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南充浩 オフィシャルブログ

「ユニクロ値上げ報道」のその後の商品価格

2022年12月23日 売り場探訪 3

さて、クリスマスが迫ってきて、久しぶりのクリスマス寒波が襲来してようやく年末の雰囲気が醸し出されてきたように感じる。

ユニクロ、ジーユーでは12月16日から31日まで年末祭を開催しており、この間、さまざまな品番が値下げされたり、期間限定値下げされたりしている。

 

今秋から「ユニクロが値上げ」と盛んに報道された。当方のメンズ客視点からの感想をいうと「昨年までと大きく価格が変わったという印象は受けない」である。

さらにいうと、「ユニクロが値上げ」とマスゴミ マスコミは煽るように報道していたが、ユニクロというブランド(ジーユーも)の性格上、必ず値下げがあると考えていたから、実質ほとんど影響はないだろうと当初から予測していた。

そして、いざ、秋物がスタートしてみると、予想通り期間限定値下げが毎週行われ、値上げ品は以前の定価で売られるようになった。

値上がりした定価で買うのが嫌なら、期間限定値下げで買えばよいだけのことである。

さらにいうと一定期間を過ぎて売れ行きが悪ければ、ユニクロ、ジーユーとも必ず値下げする。これも今秋以降も変わっていない。在庫量との我慢比べみたいな感じだが、待てるなら待てばよいのである。

 

先日、このブログで秋口から数多くのインフルエンサー諸氏が口をそろえて褒めていて、実際に「物としては良くできている」スタジャンが3990円に値下がりしたので買ったということを書いたが、値下がりするまで待つというのはそういうことである。

で、今秋以降、特に12月に入ってからのユニクロの商品の値下げ(期間限定も含む)を見ていると、「値上げ報道」なんて全く感じられないでいる。

例えば、12月9日に発売されたユニクロとマルニのコラボ商品だが、2週間も経たない12月20日には、ダウン類とニット類は全品番値下げされていた。このコラボ商品も以前の+Jほどではないが、それなりにウェブ上・SNS上では取り上げられており、メディア関係者やインフルエンサー諸氏が数多くマルニ商品発売当日に紹介していた。

だが、10日あまり後にはダウン類とニット類は全て値下げされてしまった。

当方は、ユニクロというブランドの生産数量と、さらに「マルニ」というブランドのマス層への知名度の低さと合わせて考えると、2020年11月の+Jほどの早期完売はあり得ないだろうと見ていたが、まさにその通りで、店頭で完売した品番は当方の知る限りにおいてはない。

何も初日に焦って定価で買う必要などさらさらない。

 

今日、23日からは値上げが伝えられ定価が1万円を越えてしまったメンズのカシミヤセーターが期間限定で8990円に値下がりしている。この価格は値上げ前の定価よりも安い。

北国は除いて、東京を含んだ以西では11月は高気温の日が多く、防寒アウター類・防寒セーター類なんて着用したくても出来なかったので、カシミヤセーターを定価で買う必要性など全くなかった。また例年のユニクロ店頭の売れ行きを見ても、カシミヤセーターが定価で早い時期から売り切れるということなど一度もないので、値下がりするまで待てばよいのである。

値上げを散々騒がれたヒートテック肌着だって例年通りに期間限定値下げを繰り返している。11月末、何なら12月上旬までは気温が高かったのだから、ヒートテック肌着が必要不可欠という存在でもなかった。期間限定値下げまで待てば済む話である。

ハイブリッドダウンパーカもすでに期間限定ではなく、9990円にまで値下げされており、昨年の定価と同じである。

 

今回の各ブランドの値上げの理由は

1、原材料費の高騰の継続

2、燃料費の高騰

3、電気代・ガス代の高騰

4、海外工場の人件費の高騰

 

が主な原因であり、春以降の円安傾向がさらにその状況を強めたといえる。

で、ユニクロのメンズ衣料に関しては実際のところ、値下げと期間限定値下げによって、当方は体感ゼロだが、別の部分では顕在化していると感じた。

まず、数年前まで豊富に型数と数量があったヒートテック手袋の絞り込みと減産である。さらにいうなら、気軽な値下げがなくなりいまだに1990円の定価のままである。

コロナ前までは12月になったら990円に値下げされていた。

 

次に、ユニクロの最低値下げ価格が1990円で維持されている商品が増えた点である。

ユニクロとしては何としてでも最低でも1990円で売りたいという強い願望を感じさせられる。以前ならズボン類、シャツ類、一部セーター類は気軽に990円以下にまで値下げされていた。JWアンダーソンとのコラボの魚柄のウールセーターなんて最終的には500円にまで値下げされていた。もちろん、それを買った。

