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南充浩 オフィシャルブログ

「嘘表記」が横行するダウン商品とレザー商品

2022年11月21日 商品比較 2

「ダウン」「レザー」あたりは商品名やメディアが掲載するプレスリリース、ネット通販の組成表記などが信用しにくい最右翼の素材名だろう。

実にエー加減な表記が多い。

それが得体の知れない怪しげなブランドなら「さもありなん」と納得できるが、そこそこ名の通ったブランドや企業でさえ、実にエー加減な表記が横行している。

直近の例でいえばこれ。

ファミリーマート/「コンビニエンスダウン」緊急需要だけではない顧客開拓へ

ファミリーマートは11月22日、「コンビニエンスダウン」(税込み6990円、M・L)を東京都の約90店舗で発売する。

中綿には動物愛護の観点から水鳥の羽毛ではなく、伊藤忠商事のサステナブルなリサイクルポリエステル「RENU」を使用しクラボウが羽毛形状を研究して開発をした素材「AIR FLAKE」を採用した。

 

とある。

おまけに商品画像でもパッケージにはしっかりと「中綿 ポリエステル100%」と印刷されている。

 

 

ハッキリというと、これは「ダウンジャケット」ではない。単なる合繊中綿ジャケットに過ぎない。

 

保温性や軽量性は恐らく本物のダウンとはあまり変わらないのだろうと考えられるが、だからと言って「ダウン」と名乗るのはいかがなものか。

今回のファミリーマートに限らず「ダウン」を商品名に冠した合繊中綿ジャケットは珍しくない。「エアコンダウン」とか「テックダウン」とかその手の名称を冠した商品は、ドットエスティなどの大手上場企業にも溢れている。それで成分表示を見てみると「中綿ポリエステル100%」となっている。

「紛らわしい名称付けんなよ」って感想しかない。

ダウンとフェザーを合繊中綿にブレンドしているワークマンの「フュージョンダウン」がその中では最も誠実なネーミングだといえる。

ただ、ドットエスティや今回のファミリーマートなど大手企業は成分表記は正直で「ポリエステル100%」と明記されているところがせめてもの救いだが、ネット通販サイトに溢れている得体の知れない有象無象ブランドの多くは成分表記さえまともには無い場合がある。

その辺り、ユニクロ・ジーユーはまだまともで、ダウンが入っていない中綿ブルゾンには「パテッドジャケット」とか「パファージャケット」という名称で展開しており、その点は流石だといえる。

このダウンが入っていないダウンジャケットの話題になると、必ず「あの形状のブルゾンがダウンジャケットだと思っていました」という人が登場するのだが、繊維・衣料品業界が広く教育活動すべきだということを痛感してしまう。

で、今回のファミリーマートの「コンビニエンス中綿ブルゾン」は定価6900円なのだが、ユニクロのウルトラライトダウンを6990円で買った方がマシではないかと思う。

また膨らみ感はユニクロよりも若干劣ると感じられる(店頭で実物を触った感想)が、無印良品の軽量ノーカラーダウンジャケットなら4990円だし、軽量スタンドカラーダウンジャケットなら5990円なので、ユニクロよりも安い。もちろんファミリーマートの「コンビニエンス中綿ジャケット」よりも安い。

当方なら間違いなく今秋は無印良品の軽量ダウンジャケットを買う。

 

ダウンに関しては「あの形状がダウンジャケットだと思っていた」という人が少なからずいるので、百歩譲って仕方がない部分もある(一歩も譲る気はないが)のかもしれないが、レザー(革)になるともっとひどい。

レザー、本革と表記されている低価格品の多くは合皮である。合皮と本革の区別がつかない人もいるのだろうが、明らかに優良誤認を狙っているとしか思えない。

で、低価格レザー商品を扱っているネット通販業者は得体の知れない企業が多いから、成分表記もまともには書かれていないので確認のやりようがない。

 

長年使っていた食料品購入用の小銭入れがついに寿命を迎えてしまった。今年9月のことだ。

どうせスーパー万代で食料品を購入するときにしか使わない小銭入れなので、高額品を買う気はさらさらなかった。Amazonは動画を見る習慣がないので、プライム会員にはなっていないので、2000円未満では送料がかかってしまう。スーパー万代用の小銭入れに2000円を費やすつもりは全くなかったので、Amazonで買う気もなかった。

そこで、Yahoo!ショッピングで「送料無料」を検索してみると640円の小銭入れがあった。しかも「本革」と書いてある。「640円で本革ならすごい話だよな」「本革だったら儲けもの)と思いながらポチってみた。

数日後到着した小銭入れは見事に合皮だった。(笑)

 

 

