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南充浩 オフィシャルブログ

しめ縄という嗜好品を見ながら考えたという話

2023年1月5日 回顧 1

あけましておめでとうございます。皆様方今年もよろしくお願いします。

 

年末年始の単なる雑感を。

 

2012年に母親が死に、2013年に離婚してから、親父と二人暮らしになった。2014年以降の年末年始準備は親父と二人でやっていた。

当方が親父と二人暮らしをしていて、今は1人暮らしになってしまった実家は郊外の古い地域にあるが、年々、しめ縄を飾る家が減ってきたと感じる。

で、このしめ縄なのだが、2014年年末以降は親父がスーパー万代で買ってきてくれていた。だいたい700円台~1000円超までのバリエーションがある。値段を聞いたことがなかったが、恐らくは800円前後だったのだろうと思う。

2019年12月上旬に親父が入院し、末期の肺がんが発見され余命半年程度と告知された。

まあ、もうすぐ死ぬことは確定しているわけだが、まだ生きているため喪に服することもできないので、とりあえず年末年始の準備を1人でしなくてはならなくなった。

その際、しめ縄を買おうと思ったのだが、改めてスーパー万代で見ると結構お高い。しかし、800円弱の物を買ってドアにかけた。

これが2019年末である。

2020年夏に医者の宣告通りに親父は死んだ。

2021年正月は服喪しているため、正月飾りは不要だ。なので年末大掃除はしたものの、しめ縄は買っていない。

2022年正月は喪が明けるので、しめ縄を買うことにしたが、百均に立ち寄ると220円でかなりチープなしめ縄が売っていた。800円のしめ縄ももったいないと思っていたのでこれを買ってかけた。

そして今年の2023年の正月を迎えることになったわけだが、今回も百均に出向いたわけだが、どうにもチャチさが気になる。スーパー万代だと800円強であるがやはり見た目はこちらの方が良い。散々迷った挙句、今回も百均にした。

(百均で買ったしめ縄)

 

しかし、12月29日に飾り終わってからだんだんとそのチープさが気になってきてしまい、来年の正月にはスーパー万代で800円台の通常のしめ縄を買おうと新年に決意をした。

(2024年からはこのタイプのしめ縄に戻したい)

 

 

しめ縄なんて本来はどうでも良い存在で、あっても無くても何も変わらない。だからこそ、年々、しめ縄を飾る家が古い田舎でも減ってきているのだろうと思う。しかし、当方は何の効果も無くても正月くらいは飾った方が良いと思っているので、死ぬまで正月には飾り続けるつもりである。

節約のために百均商品を購入してきたが、来年からはスーパー万代の800円台の物(1000円を越えるのはさすがにもったいないと感じる)にしようと思っている。

 

何が言いたいのかというと、衣料品業界の人にとってはそうではないだろうが、業界と無縁の一般大衆にとってファッション衣料というのは、しめ縄と大して比重は変わらないのではないかということである。

80年代・90年代は、ファッション衣料、おしゃれ着(笑)を切望する人の人数は今より多かったと感じる。また熱意も高かったように感じる。

その当時10代後半~20代だった当方はその熱気を感じていたし、業界人以外の人から「今よりは」ファッション衣料やファッションブランドに関する話題が多く聞かれたように記憶している。

そういえば、死んだ弟がまだ元気だった90年代後半か2000年ごろにボーナスでバーバリーブラックレーベルのダッフルコートを買っていたことがあって「こいつ、カネ持っとるなあ~」と感心した記憶がある。(弟は衣料品業界の仕事ではなかった)

かく言う当方も生活費を切り詰めてはメンズビギやらタケオキクチやらのバーゲンで値下がり品をまとめ買いしていた。バーバリーブラックレーベルはほとんど値下がりしなかったのでカネ無しの当方は華麗にスルーしていた。

 

しかし、2010年代になると、そこまでする熱意は当方に無くなった。もちろん加齢による気力の低下もある。フリーランスになって数年間は窮乏したから金銭的余裕が無かったこともある。だが、それらを割り引いてもそういうブランド物に興味が無くなってしまった。

