ネット通販比率の上昇は頭打ちに
2023年2月9日 ネット通販 1
以前、インターネット通販での洋服の買い物について「答え合わせみたいな感じがする」と言った知人がいた。
この知人は、インターネット通販の専門家だが、その専門家にしてインターネット通販での買い物が「期待」よりも「答え合わせ」と答えたということが強く印象に残っている。
当方も勉強のつもりでインターネット通販で服を買うようになったが、近年はやはり「答え合わせ感」が強まっている。
ガンプラや雑貨類をネット通販で買う際にはそういう気持ちにはならないが、洋服だと「答え合わせ」感が強くなてしまう。
洋服は特に身に着けてなんぼという商品である。
生地が思っていたよりも硬い・柔らかい・厚い・薄いという違和感が必ずある。
また服そのもののサイズ感が思っていたよりも細い・太い・きつい・ダボダボという違和感も必ず生じる。
さらにいえば、服のシルエットや形が思っていたよりも太って見える・背が低く見えるなんていうこともある。
2018年頃から洋服をネット通販で買うようになったが、やはりいまだにこれらのことはときどきある。
買い慣れてきたのでさすがに「届いた服が小さすぎて着られない」なんていうことはないが、届いた洋服を試着してみたら「思ったよりも太って見える」なんていうことはざらにある。
もちろん、当方が容姿端麗であれば何の問題もないが、今更容姿が変わるはずもない。
こんな記事が掲載された。
ネット通販で「思っていたものと違う…」を経験した消費者が半数に | 通販通信ECMO (tsuhannews.jp)
消費者庁が2日発表した2022年度の第4回消費生活意識調査結果によると、オンラインショッピングで思っていたものと違う商品が届いたという経験を持つ消費者は、全体の半数近くに上った。
とある。
・商品の機能やサービスが期待より大きく劣っていたが41・9%
・表示・広告が実際の商品と大きくことなっていたが25・8%
となっている。
実際に、洋服でもこの2点は当方が経験した中でもいくつかあった。
むろん、当方の見極めが不足していた部分があることは言うまでもないが、画像や画面の表示のさせ方にも幾分か問題があったのではないかとも思える。
近年は特に画像補正の技術も向上しているため、本物の何割増しかの画像がアップされていると感じることも多い。いわゆる「盛る」という行為である。
売る側とすれば、なるべく良く見せて買ってもらいたいから盛ってしまう理由もわからないではない。
だが、行き過ぎると実物よりも数段上の画像が出来てしまって、実物がひどく見劣りしてしまうことになる。
もしかすると商品よりも人物画像の方が「盛り」が横行しているかもしれない。
画像を見るとめちゃくちゃイケている人が実際にお会いしてみると画像と大きく異なるというケースがときどき生じる。(笑)
あまり盛りすぎるのも考え物ではないかと思う。
洋服のインターネット通販もすっかり定着した感があるが、昔、評論家界隈で想像されていたほどにはインターネット通販比率は高まっていない。
2018年頃にはインターネットだけで洋服を買うようになるというような夢想をする評論家界隈もいたが、当時から荒唐無稽な話だと思って聞き流していた。
理由は冒頭で書いたように、洋服の生地の質感を視覚情報だけで的確に見抜くことは現時点での技術水準では不可能だからだ。
実際にコロナ禍以降のネット通販の浸透度合いはどうかというと、21年と22年は横ばいで推移している。
ネット通販利用世帯の割合、22年は前年と同率の52.7%に | 通販通信ECMO (tsuhannews.jp)
もちろん、これは洋服のネット通販だけのことではないが、21年と22年はまったく変わっていない。
総務省統計局は7日、ネットショッピングの状況を分析した2022年の「家計消費状況調査」の平均結果と、12月分の結果を発表した。22年1年間の1世帯(2人以上)当たりの月平均支出額は、前年比11.1%増の2万810円、ネットショッピング利用世帯の割合は、前年と同じ52.7%だった。
21年のネットショッピング利用世帯は52・7%で、22年の利用世帯も全く同数の52・7%に終わっている。
ここから考えられることは1年間では世帯の入れ替えなどほとんど起きておらず、ネット通販を使う世帯は21年までに使うようになっており、ネット通販を使うつもりが無い世帯は1年後も使っていないということである。
要するに使う世帯・使いたいと思っていた世帯は21年までにすべて使うようになっているが、使いたいと思わない世帯はたった1年後くらいでは使う気にはなっていないということになる。
今後、5年後、10年後となると、老人の死亡によって世帯の入れ替えが生じ、ネット通販の利用頻度が大きく異なってくるだろうが、現状としてはこの程度だということになる。
それにしても、最近当方はやっぱり服は試着してから買った方が失敗が少ないと改めて思い始めている。他にも同様に考える人もいるだろうから、洋服のインターネット通販比率の上昇はそろそろ歯止めがかかるのではないかと思っている。特に日本国内では。
いずれ洋服もネット通販だけで売れるようになるという空想がまかり通っていた時代もあったが、そういう近未来像が訪れるのは、生地の質感などが画面からでもわかるほどに技術革新が進んだ相当先のことではないかと考えられる。
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ネット通販で比較的安心して買えたのが、新刊書籍と音楽メディア(CDとかVideoとか)でした。しかし、これらは電子媒体配布が増えてきました。
次に買いやすいのが、定番の消耗品です。ここでいうところの定番とは、自分がいつも買う洗剤やトイレットペーパー、オフィスサプライなど買う品物が決まっているものを指します。
それ以外の嗜好品、肌触りや色が重要なものをネットで買うのは、ばくちに近いように感じます。
ネット上の教育もはやっていますが、動画で見ていても、どうしてもわからないことがあります。
触った感じです。
料理の動画でも、パンをこねるとき、どこまで捏ねるか、その感触なんか、分からないです。おそらくVRでもわからないでしょう。
やっぱり、すべての行動が電子化はできないです。動画を見てわかることと、分からないことがあります。
動画視聴が書籍を読むことにとってかわるかどうか、個人的には疑問です。