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南充浩 オフィシャルブログ

洋服を買うためには並ばないがガンプラを買うために雨に打たれながら並んだオッサンの話

2023年3月20日 新商品発表 2

元々、行列に並んでまで待つということが嫌いである。

とはいえ、少しの時間なら並んで待つこともある。最大許容時間は20分であり、5分~10分くらいなら並ぶこともあるが、まあ滅多に並ぶことはない。

 

当方は来月の下旬で53歳になるのだが、87年とか88年当時、高校生だった。その当時、テレビの関西地区のニュースではよく「夏・冬のバーゲン開始で、なんばシティに徹夜の行列が〇〇人できました」という報道があったと記憶している。

当時、洋服になど興味はなかったから「物好きがぎょうさんおるんやなあ」と流していたが、衣料品小売店へ就職後、同年代の人に尋ねると「高校生の頃、なんばシティのバーゲンにならんだわ」と言う人が結構いた。

2000年代半ばになると「洋服店に行列ができました」というニュースは徐々に見かけなくなっていった。

2000年代後半になるとせいぜい業界メディアで、新宿伊勢丹の正月バーゲンに〇人の行列とか、H&Mのデザイナーコラボに〇人の行列、と報道される程度になった。

その行列の人数も80年代・90年代とは比べ物にならないくらい少なくなっている。

2010年代後半になると、行列報道事例がさらに減り、直近で覚えているのは2020年の秋の+J復活発売に数時間待ちの大行列ができたことくらいだろう。

 

そういえば、最近東京にフォーエバー21の期間限定店が再オープンしたがその際「20人くらいの行列ができた」という報道を見かけた。

 

 

さて、3月18日土曜日、午前9時40分過ぎに自宅を出て、雨の中ユニクロUのブロックテックライトパーカ(4年くらい前に3990円に値下がりしたときに買った)を着て、愛車のママチャリ号で国道沿いのジョーシンへ向かった。

今日はガンプラの新商品が2種類発売するからである。

コロナ禍以降のガンプラの品薄状態からジョーシンではガンプラは1人1個しか買えなくなっており、2種類発売するときはどちらかを選ばねばならない。

HGガンダムエアリアル改修型とHGガンダムルブリスソーンの同時発売なのだが、自分はエアリアル改修型を買うつもりだった。開店8分前にジョーシンに到着すると、いつもよりも2倍くらい長い行列ができている。

いつもは軒先に20人前後並んでいるくらいなのだが、その日は軒先を大きく越えて雨の中傘を差しながら行列ができていた。

自分はガンプラ2種類の発売しか把握していなかったが、調べてみるとこの日は多数の人気商品が同時発売となっていた。

・トミカ(トミーのミニカー)

・ウマ娘のプラモ

・シン仮面ライダーのプラモ

である。このほか、ガンプラ用デカールも何種類か新発売されていた。

 

当方が列の最後尾に並んでからも続々と当方の後ろに並ぶ人が来たので、最終的には50~60人の行列になったのではないだろうか。

この時点で、田舎の国道沿いのジョーシンの行列はフォーエバー21の東京期間限定店のオープニングの行列の3倍の長さになっていた。

 

HGエアリアル改修型が30体、HGルブリスソーンが18体の入荷で合計48体の入荷だったのでどちらかは買える目算が立った。

で、開店後店内で商品を受け取る段になったのだが、エアリアル改修型はまだ残っていたが、当方が受け取った時点で残り2つとなっており、それも直後に完売した。

 

 

ルブリスソーンはまだ10個くらい残っていたが、それも5分後くらいには完売していた。

当方はエアリアルだけを買ったが、ガンプラ以外なら複数買いできるので、「ガンプラ+トミカ」とか「ガンプラ+ウマ娘」とか「ガンプラ+シン仮面ライダー」を買っている人は多かった。

当方が購入したエアリアルは定価1870円でジョーシンの2割引きで1496円だったわけだが、ウマ娘のプラモデルは定価4070円もするがそれもかなりのハイペースで売り切れていた。