実際に2016年以降、ファッション専門学校で教えるようになって毎年生徒と接し続けてきたが、最新トレンドファッションや高額ブランドにこだわる生徒は少数派になっている。

「ユニクロ、ジーユーはちょっと・・・」という生徒は少なからずいるが、そういう生徒は同じくらいの価格の別のブランドを買っていることがほとんどである。

当方が興味を失っていることも手伝ってか、生徒の気性の移り変わり、業界外の人の気性の移り変わりがより顕著に感じられる。

 

ファッションの力とか、ファッションの高揚感を決して否定するものではないし、自分もそれは理解しているつもりではあるが、業界人や業界関係者が考えるほどにはマス層には届いていないのが実状だと考えている。大衆はファッション衣料よりもカネの使い道がほかにある。それは生活費かもしれないし、食費かもしれない。カフェ代かもしれないしガンプラ代かもしれない。ロードバイク代かもしれないし、フィットネスクラブ代かもしれない。インターネット関連や動画や音楽のサブスクかもしれない。

80年代・90年代と異なり、ファッション衣料品という分野はそれら多様化した支出先の一つに過ぎなくなったといえる。

ファッション衣料も趣味分野・嗜好分野の一つに過ぎなくなった。

極端に言えば、しめ縄と同じだ。飾らなくても構わないという人が増え、百均の220円物でも構わないという人も増える一方、飾らないという選択肢は無く百均物では粗末すぎるの800円台の物に戻そうと考えている当方もいる。ファッション衣料もそれと同じで、強い興味を持って強いコダワリを持つ人というのは、わざわざ百均物をやめて800円物に戻したいと考えている当方と同じくらい少数派になっているということである。

ユニクロ、しまむら、ジーユーほどではないがある程度のマス層に洋服を売りたいと思うなら、マス層は業界人が思っているほどには衣料品に興味やコダワリが無いという前提に立つべきだろう。

少数のコアなファンだけに売りたいのであれば、今のままでも良いだろう。

だが、80年代・90年代のように「本来のコア層に向けた衣料品(衣料品ブランド)がマス層にも響いて大ブームになる」という事態は今後、永遠に起こらないと考えてビジネスを組み立てる必要があると思う。

 

 

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高いしめ縄をどうぞ~

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 comment
  • BOCONON より: 2023/01/05(木) 7:33 PM

      白鳥は悲しからむよ海空の色に染まればそりや “青い鳥”
      
      牧水はアル中なれば正月の酒もしづかに飲むべくもなし

    明けましておめでとうございます。
    最近正月に注連飾りつけて走っているクルマなんてものも見ませんね。僕も年賀状は出さないし,節分の豆まきとか,鰯の頭にヒイラギの鬼除けとか,いつの間にやらやらなくなって久しい。吾ながら少しさびしい気がしないでもない。

    そんな事はともかく,昨日は初詣をかねて高尾山に登ってきました。
    ケーブルカー乗り場近くなどでひとの服装を見るともなく見ていると,まあびっくりするくらい全身真っ黒な服着た男が多い。あるいは上下黒で黒ジャケットの中に白Tだか白トレーナーだかを着たお若い人たちとか(そうでなければ奇天烈な極端にオーバーサイズの白コート着ていたり)。
    場所柄動きやすい格好 ≒ ジャージを着る人が多いのはまぁ分かると言えばわかるけれど,洋服好きとしては「やれやれ黒いジャージばかり…何だかもう,まだ正月気分が残っている時期なのに,行き帰りの電車の中見渡してもおおよそこんな塩梅で陰気な事この上ないね。モード系が好きなわけでもあるまいし,もうオシャレもファッションも何もないような有様だ。日本人は今年はますますカジュアルには毎度ズボラに黒と白ばかり制服あるいは作業着のように着て歩くようになるのじゃあるまいかね ...」と正月早々いささか情けない予想をせざるを得ない気分になった事でありました。
    関西はここまでヒドくはないかも知れない,と思いたいところですが・・・。

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