皮革に関しては素人である当方が見て触っただけでも合皮とわかってしまうほどの合皮である。

まあ、しかし640円なので全然惜しくも何ともないので、その日からスーパー万代で食料品を買う際に使用しており、何の不都合もない。

当方は用途に応じて財布を分けて使っているので、あと2つくらい色違いで買って用途に応じて使い分けようかと思っているほどである。

 

この手の「嘘表記」が溢れる理由としては

1、売り手側・作り手側が無知

2、優良誤認を狙っている

3、消費者の心証を良くしたい

の3点のいずれか、もしくは3点が混ざり合った結果だと考えられるのではないだろうか。「心証を良くしたい」という売り手側・作り手側の欲求を安易に認めてはいけないことが理解できるだろう。だから「過度に盛った」発表を容認すべきではないのである。

 

640円の合皮小銭入れは何もわざわざ「本革」を偽装する必要は端からなかったのではないかと思う。「合皮で640円の安い小銭入れやで」と表記して売った方が納得して買ってくれる人が増えるのではないだろうか。そんなわけで当方は640円の合皮小銭入れをいくつか買い足して使いたいと思う。(笑)

 

SERVICE

無印良品の4990円の軽量ノーカラーダウンジャケットをどうぞ~

 comment
  • BOCONON より: 2022/11/21(月) 8:44 PM

    今回の記事を拝読してちょっと心配になったので,一昨年買った “ハッシュパピー” ブランドの薄手のダウン(と思い込んでいた)ジャケットのタグを確認してみたら「中綿:ポリエステル100%」と書いてあった。アジャパー。
    まあ「ダウンジャケット」と称して売っていたわけでもないから文句も言えないし特に寒くはないし,見た目重視で言えばモコモコダウンより良いと思うので買って損したとも思いませんが。「割と安かったし,街着にするならカナダグースやモンクレールなんてオーバースペックなダウンジャケットよりむしろいいような気もする」と思う。

    ついでに昔百貨店で買ったダウンジャケットを2,3点調べてみたらどれも「ダウン80 0r 90%」で残りはフェザーでした。よほどダウン100%というのは高くつくと見えるw 最近特に南さんが以前お書きになっていた通り品薄で高価なようですね。

    今日行ったしまむらでは “プレミアム・ダウンジャケット” というのを前面推ししてました。これもごく薄手のダウンジャケット or コートで「別にダウンじゃなくてもいいんじゃねえの?」と思った。世の中「カシミヤ」とか「本革」と言うと目の色変える人もいるけれど,そういう人の気持ちはどうもよくわからない。
    GU で売っていた革靴風の茶ローファーを僕は普段履きに愛用しているのだけれど,最近 本革にしたそうで,でもそのせいで何だかむしろ安っぽい感じになった気がします。確かになんでも原材料にお金かかっていて高価なものならいいってもんじゃないですね。ルイ・ヴィトンのビニールの鞄も…いや持ったことがないので知らないけど。

  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/11/22(火) 10:04 AM

    「作り手もとい企画屋」と「買い手もとい普通の人」 

    の距離がすご~く離れているのに気づいていませんなぁ・・・

    優良誤認ねらいで企画屋は「レザー」を連呼しますが
    買い手はレザーなる言葉に付加価値があると思っていません

    「摩擦および湿気による負荷必ず発生する環境下で
     薄手でも、内容物が保護できる素材」

    をふつうの人は求めているのであって
    「レザー」を求めている訳ではありません

    加えて、ペールカラーとフラットな質感があれば良い
    となりますが、今は天然素材でなくてもクリア可能

    私が気になるのは、この手のカン違いをする企画屋は
    フェイクレザーの中でも低グレードの物を使いがちな点

    80年代のフリースレベルの粗悪素材を使った
    ノベルティーの疑似革小物を未だによく目にします

    ポリと違ってフェイクレザーは安ければ安いほど
    物が悪くなります

    エクセーヌのようにトップクラスの物であれば
    天然皮革よりもはるかに機能性・美観は高いです

    ただ加工に次ぐ加工をしないといけないのが
    フェイクレザー

    ポリのような極端な低価格化と高品質化の
    同時進行はムツカシイと思われます

    したがって天然皮革の需要はウールや綿糸ほど
    極端に減退しない筈です

    最高級レベルのフェイクレザー使用シューズの
    上代は、2万~となっています

    高品質な疑似皮革は、中級グレードの天然皮革より
    よっぽど高くつきますよ

    底も同様で、最新鋭の合成底と革底だと
    素材だけでは革底のほうが安上がりです
    ただ、底は厚いから、工賃がね・・・

    素材を造る過程で織ったあと整理する工程と
    出来上がった素材を裁断・縫製して製品にする工程で
    どれだけコストがかかるかを勘定して
    製品を企画する必要がありますな

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