 

何が言いたいのかと言うと、まず、争奪戦を制してエアリアル改修型のプラモを買えたことが嬉しいということである。(笑)

次に、新商品の発売日が重なったとはいえ、ホビー類への人気の高さは凄まじいということである。今のマス消費者だって消費意欲はあるし、購買意欲もある。それこそ若者だって今回のジョーシンの行列にならんでいた。しかし、衣料品に対してはここまでの熱意が無い人が増えたということである。

これまで何度も書いていて申し訳ないが、当方だって加齢による精神的衰えなのか、並んでまで新発売の洋服を買おうなどとは毛頭思わない。

どうせ似たようなアイテムは他ブランドにもあるし、何なら1か月くらい待てばその他ブランドで値下がりする可能性も大きい。そうなるとわざわざ発売日に雨の中並んでまで買いたいとは思わなくなる。

 

今回、ホビー類の人気の高さを再認識したのだが、恐らくは他の趣味の分野、例えば釣りだとかガーデニングだとかアウトドアだとかバイクだとか自転車だとかも似たような状況だろう。

コロナ禍前はインテックス大阪を会場とした釣りフェアは何万人もの来場者があって、お世話になっていたアパレルOEMの社長も毎回通っておられた。

 

こう見ると、洋服は必需品という性格もあるが、趣味の1分野に過ぎなくなったと感じる。

80年代・90年代には「〇〇ブランドを着ているとモテる・褒められる(男女問わず)」という風潮があったが、今はそんな風潮も無い。「この上着、〇〇ブランドで買ってん」と言っても、多くの人からすると「そーなんや」で終わってしまう。

むしろ、洋服よりも新しいスマホだとか新しいノートパソコンだとか、そういう物を持っている方が賞賛されやすい。

 

マス層に対しては、ユニクロ、ジーユー、しまむら、ハニーズなどなどの大手低価格ブランドで十分だろうから、値段を通したいブランドは趣味の1分野としてコアなファンに売ることを心掛けて対策を立てた方が効果的だと考えられる。

 

 

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 comment
  • ハマオ より: 2023/03/20(月) 12:47 PM

    21世紀になるぐらいまでは10万人ぐらいの人口の地方都市にもファッションビルが有りましたね
    名古屋に住んでいますが
    一宮市 岡崎 豊田 豊橋 岐阜 大垣 桑名 四日市
    辺りには有りましたね
    地場の百貨店なんかも有りましたが一宮名鉄 岐阜高島屋
    四日市近鉄しか残ってないですね
    百貨店は政令指定都市位しかやって行けないですね
    地方はイオンモールで充分ですね
    ファッションは消費の優先順位は限りある収入の中では
    かなり下位ですね

  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2023/03/20(月) 5:57 PM

    >他の趣味の分野・例えば釣り、ガーデニング、アウトドア
    >バイクだとか自転車だとかも似たような状況だろう

    だったのは2020年頃までなのが私の実感です

    いっぽうガンプラに代表される屋内型廉価ホビーは勢い止らず

    とりくむのに気力・お金・労力が必要なセクタは
    高齢化に伴い、しぼむのが早いです

    そして無限に物を買おうにも置き場所がないモノ
    これもしぼむのが本当に早い

    前者の代表がロードバイクや本格ガーデニング
    後者の代表がバイク関連でしょう

    というわけで、高齢そこそこ所得人間のシュミは
    ウオーキングにガンプラとなる訳です

    どちらも手軽にできて、手元に溜まるのは小さい物だけ

    着道楽は保管するのに場所取るし
    いろんな服を着まわすのがだいぶメンドクサイ

    加えて今は、安くて涼しくて温ったかくて
    そこそこ見栄えする服がいくらでもありますから

    道楽である以上、気分アゲアゲになる服が必要だけど
    そういう服を見なくなってもう20年以上でしょうか・・・

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