今年ユニクロで990円以下に値下げされたのはTシャツ類くらいである。1290円に値下げされたズボンすらほとんど記憶にはない。

 

これは秋以降も価格据え置きを発表したジーユーも同様でTシャツ類以外で990円以下に値下がりした商品が数えるほどしかない。2020年以前に比べるとジーユーの投げ売り値下げが格段に減っている。

 

他の分野もそうだが衣料品も全般的に値上がりしたことは間違いない。しかし、値上げしっぱなしのラグジュアリーブランドとユニクロやその他低価格ブランド、中間層(今は死語だが)に向けたファッションビルブランドやSPAブランド、百貨店ブランドの値上げは全く異なる。

もちろん値上げの背景自体は同じだが、結局は夏冬のバーゲンや定期的な値下げが必ず発生する低価格ブランド、ファッションビルブランドやSPAブランド、百貨店ブランドなどは不振アイテムは必ず値下げされる。特に生産数量が桁違いに多いユニクロが全品番が定価で完売することはあり得ないし、最大の販促手法として「値下げ」を多用するという売り方は変えようがないので、実際のところは待っていれば最低でも値上げ前の価格くらいでは買えるわけである。

業界メディアも含めて、報道側はその辺りまで分けて考えて報道や解説をする必要があるのではないだろうか。

 

 

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 comment
  • ハマオ より: 2022/12/23(金) 9:01 PM

    店頭を見ているとかなり型数とカラーskuを絞り込んでますね
    全く無駄なものがない 面白みがない
    いつものしかない感じですね
    メンズは
    過度な値引きの必要ないとの考えですね
    やはりユニクロは究極の単品やですね

    しかしレディースは在庫が捌ききれないから
    500円とかよくみますね
    一つの品番で50枚近くラックにかかっていて
    女性が買いたいと思っているんですよね
    経営の方たちは
    決してユニクロはブランドではないですし
    ファッションでもないですね
    あくまでも店であって
    服 工業製品ですね

  • BOCONON より: 2022/12/24(土) 1:26 PM

    嫌味に聞こえるかも知れないけれど,バブル時代以前を知っていて,女房子供もクルマも持たず,実家で(おぞましい事に)母親と二人暮らしの人間としては,ユニクロで買い物するのに値札なんてろくに見たことがありませんね。「たとえばワイシャツは5,000円以下,スーツは5万円以下ではまともなものは買えない」「それに比べたらしまむらやユニクロは信じられないくらい安い」と云った感覚が抜けないので。「たとえ本当に値上がりしていたとしても,しょせんユニクロだもの,たかが知れていらぁ」てなもんで。

    しかし値上げなんぞしなくってもお若い人たちからは「最近ユニクロも高い」「もう中高年しか買えない」という声を,すでに2,3年前からネットでは時々見かける。
         ↓
    https://eagle.5ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1670960727/

    https://nanjnomori.blog.jp/archives/8806288.html

    「パンツ1本3,000円もするんじゃ高くて買えない」「部屋着のスエットは980円くらいでないと」とか,悪いけどどうにも貧乏くせえな,という気がしてしまう。南さんの「ユニクロなんざ値下がりしてから買えばいいだろ」ってアドヴァイスがこういう人たちに届くと良いのですが,少なからぬいたいけな少年青年たちはユニクロの定価見ただけでビビッてしまうようで,何だかもう可哀想になってしまうな。彼らにとってはもうユニクロより GU の時代になりつつある気もする。実際街を歩いていると,明らかに全身 GU らしき格好をしている男子をよく見るし。

    まあ非正規雇用だらけ,増税しか頭にないような政府ではこの先好景気や給与UPは望めないから,たとえ小金持ちでも自衛手段として「普段着なんてユニクロまたは しまむらで買ったものでたくさん」て事になるのも無理はない。
    僕も遠からず乏しい年金と親の遺産で暮らさなきゃならなくなるだろうから,ユニクロ/GU生活に慣れておかないとな・・・と思う今日この頃なのでありました。

  • 独身者 より: 2022/12/28(水) 10:59 AM

    マスコミも分かっているのだけど、目を引くニュースを書かない訳にも行かず、ユニクロを出汁に使ってる気もしますね。それはそうと当方所有の服が増え過ぎた事もあり、年々ショボい感の増すユニクロ服には関心が薄れました(笑)

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