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南充浩 オフィシャルブログ

当然の帰結

2014年9月9日 未分類 0

 3,4年ほど前のことになる。
ベテランのコンサルタントさんと、ある物作り系の組合の会合にお邪魔していた。
創設何十年という歴史ある組合である。

今後の取り組みやらなんやかんやと意見交換やらを拝聴していた。
正直な感想をいうと、よくある従来の製造業的立場を主張しているのみで新鮮味のない意見ばかりだった。

個人的にはこの組合は今後も時流に乗ることはできないだろうなと感じた。

その会合の帰途、コンサルタント氏に「発展の見込みがないと感じたかもしれないが、彼らに明るい未来を指し示してあげることが重要。そうすればあの中から変わる会社も何社か出るかもしれない」とアドバイスをいただいた。

おっしゃっている主旨はその通りだとは思うものの、どうにも納得がいかない。

というのは、創設何十年の組合ということは、過去に様々なコンサルタントが指導なり支援をしてきたはずである。
現に筆者の知り合いも何人かこの組合の仕事を過去にしたことがある。

で、その結果どうなったかというと、どうにもなっておらず、この時の状況を迎えていたわけである。

おそらく過去の様々なコンサルタントも「明るい未来」を指し示してきたはずである。
しかし、何も変わっていない。
中には変化した会社もあったが、それは経営者が代替わりをして、新経営者が独自に動き始めた企業であり、様々なコンサルタントが示した「明るい未来」を信じて実行したわけではない。

筆者は、過去何十年にも渡って散々「明るい未来」を指し示されても変われなかった組合に対して、まだこれ以上「明るい未来」を提示する必要があるのだろうかと疑問を覚える。
動けるならとっくの昔に動いているだろうし、2010年代になっても動けていないということは今後も動けない可能性がきわめて高いのではないか。

この期に及ぶと必要なのは「明るい未来の提示」ではなく、現実を冷徹に指摘して認識させることではないのだろうか。
それで動かないようならその組合なり、企業は衰退するほかはない。
適者でなければ生存できず、滅ぶのは自然の摂理である。

産地の製造業者と話すと、今のアパレルの商品製作サイクルをまったく理解していない場合がある。
それでも自社の商売が好調ならそれはそれで構わない。
けれども多くの場合は、苦戦しているわけだから、せめてアパレル企業の動き方くらいは把握しておく必要がある。そうでなければ先方に適切な提案はできない。

というようなことを言うと、「うちは今まで商社と商売をしていたから」とか「問屋とやっていたから」という答えが返ってくるのだが、それならば商社や問屋との商売をそのまま継続されたら良いと思う。
わざわざアパレルへの直販や、自社製品の消費者直販を志したのだから、それらの現状を知って対応する必要があるのではないか。

そしてそれが今までの自社のしきたりとはかけ離れたものであっても、一先ずは理解する必要があるのではないだろうか。

今、動けていない組合や企業は、今後さらに淘汰されるが、それは当然の帰結である。

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