすよね。高額商品でも固定ファンが多いとか言われてますが、今後どうなっていくのか興味津々(・∀・)