
SHEIN心斎橋期間限定店に入店した感想をまとめてみた
2022年11月4日 売り場探訪 6
生来、人ごみにまみれることと行列に長時間並ぶことが嫌いである。5分や10分程度は並ぶが20分を越えて並ぶことは我慢できない。
そんなわけでSHEIN心斎橋期間限定店への入店を後回しにしていたのだが、11月2日の夕方5時頃に店の前をたまたま通りかかると、入店待ちの行列ができていないどころか、かなり空いていた。そこで急遽入店してみた。
今回は、話題先行のSHEIN心斎橋期間限定店に入店した感想と、実際に商品を手に取った感想をまとめたいと思う。
11月13日には東京に常設店もオープンするとの報道である。
まず、入店してみて驚いたのが驚くほど売り場面積が小さいということである。
ユニクロ心斎橋店の地上1階を使っているが、実際に使用している面積はその半分程度である。当方は測量技師ではないから正確な広さはわからないが、ざっと見た感じ使用している部分は半分弱である。
まず、入り口から入る。この建物のフロアというのは、横長長方形ではなく、縦横ともに広い正方形か、縦長の長方形である。そのため、フロアの奥行きはけっこう広いのだが、入るとだいたい中間地点くらいまでは何もなく、「SHEIN」と書いたデカイロゴオブジェが並んでいるだけで、このオブジェの向こう側に売り場がある。
この時点でだいたい半分は何もないスペースである。
売り場というかショールーミング用展示場は、意外と陳列量が少なくスカスカの印象である。
通常の売り場ではなく、ショールーミング用(試着など)なので、1型当たりの売り場枚数は少ない。その場で売るわけではないから試着用に1型あたり各サイズ1枚ずつあれば十分である。
そのため、陳列量は少なくならざるを得ないのだが、シーインの商品バリエーションの多さや、各メディアの期間限定店オープン当日の報道を見ていると、これほど小ぢんまりとした売り場だとは到底想像できなかった。メディアは持ち上げるだけでなく、この小ぢんまりさも報道すべきである。印象操作の一環とも受け取れてしまう。
こんなに小ぢんまりとしているなら、たしかに入場制限をしないと恐ろしいほどの人口密度となってしまう。入り口に長蛇の列ができていたのは、シーイン人気という要素以外に売り場が小ぢんまりしているための入場制限という要素も大いにあったと考えられる。
次に、商品を初めて手に取って見たが、一言で言うなら
「お値段相応のチープさ」
である。それ以外の感想はない。
全型はさすがに手に取って見ていないが、手に取って見た範囲の商品は全て「ザ・チープ」であった。ZARAと違って縫製不良は見つけられなかったが、当方が気になったのは、生地のチープさである。これほどチープな生地で作られた服を国内の売り場では見たことがないほどだ。
ちょうど季節柄かメルトンぽい的な何かみたいな生地、ベロア、コーデュロイっぽい的な何かみたいな生地。が多かったのだが、どれも全て合繊100%である。
最近はウール原料の値上がりが続いており、アダストリアレベルのブランドでは、メルトンと言っても「ほぼポリエステル」とか「ポリエステル100%」が増えているが、それでも国内のブランドの多くは、ポリエステル特有のギラつきを消して遠目から見るとウールっぽい表面感になった生地を使用している。
しかし、シーインが使っている生地は合繊特有のギラつき感丸出しで、遠目から見ても明らかに合繊の塊である。おまけに生地はどれも薄い。
典型的な安い生地である。ベロアしかりコーデュロイっぽい的な何かみたいな生地も同様である。
あと、長袖Tシャツやトレーナーっぽい物もだいたいが合繊高混率なのだが、これがまた現在流行っているダンボールニットではなく、綿花の使用量をケチるために合繊を混ぜた天竺や裏毛っぽい的な何かみたいな生地で、これも典型的な低価格生地である。
フェイクファーはファーのフェイクというより、ダスキンのフロア用モップみたいな質感である。
たしかに商品のデザイン自体は若い女性が好みそうなものが多く、ジーユーには少ない。強いて例えるなら少し前のマルキューブランドみたいなテイスト商品だといえる。思いっきり素材をチープにしたマルキューブランドという例えが最もわかりやすいのではないかと思う。
正直なところ、二度と見に行きたいとは思わないし、商品を買ってみようとも思わなくなった。通常、ネット通販専用ブランドの実店舗は、商品の実物を見てもらって試着することでネット通販をさらに売れやすくする目的があるが、シーインに限って言えば、実店舗を見た方がネット通販で買う気が無くなる人が多いのではないかと思う。
店内滞在時間は10分程度だった。もうそれ以上、見るべきものは無かった。商品に関して言えば、旧フォーエバー21未満のクオリティである。
で、このシーインの店と商品を見た感想だが、旧フォーエバー21にしろ、このシーインにしろ、北米で売上高が好調ということは、
1、北米には「安かったら何でもええんや」という人間が相当数いるということ
2、北米市場で低価格品を売るにはこの程度のクオリティで十分ということ
3、北米で大量に売るには安さとプロモーションが最重要で品質はほとんど考慮しなくてよい
ということではないか。
シーインなんてまさに安さとプロモーションの勝利だし、旧フォーエバー21も同様だ。
現在、国内市場の不振で海外へ活路を見出そうとするブランドが多いが、リーズナブルな価格帯で狙うなら、国内ブランドの今のスタンスでは北米市場においては無駄にオーバークオリティではないかと考えられる。クオリティはシーインレベルにまで下げてその浮いた資金でプロモーションを強化するのが正解なのではないか。
国内ブランドのみなさまは
「じゃあ高級ゾーンで勝負」
と言いたいかもしれないが、高級ゾーンはどうせ欧州ラグジュアリーブランドや米国高級ブランドしか売れないだろうから、そこに食い込むには何年間もの時間が必要となる。
