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南充浩 オフィシャルブログ

山ガールが過ぎ去って

2014年8月21日 未分類 0

 先日、あるアウトドアブランドの展示会にお邪魔した。
5年ほど前は「山ガール」で盛り上がっていたが、すっかり沈静化しているという。
しかし、10年前に比べればアウトドアウエアの需要は確実に広がったとも。

その担当者の分析では、5年前にブームで参入した「山ガール」たちのうち、残る人は残り、撤退する人は撤退してしまった。そんな状況なのだそうだ。
しかし、10年前にはアウトドア人口そのものがもっと少なかったからそのころと比べると、ブームが終わった今の方が市場規模は大きいのだそうだ。

そして、その市場でも二極化が起こっており、本格的なプロ仕様の商材は堅調を維持している。
またタウンカジュアル用途の低機能品も伸びているという。
落ち込んでいるのは中間商品である。
プロ仕様ほど高機能ではないが、タウンカジュアル用途ほど低機能でもない。
それなりの機能があり、標高数百メートルレベルの山に使用するような中間機能のアウトドアウエアの需要が鈍っている。

「山ガール」ブームが盛り上がったのはこの中間層が増えたことによるものだろう。

山ガールブームはすでに3年ほど前から陰りが見え始めており、マスコミもアウトドア業界も次のブームを作るべく仕掛けていた。

釣りガールだの、空ガールだの。

ただし、どれも不発に終わっている。
完全な空振り三振ではないので、野球に例えると内野安打程度のヒットといえるだろうか。
二匹目・三匹目のドジョウは柳の下にはいなかったわけである。

それはさておき。

このブランドの企画担当者は長らく登山を定期的に行っている。
彼によると、10年前までは各山小屋は本気で廃業を検討していたそうだ。
その理由はお客の減少によるものである。
山小屋業界のことはよくわからないのだが、彼によると「錚々たる山小屋でさえ廃業を考えていた」という。

しかし、山ガールブームで山小屋は息を吹き返すことができた。
要するに利用客が増えたからである。

中には「継がない」と言っていた息子が帰ってきて跡を継いだ山小屋まであるそうだ。

それはそれでめでたいことではあるが、今後、山需要が現状を維持するかどうかはちょっと読み切れない。
10年前ほどに市場が縮小することはないとは思うが、大きく伸びることはないだろう。
良くて現状維持ではないか。

このブランドは来春夏企画でタウンユースのカジュアル用途のウエアを強化している。
現状維持をさせようとするとカジュアル強化しかないというのが理由である。

現状維持させるためのもう一つの手段としては販売価格の値上げがあるが、それが有効に機能するとはちょっと思えない。

10年くらい前まではアウトドアなんて本気でやっている人は数少なかったから、カジュアル需要のみに向けた「なんちゃってアウトドアブランド」が数多くあった。

今回のアウトドアカジュアルはそういうことにはならないのではないかと考えている。

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