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南充浩 オフィシャルブログ

凹凸ある表面感のビンテージ調デニム生地は復活する?

2023年5月29日 トレンド 1

先日、久しぶりにジョンブルの展示会にお邪魔させてもらった。

コロナ禍が始まって以降、ほとんどお呼びがかからなくなってしまった。まあ、当方を呼んでいただいたところで何の役にも立たないので、それはそれで仕方が無い。

そんな中、久しぶりに呼んでいただいた次第である。

 

ジョンブルというと、企業規模としてはさほど大きくないものの、創業は古いし、90年代半ばからのビンテージジーンズブーム以降は根強くビンテージ調ジーンズを続けてきた老舗ブランドである。

しかし、正直な話、2010年代以降、メインの商材である「ビンテージ調ジーンズ(それに類したデニムアイテム含む)」は市場としてはダウントレンドになってしまった。

ジーンズのマストレンドを振り返ってみると、2005年から2008年ごろまで続いた欧米の高額インポートジーンズブームまでは、ビンテージ調デニム生地とそれに合わせたヒゲ加工・アタリ加工が引っ張りダコだった。しかし、2009年以降のスキニージーンズブームではその需要が無くなった。

 

スキニージーンズはご存知の通り、ストレッチ性の高いストレッチデニム生地が重宝され、ムラ糸使いでタテ落ち間のあるビンテージ調デニムとは同じデニム生地とは言いながらも、求められる表面感や機能性は異なっていた。2015年ごろまで世間はスキニージーンズ一辺倒となったわけで、スキニーブーム初期にはまだ見られたビンテージ調のストレッチデニム生地使いも徐々に市場から消え去り、表面感のあまり無いストレッチデニム生地が全盛となった。

2015年以降、ビッグシルエットの復活とともにワイドジーンズ、バギージーンズも徐々に復活を果たして行くことになるが、この時には、ストレッチデニムであろうが綿100%デニムであろうが、それまでのようなムラ糸使いでタテ落ち感のあるビンテージ調デニム生地はほとんど求められることがなかった。

これは恐らく、当時の10代後半~30歳手前の若者世代にとって、ムラ糸使いでタテ落ち感のあるビンテージ調デニム生地というのは、2010年より以前に流行していたため「オッサン臭い」と映ったのではないかと考えられる。そのため、表面感がフラットな「80年代~90年代前半調」のペタっとしたデニム生地が再注目されることとなった。

だが、その「ペタっとしたデニム生地」というのは、30年くらい前に流行した物で、当方からすると大学生時代に穿いていた「あの若い頃の古臭いジーンズ」という悪印象しか持てなかったため、あまり好きにはなれなかった。

そうこうしているうちに、ペタっとしたデニム生地が市場を席巻すると同時に、メンズはスエットパンツやスラックスなど非ジーンズがその楽さと相まって主流のズボンになってしまった。

そんなわけで、この間、ジョンブルもなかなかに商品提案に苦心していると見えていた。

何せ、最も得意とするビンテージ調デニム生地を使ったアイテムが軒並みアンチトレンドとなってしまっているのである。楽であるはずがない。

 

今回、23年秋冬展示会に久しぶりにお邪魔させてもらったのだが、久しぶりにビンテージ調デニム生地を使って中古加工を施したジーンズを含むデニム生地アイテムに手応えがあるという。

ジョンブルは直営店も持っているが、直営店からはビンテージ調デニム生地の中古加工アイテムの要望が増えてきているとのことである。

 

 

たしかに、コロナ禍前までは「ジーンズはオッサンのズボン」「ビンテージ調ジーンズはオッサンのズボン」という風潮が強かったと感じる。ジーンズを穿いている若者は減少したし、当方のような初老のジジイも楽さに負けてスラックスやスエットパンツばかり穿くようになっていた。

それが2020年代になると、女性を中心にジーンズを着用する若者が増えたように見え始めた。若い男性のジーンズ着用も2022年あたりから一時期よりは増えてきたと感じるようになった。

 

もちろん、彼らが着用しているのは「80年代~90年代前半」にかけて隆盛を極めたあの「ペタっとした」デニム生地で作られたジーンズであり、ジージャンである。

ここからジーンズ人気、デニム生地人気がどこまで盛り返すのかはわからない。当方はそれほど期待はしていない。ジージャンやデニムシャツは続くだろうが、ジーンズには懐疑的な目を向けている。何せ、スラックスやスエットパンツの方がはるかに楽で快適だからである。2010年ごろまでのようにカジュアル時にはほとんどがジーンズを着用しているという状況には戻ることが無いだろうと見ている。

だが、ある程度、ペタっとしたジーンズを着用し慣れてきて、仲間内でも見慣れてくると、やはり「多少変わった物」が欲しくなるというのが、世の常人の常である。

そこで今回、ジョンブルが提案しているようなビンテージ調デニム生地に注目が再度集まりつつあるのだろうと考えられる。

もちろん、まだ今のニーズはそこそこファッションに興味があり、そこそこ高い物でも買うという人に限られているだろう。マスの低価格品に反映されることはもう少し後になるだろうし、もしかしたらマス低価格品には反映されないままに終わる可能性もゼロではないだろう。

 

それも踏まえて、今回改めて思うことは「何年かおきに、最大でも20年周期くらいでファッショントレンドは戻ってくる」ということである。まさに因果は巡る糸車、輪廻の輪である。

保管場所させふんだんにあれば、トレンドが終わった服を保管しておいて20年後くらいにそのトレンドが復活した時に取り出してきて再度着用すれば良いのではないかと真剣に考え始めている。(笑)

幸いにして、当方のタンスには2010年頃までに買ったビンテージ調ジーンズが何本か残っている。これを取り出して再度着用してみようかと思っている次第である。

ビンテージ調の中古加工ジーンズを残している人には再度着用できるチャンスが巡ってきたのかもしれない。

 

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 comment
  • nibosi より: 2023/07/12(水) 8:30 AM

    7月現在、GUのラインナップで複数のジーンズにヒゲとウォッシュが施されております。
    GUがやるということは、トレンド予測としてマスに受け入れられる確率がかなり高いからということで
    もう市民権は手に入れかけているのではないかなと当方はみておりますが、いかがでしょうか。
    快適さにしても、現在のトレンドはややゆとりのあるストレートか、太いバギーなので悪くないのです。

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