MENU

南充浩 オフィシャルブログ

今夜から日曜日までの寒波が冬物処分の最後のチャンス 大胆な値下げで売り切るべき

2023年1月24日 天候・気候 1

2022秋冬はラニーニャ現象によって寒冷になると予想されていたものの、10月・11月は高気温、12月に入ってから雪国では豪雪となったが、東京・名古屋・大阪では最高気温は高めな日々が続いた。

久しぶりにクリスマス寒波が訪れたが、大阪市内での体感温度を振り返ると、12月22日から気温は低下し始め、23日には久しぶりに雪が舞った。しかし、24日の正午になると強風はおさまり25日からは最高気温が上昇し、26日以降の年末年始はかなり温暖だった。

おかげで年末大掃除が助かったことは以前にも書いた。

そして、今夜から再び大寒波が来ると伝えられているが、大阪市内の予報を見ると寒さのピークは明日25日で、そこから土曜日までは寒いが日曜日以降は最高気温が上昇し、9度~10度で推移するとされている。

今秋冬の寒波の特徴は3~5日くらいしか極寒の日が続かないことにあるといえる。

もちろん、天気予報は当たることもあれば当たらないこともあるが、2月頭は最高気温10度前後の日が続くとされていることを踏まえて考えると、明日から日曜日までの期間が冬物の最終処分日になるだろう。

今週いっぱいで冬物を激安値下げしてでも売り切ってしまう方が得策だといえる。

立春以降の春の訪れは三寒四温とされていて、暖かい日と寒い日を繰り返すことになっているが、そうなると最早冬物はいくら値下げしても売りにくくなる。

明日からの寒波の5日間が冬物処分売りの最後のチャンスだと捉えるべきだろう。

 

実務的な数値の考え方はいつものように当方は知見が無いので専門家であるマサ佐藤氏にお任せするとして、

冬物商品最終消化のご参考に

 

大阪市内で店頭を見て回った結果としては、全体的には冬物衣料の売れ残りを抱えている店が多いという印象を受けた。

これは恐らくは昨年1月に寒波による寒冷な日が続いたことによる反動で、今秋冬物として防寒衣類を増やした結果だろうと推測される。実際に2022年1月速報で「防寒衣類の在庫が足りなかった」とコメントしたユニクロの店頭には今、値下げされた防寒衣類が溢れている。

だが、このブログで以前にも書いたように、寒冷地や雪国は除いて太平洋側の都心では基本的には暖冬傾向の年が多く、短くても3~4年、長ければ5年に1度くらいの割合でしか厳冬は訪れていない。

となると、暖冬向けの品ぞろえを続けた方が3勝1敗~5勝1敗のペースで勝てるということになる。

昨年寒かったから今年も寒いと考える方が危険性が高いといえる。実際2018年の1月・2月は極寒の日が続いたが2019年1月は高気温だった。

2018年1月並みの寒さだと「勝手に」考えて防寒衣類の在庫を増やしたブランドは2019年1月には軒並み爆死しており、某コンサルタントは「極寒の次の年が高気温になるなんて予想できないよ」と意味不明の嘆きを恥ずかしげもなく書き散らかしていて失笑を禁じえなかった。気候の長期予報くらい見ろよという話である。

 

今1月の店頭を見て思うことは、売れ乗っている防寒衣類はもっと値下げして売り切った方が良いのではないかということである。

もちろん、中には来冬も売れそうな定番的アイテムも混じっている。これについては各企業ごとに考え方や戦略があるだろうから一概には言えず、2023秋冬まで10カ月間倉庫で眠らせておくというやり方もある。その保管が企業経営を圧迫しないのであれば、外野たる当方が否定する理由は何もない。

しかし、そういう余裕の無い企業であるなら、格好を付けずに今週日曜日が終わるまでに投げ売って現金化すべきだと当方は考える。

その点で評価するのはやはりユニクロである。

ユニクロの見切りはすごい。

昨年12月9日に投入されてわずか10日後から値下げが始まったユニクロ×マルニが良い例である。

12月20日以降、毎週値下げが繰り返されており、ダウンベストは先週の時点で3990円に、ダウンジャケットは5990円にまで値下げされてしまった。

ダウン以外の全商品が値下げされ続けているのだが、中でも凄まじいのが小物・雑貨類でミトン・ニット帽・バラクラバ(笑)は一律500円に値下げされている。

ついつい当方はニット帽を2枚買ってしまった。税込みで合計1000円である。

 

 

 

また、半額以下の3990円に値下げされて12月20日ごろに買ってしまったスタジャンだが、今日からさらに2990円に値下がりした。買っていない方の色であるグレー×白も買ってしまおうかと悩んでいるところである。

 

売れないとなるとマルニとのコラボだろうが、何だろうが徹底的に値下げして売り切ろうとする。

マルニは根本的にデザインやサイズ感が万人には受け入れられにくいのでこの売れ残りも当然で、その投げ売りも極めて当然だといえるが、スタジャンはどうだろうか。そこまで奇抜な色合いやシルエットでもないから、2990円にまで値下げせずとも来秋冬も売れなくもないと見える。

だが、それでも今冬で売り切ってしまおうという凄まじい値下げである。

 

今回の寒波が冬物処分の最後のチャンスだというのに、値下げに消極的なブランドが少なくないのは、プロパー消化率という指標をKPIとして重視しすぎている企業がけっこうあるからではないかと思う。

売り切れなくて在庫として10カ月間ほど抱えていても、値下げを抑制すればプロパー消化率という指標は上昇する。

プロパー消化率そのものを否定する気は毛頭ないが、これを高めることだけをKPIとするのはあまり意味が無く、却って不要な在庫を長期間保管してしまうことになるということである。

指標の1つとして考慮する必要性はあるが絶対的指標とすることはいかがなものかというのが当方の立場である。

 

さて、今年はラニーニャ現象が終わりエルニーニョ現象が起きるとされている。これになると夏は比較的気温が低くなることが多い。低くなるといっても太平洋側の大都心部では最高気温30度前後にはなるだろうから、夏服は必要とされるが、昨年までのような超猛暑ではない可能性が高い。

商品製造のリードタイムは伸びる傾向が今も続いているから、長期予報をもとにして、どれほどの夏物衣類を製造・仕入れするのか、数量計画の精度を高めるべきだろう。

売れ残りの値引きを抑制して指標の率だけを高止まりさせることは単なる小手先の手妻に過ぎない。

 

仕事のご依頼はこちらからお願いします~↓

SERVICE

この記事をSNSでシェア
 comment
  • とおりすがりのオッサン より: 2023/01/24(火) 2:41 PM

    指標を見かけ上は良くするなんてのは、何だってできるんですよね。
    以前、私を訴えてきた某有名経営コンサルタントは、自社の営業の従業員の成績を売上だけで決めていたら、ずる賢い営業マンが原価割れの価格で商品を売りまくって自分の成績だけ上げてボーナスをイッパイもらってたというのを発見して、評価基準を変えたそうですw

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