恐らくは欧州も同様で、そうでなければプライマークなんてブランドが売れるはずもない。
個人的にシーインを見て勉強になったことは、海外の低価格ブランドというのはこの程度の品質で十分だということである。
海外進出を考える国内ブランドはあの粗雑な商品を見て、戦略を練り直すべきである。
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そんなお値段相応のシーインの商品をどうぞ~
comment
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南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/11/06(日) 8:33 PM
>国内市場の不振で海外へ活路を見出そうとするブランドが多いが
これ、ホントですか?まだそんなブランドがあるんだ・・・
ここでも旧来のMade in Japan固定概念がジャマをします
日本製は高品質のあかし~というヤツです
んで無茶なネダンに上代設定して
玉砕したテストトケースは数知れず、です日本製にはステイタス的価値・プレミアムの価値は
もとからありませんガイジンのお客さんはニトリのいう「お値段以上」だから
日本製品(正確には日本ネームの物)を買っていたに過ぎない代表例が自動車やテレビでしょう
北米の低所得者市場が求めるクオリティがアレレベルで
ある以上、日本人が「お値段以上」の物を作って訴求しても
違法移民第一世代やトラッシュ系の白人には響かないでしょうかといって北米のミドル層は上昇志向が異様に強いから
アッパークラス臭を漂わせたブランドに弱い
したがって「お値段以上」なんてビンボ臭く思われるだけですトヨタネームのクラウンじゃなくて
別ネームのレクサスにしないとダメな世界なんですよしたがって北米のマス層に響く物作りは
日本人には不可能という結論になりますビンボー人もミドルも金持ちも
浪費してナンボの国ですから
日本人的マジメさで物作っても
服だと余計ビンボ臭くなっちゃう -
南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/11/07(月) 11:33 AM
香ばしいのが沸いてきましたけど、新手のステマですかww
人が書いたものをよく読みましょう。南サンの履歴は
・10代は親が買い与えたGMSのくそダサい服
・大学の時はときどきMA1やリーバイスを味見
・業界入りしてからはDCブランドをいろいろ経験と書いてあるでしょうがwww
それで行き着いた先がGUウニクロメインという訳
上代10万20万の服を身を以って知ってるんですよ
けど今は同じ内容のものがせいぜい5せんえんで買える
いっぽう今10万の服は販管費が半分以上になって
物としてはアレレという感じ文面もなんだか怪しいし、アチラの人なのかな???
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キムゴンウ より: 2022/11/07(月) 11:48 AM
匿名をいいことに
品性下劣な書き込みをするのはどうだろうか?
>初老男性が洋服のウンチクを語りながら、GUセール品の購入を嬉々として語るかとが醍醐味だと感じていたので、中華ブランドをそんなに蔑むのは、ファンとしては悲しいです。
なにが言いたいのだろうか
この方は? -
あ より: 2022/11/10(木) 12:00 PM
最初の方の仰る通りで普段ファストブランドのセール品ばっかり漁ってる人が言ってもね。昔は高い物も買ってたっていうがそれは只のヘッジトークでしょ。本人が言ってるだけだし。この人のブログは安物買いの銭失いを体現してるだけだし貧すれば鈍するとはこの事。
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南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/11/14(月) 10:11 AM
いろいろご苦労さまです>HNまで手抜きな人w
びーちくやショーツが透けててもへーきなのが
トラッシュ系や違法移民第1世代彼らに合うのがまさにSHEIN!
日本人にはどうみても無理なモノ作りです
開拓の余地があるのは、耐久性や実用性が
要求される制服関係じゃないのかな?肌がかぶれた、しゃがんだら・背伸びしたら
破れたというのがアメリカのユニフォーム業界です
(それもCAの制服でw)日本人には実用性の裏付けがあるモノづくりしか
出来ないと思います
はじめてコメントします。
生地の組成ガー、生産背景ガー、川上ガー、と語りながら、ユニクロとGUのセール品しか購入しない自称業界人wwwのブログを、色々な意味で楽しみにしてきましたが、今日の記事は気持ちか辛くなってしまい、コメントさせていただきます。
消費者としては、ご自身の感覚を一般的な感覚! と捉えておきながら、洋服の生産関連に関しては、自分は玄人! と断言されている記事が多いなかで、当記事はその集大成ですね!
中々凡人が辿り着ける境地ではないとお見受け致します。
中華ブランドに対して、安っぽい生地、などと、どの口が言っているのでしょうか? GUセール品と比較して語っているのでしたら、どんなプロレタリアブログなんでしょうか! これが業界人wwwクオリティなのだとしたら、ファッション業界、というもの自体が滑稽ですね。
例えば、外食業界に、チェーン店の牛丼しか食べないのに、生産背景ガー、と語る業界人はいないからです。あ、牛丼にはセールがないから、まだマシでしょうかね。
また、行列や店内の狭さについて、印象操作だ! と弾劾されていましたが、ご自身の理解力をまずは客観的に判断されてはいかがでしょうか?
初老男性が洋服のウンチクを語りながら、GUセール品の購入を嬉々として語るかとが醍醐味だと感じていたので、中華ブランドをそんなに蔑むのは、ファンとしては悲しいです。