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南充浩 オフィシャルブログ

リアル店舗でのバーゲン後倒しって意味あるの?

2014年6月20日 未分類 0

 「今日からオンライン通販でサマーセール開始」という案内メールが何通か来た。

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今夏のセール開催時期はバラける傾向にある。
正月と重なる冬セールと異なり、夏セールは毎年分散するし、毎年さほど盛り上がらない。

アウトレットモールは6月の初旬から夏セールを開催するところが多い。
しかし、アウトレットモールで「バーゲンセール」というのもイマイチ意味不明である。
もともとは、サンプル品、過剰在庫品、B品などを定価よりもはるかに安く販売するのがアウトレットである。そのアウトレットに「夏のバーゲン」「冬のバーゲン」が存在すること自体が奇妙である。

実際のところ、現在のアウトレットモールは、アウトレットモール風の郊外型ショッピングセンターとなっているから、そんなもんである。

そのほかのファッションビルや百貨店などの商業施設は6月21日以降に開始するところがほとんどだ。
ルミネと三越伊勢丹は例によって7月中旬くらいから遅めのスタートとなる。

でもルミネはインターネット通販サイト、アイルミネでリアル店舗よりも先駆けてバーゲンを開始する。
なんだそりゃ?

自らセールを後倒ししておいて、自社サイトでは先行バーゲンを開始する。
いつも建前だけを取り繕うようなルミネのやり方は本当に好きになれない。

まだ三越伊勢丹の方が筋が通っていると感じる。
その三越伊勢丹も今夏以降縮小が決まっているJR大阪三越伊勢丹では、5月ごろから早々に売り尽くしセールを開始しているが、まあ仕方のない範疇だといえるだろう。

で、セール開始時期で毎回散々揉めるのだが、各ブランドの通販サイトではセールは先行開始されるのが通例となってきた。
今回だと今日からだ。

リアル店舗でのセール開始時期を後倒ししようという三越伊勢丹の主張の意味は理解できなくはない。
(繰り返すがルミネの取ってつけたような対応は毎回理解できない)

それに対して賛同する方々がいることも理解できる。

けれども商業施設に入っているようなブランドがオンライン通販ではかなり前倒しでバーゲンを開始する。

こうなると、リアル店舗でセール後倒しをする意味があるのかと感じてしまう。

施設側、ブランド側のエライサンは「全員がネットをやっているわけではない」と考えているのかもしれないが、これだけスマホやタブレット端末が広がっているならほとんどの人間はネットをやっていると考えた方が適切ではないか。

先日、電車に60代と思われるご婦人方のグループが乗ってこられた。
にぎやかだったので会話の内容は嫌でも耳に飛び込んでくる。
食事会だか旅行だかにみんなで出かけられるようだ。
しかし、店などの予約は全部インターネットで行ったのだそうだ。

アパレル業界のエライサンたちは「50代以上のミセスはインターネットをあまりしない」と考えている節があるが、現実では60代の専業主婦と思われる人々でさえ、インターネットで店の予約をしている。
アパレル業界のエライサンよりインターネットを使いこなしている。
だからたとえ60代以上のミセス向けブランドといえども、ホームページくらいは所有すべきなのである。

インターネットで出た情報は全年代に拡散していると考えた方が良いのではないか。

となると、ネットで先行バーゲンを行えば、ほとんどの消費者に知られているのが実情ではないだろうか。

しかも実際のところ、有力ブランドの路面店ですら5月下旬くらいから「店内一部30~50%オフ」という貼り紙をしている。

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これを見ても商業施設がセール開始時期を固定化したり後倒しを画策するのは実情とは合わなくなってきていると感じる。

バーゲンが早まることで定価販売比率が下がり、利益が圧迫されるという主張は理解できる。
だからといって、実情にそぐわなくなってきていることを続けていても意味がない。

ユニクロのように大量生産し、半年かけて売り減らすビジネスモデルを一般的なアパレルは選択できない。

鮮度を保つために多品種小ロットで新製品を逐次投入するほかない。
(小ロットといえども1型100枚くらいの生産量は最低でも必要だが)

ならZARAのように店頭入荷後、一定期間経過後は順次自動的にマークダウンしていくという方式の方が良いのではないか。
ZARAは多品種小ロット生産で、売り切るスタイルである。
待っていれば値段が下がるかもしれないが、定価のままで売り切れる可能性もある。何しろ1店舗あたりの投入枚数は少ないし、よほどの定番品でない限り再入荷もしない。
それでも売れ残った商品は自動的に順次値下げされてゆく。

この方式ならセール待ちによって定価販売比率が下がる危険性も少ない。

でもまあ、これまでの業界体質を見ていると半永久的に変わらないのだろうなあとも思う。
何しろ根っから保守的な業界だから。
それとも高度経済成長からバブル崩壊までの成功体験が強烈すぎたのだろうか。

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