今年前半の製品検査で多かった失敗から学ぶ、製品を作る際に気をつけておきたいポイント
2023年6月12日 品質検査 0
皆さんこんにちは。
USです。
6月に入り早くも今年1年も折り返しですね。
さて、今回は今年前半の振り返りをしたいと思います。
何を振り返るかというと、
題して『今年前半の製品検査で多かった失敗から学ぶ、製品を作る際に気をつけておきたいポイント』(長っ!)です!
※今回の話は、製造側の話なので製造に関わりのない方には少し退屈かもしれません。ご了承ください。
まず製品検査ってなんぞや?と思う方が多いのでそれを簡単にご紹介したいと思います。
洋服の検査には大きく2種類あります。
1つは洋服を作る生地を使って行う生地の検査、
もう1つは出来上がった製品を洗濯する製品検査です。
最近ではコストの問題もあるので生地検査は染色堅牢度(光、摩擦、洗濯、ドライ、汗等の影響どれだけ色が変わったり、色が移ったりするかを見る)だけしか実施しない、というケースも多くなってきています。
これでは色のことがわかってもそれ以外の生地の性質がわかりません。
洋服は元の色から大きく色が変化しないことはもちろん、すぐに破れたり、洗濯縮んでしまったりしないことも求められていると思います。
要は生地検査の染色堅牢度だけをチェックしているのでは洋服に求められている品質には足りない、ということです。
それを補うためにも実際の製品を洗濯して問題がないかチェックする製品洗濯試験があります。
また、洋服を作るには生地だけなく縫製の糸、芯地、ボタン、ファスナー等々の副資材も必要になります。そういった副資材が洗濯後にどうなるかもチェックすることができます。
前置きが長くなりましたが、今年前半の製品検査で多かった失敗を紹介していきたいと思います。
①寸法変化率
この失敗がダントツ多かったです。
寸法変化率とは処理の前と処理の後でどれだけ寸法が変わったかを『%』で表す項目です。
前述の通り最近の生地検査は色に関する染色堅牢度しかチェックしておらず、洗濯やドライ処理の寸法変化までチェックされていない場合が結構あります。
結果、製品洗濯試験を行うまでは寸法変化率に問題があることに気が付かないということは結構あります。
一般的に水洗いが難しいと言われているレーヨンや、獣毛などが入っている素材は事前に洗濯の寸法変化を確認しておくことで水洗いを『✕』にする等の対策を講じることができるでしょう。もちろんレーヨンや毛以外の素材でも大きく縮んでしまう物もあるので、自宅で洗濯をしてみるなどを実施し、寸法変化を事前にチェックしておいた方が良いと思います。
②2次加工消失
2次加工というのはプリントだったり、フロッキー加工だったり、プリーツ加工だったり、エンボス加工だったり一度染色やプリントをして出来上がった生地を更に手を加えることを言います。
これも製品洗濯試験を実施すると、加工が消失してしまうケースが多かったです。
製品になる2次加工が済んでからすぐに洗濯試験を実施することで製品になってからのトラブルを防ぐことができるでしょう。
ついでながら2次加工は繰り返し洗濯で加工耐久性をチェックします。(一般的に5回くらいが多い)
他にも上げるとキリがないですが、大きくこの2点が製品洗濯試験で不合格になることが多かったと思います。
製品の納期がタイトでゆっくり調べている時間はないことはわかりますが、製品になってから修正するのは余計にコストと時間が掛かってしまいます。できるだけ事前に確認し、事故は減らしていきたいところですね。
以上USでしたー!
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