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南充浩 オフィシャルブログ

ネット通販も大手の寡占化が強まっていると感じた話

2023年6月16日 ネット通販 0

このブログの主旨とは反するが先日、マクロスの新作アニメをサンライズが製作するという発表があった。

「マクロス」サンライズ制作による新作が製作決定 「ワルキューレ」ライブメモリアルブックも発売 : ニュース – アニメハック (eiga.com)

「マクロス」シリーズ新作アニメの製作が発表された。アニメーション制作はサンライズ(バンダイナムコフィルムワークス)が担当する。

とある。洋服よりもアニメ・漫画に親しんできた期間が長い当方にとっては、なかなか衝撃的な発表だった。サンライズというのはガンダムシリーズを長年手掛けている会社である。これによってサンライズはロボットアニメの人気シリーズであるガンダムとマクロスの両方を手中に収めたことになる。

そして引用部分にもあるようにサンライズは「バンダイナムコフィルムワークス」なので、すでにバンダイナムコの子会社化されており、バンダイナムコといえば、コロナ禍で転売ヤー需要も手伝って売上高を伸ばし続けたガンダムのプラモデルを企画生産発売している。そこにマクロスというもう一つの人気シリーズが加わることを意味しており、ますますバンダイナムコの力が強まることになる。

国内衣料品業界でいえば、ユニクロとジーユーという両方所有しているファーストリテイリング並みに強くなってしまう。

 

さて、資本主義経済としての当然の帰結なのか、成熟社会としての帰結なのかはわからないが、あらゆる分野で大手資本の寡占化が進んでいる。

前回書いたように衣料品もファーストリテイリング、しまむら、あたりを筆頭に大手低価格アパレルだけで少なく見積もっても2兆数千億円の市場規模を寡占化している。

ハッキリ言ってこれを打破することは短期間のうちでは無理だろう。中長期的なら可能かもしれないが、仕掛ける側の実力だけではどうにもならず、例えばファーストリテイリングの後継者指名が紛糾迷走するような敵失がなければ難しいだろうと思う。

 

かつて、中には今でも、やたらと根拠も無く明るい市場として期待されていたEC市場、いわゆるネット通販市場も大手による寡占化が進んでいる。

【ECモール利用実態】1位はAmazon、2位は楽天、3位はヤフー。利用するモール、頻度や金額、年代・性別など調査まとめ | ネットショップ担当者フォーラム (impress.co.jp)

ネット通販分野の中で「モール」はこの大手3社にほぼ寡占化してきたのではないかと見ている。実際当方が使うネット通販モールもこのAmazon、楽天、ヤフーの3社である。

 

ネット通販に少しでも知識のある方には当たり前の話だろうが、蛇足で付け加えると、ネット通販には自社直営型とモール型の2種類が大きく分けて存在する。

モール型というのはショッピングモールよろしく各メーカーやショップにテナント出店してもらうというやり方で、アパレル関連だと「ZOZOTOWN」なんかがその代表である。

直営型というと、ユニクロやジーユー、無印良品などのように各社・各ブランドが自前で運営する通販サイトである。

今回のアンケート結果を

年に1回以上利用するECモール(オンライン上のショッピングモール)を聞いた質問では、「Amazon」(1431人)が最多で、「楽天」(1208人)が2位。3位の「Yahoo!ショッピング」(690人)を大きく引き離している。

ファッションやコスメが中心の「ZOZOTOWN」(285人)「Qoo10」(236人)を選んだユーザーは、いずれも全体の1割強にとどまった。

とまとめてある。

代表的なECモールがAmazon、楽天、ヤフーを含めたこの7社ということになるのだろう。ファッション業界人がやたらとありがたがるZOZOTOWNはヤフーショッピングの半分以下の利用者数にとどまっている。

理由を考えてみると簡単だと思う。ZOZOTOWNの取り扱い商品は衣料品中心でコスメが少し混じるくらいである。女性のコスメ買い替え周期はよくわからない(女性と10年以上暮らしていないし、元妻のコスメの消費周期になどまったく興味が無かったから)ので言及は避けるが、衣料品なんて月に1度くらいしか買わない。多くても2回くらいか。となると、ZOZOTOWNの利用頻度なんて、衣料品以外の商品を幅広く扱っている上位3社に比べると格段に低いのは極めて当然である。

何なら衣料品だってAmazonでも買えるし、楽天なんていうのは衣料品に強く、取扱高はZOZOTOWNよりも多い。また、当方はスニーカーをヤフーショッピングで買うこともままある。当方としてはZOZOTOWNなんて使う必要性がほぼ無い。当方と同様の認識をしている消費者が多いということをこのアンケート結果は示しているといえるのではないか。

 

実際、10年間一人暮らしをしてみると、当たり前だが、趣味である衣料品とガンプラ以外の日常生活で使用する物を買うことの方が多い。となると、必然的にAmazon、楽天、ヤフーショッピングを使う頻度は高くなる。動画を観ないのでAmazonプライムを3年前に解約した(契約期間は1年間だけ)ため、今では2000円以下の日用雑貨品を買うのはもっぱら送料無料のヨドバシカメラドットコムである。それでも2~3品合計で総額2000円を越え、なおかつ単品が安い場合はAmazonも使用している。

ガンプラは転売ヤーの跳梁跋扈を放置しているAmazonのクソな姿勢に嫌気がさして地元のジョーシンの店舗で買っている。

つらつらと考えると、

モールは、Amazon、楽天、ヤフーショッピングの3社

直営通販サイトは、ヨドバシカメラドットコム、ユニクロ、ジーユー、ドットエスティ、ベイクルーズストアの5社

があれば、当方の生活は事足りてしまうという状態になっている。あ、ロコンドが運営しているリーボックの通販サイトも結構利用している。何せ値下げされた2900円台のランニングスニーカーが豊富にある。ロコンドのリーボック通販も合わせると6社になる。

計9社のサイトで当方の生活は成り立っているといえる。

 

結局はネット通販市場もこのように大手の寡占化が進んでおり、今後はますます寡占率が高まるのではないかと当方は見ている。もちろん、小規模サイトが高い利益率を稼ぐことは可能だと思うが、これまでのように「ネット通販を開始しました」というだけでは埋没してしまって見向きもされないという状況が促進するだろう。

すでにネット通販業者の淘汰が始まっており、今後さらに生き残りゲームは熾烈さを増すことになるだろう。

 

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