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南充浩 オフィシャルブログ

高品質の基準ではない

2014年6月24日 未分類 0

 汗っかきの筆者にとって、夏の愛用アイテムは無印良品の「汗じみしにくいTシャツ」である。
けっこう汗をかいても、それがTシャツ表面にはなかなか浮かんでこないという優れものである。

2年くらいまえにボーダー柄のを2枚購入したが、具合がよかったので昨年、無地Vネックを購入した。
今年は、すでに1050円(税込)に値下げされていた無地クルーネックを1枚購入した。
残念ながら今年はボーダー柄は廃止されてしまったようだ。

写真4

(今年購入したクルーネック)

汗のことで話を続けると、黒や紺のTシャツだと、汗が乾いたあとが白く残るものと残らないものがある。
あれはどういう差があるのだろう?いまだに解明できていない。だれかご存知の方がおられたらお教えいただきたい。
無印の「汗じみしにくいTシャツ」はもちろん、白く残らない。
そういう意味でも重宝している。

どうして汗じみしないのかというと、タグには「汗じみを抑える加工を施しました」と書いてある。
なるほど。

ところで、気になるのはこのTシャツがオーガニックコットン100%で製造されているところである。

オーガニックコットンとは、無農薬で化学肥料を使わず育てた綿花のことである。
土壌汚染をこれ以上広げないというための社会運動といえる。
一種の自然環境保護運動ともいえる。

ときどき、肌荒れに効くとか肌荒れしにくいという声を聴くが、そういう科学的データは存在していない。
ただ、そういう効果を感じる方もおられるのは事実である。

自然栽培されているから肌荒れに効果があるという意見もある。

これまでのオーガニックコットン製品といえば、綿花そのものの色合いである生成りがベースで、そこに草木染を施したものが主流だった。
そういう天然成分のみだから肌荒れに効果があるのかもしれない。

近年、黒や紺などの濃色や、すごく明るい色合いに着色したオーガニックコットン製品がある。
この無印のTシャツのように何らかの加工を施した製品もある。

濃色や明るい色合いに染色するためには化学物質を大量に含んだ染料を使用しなくてはならない。
また加工を施すには何らかの化学物質を用いなくてはならない。

こうなると、本来のオーガニックコットンの意味はほとんどなくなる。
化学薬品を使用するのであれば、通常栽培の綿花を使用してもなんら変わらない。

消費者の中には、化学薬品を嫌ってオーガニックコットンを求める方もおられるが、濃色やカラフルに染色されたオーガニックコットン生地は化学薬品を含んでいることをご理解いただいた方が良いだろう。
また、何らかの加工を施されたものも同様である。
そういう方は天然草木染のオーガニックコットン製品をご使用いただいた方が良い。

一方、土壌を守るためには、加工法がどうであれオーガニックコットンを普及させた方が良いという考え方もある。
これもその通りである。

収穫後に化学染料で染色されようが、化学的加工を施されようが、オーガニックコットン栽培が広まればそれだけ土壌汚染は少なくなる。

濃色やカラフルに染色することでファッション用途が広がり、オーガニックコットン栽培が増えれば良いという考え方は否定されるべきではないだろう。

ただ、「肌に優しい」ことを目当てにオーガニックコットン製品をお求めの方には、濃色や明色のオーガニックコットン製品、〇〇加工を施したオーガニックコットン製品はオススメできない。
化学物質使用という点では通常栽培のコットン商品と何も変わらない。

それにしてもオーガニックコットンを巡る問題は難しい。

いえることは「オーガニックコットン使用」という表記は決して「高品質の基準」ではないということである。

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