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南充浩 オフィシャルブログ

ジーユーとユニクロがあれば事足りるということを象徴したファッションビルの改装

2022年10月31日 売り場探訪 3

10月28日、我がホームグラウンドと言っても過言ではない大阪・天王寺にあるファッションビル「天王寺MIO」の5階に西日本最大級のジーユーがオープンした。

ジーユー/大阪・天王寺MIOに関西最大級の店舗オープン

 

だいたい520坪くらいあるので実際に行ってみるとかなりの広さがあった。

まだシーインの心斎橋ポップアップストアには入店したことがないが、天王寺MIOなら並ばずに入れるのでオープン当日の夕方覗いてみた。

 

以前にもこのブログで書いたが、天王寺MIOの5階というのは元々はメンズフロアで、94年のオープン当初はDCブランド系を集積していた。中には現アダストリアの「ポイント」(その後レイジブルーへ変更)やシーズメンの「メソッド」なんていうジーンズカジュアル系ショップも混じっていたが。

メンズビギとかテットオムとかアトリエサブとかコムサ・デ・モードメンとかミツミネとかが入っていて、プチプラブランドなんて存在していなかったので、そういうブランド店のバーゲンで商品を買っていた。バーゲンで6万円に値下がりしたスーツを買ったのも天王寺MIOである。そういえば、今は亡きブルーウェイの直営セレクトショップ「ノーシーズン」もここに入っていた。

その後、テナントはいろいろと入れ替わって、トルネードマートが入っていた時期もあったし、ダファーオブセントジョージが入っていた時期もあったし、最末期にはストララッジョも入っていた。どんなに顔ぶれが変わってもレイジブルーとメソッドは残り続けていたから不思議である。

そんな思い出深い、当方とは28年来の付き合いのある天王寺MIO5階だったが、今年夏にスーツのオンリーとバッグ屋とセンスオブプレイスの3店舗を除いてすべて閉店してしまい改装に入った。

改装後はジーユーが入店することが発表されていたが、そのことは以前にもこのブログで書いたが、そのうちに「西日本最大級のジーユー」ということが発表されたため、残留を決めた3店舗以外のスペースはすべてジーユーになってしまうことが分かった。

さて、これがオープン後のフロアマップである。

フロアの3分の2がジーユーで残りはセンスオブプレイス、オンリー、バギーポート(バッグ屋)である。

 

 

オープン当初に比べるとすさまじい変貌ぶりである。

 

さて、この天王寺MIOのメンズフロアの大胆なリニューアルは様々なことを我々に示唆してくれていると感じる。

まず言えることは

 

カジュアルはジーユー(もしくはユニクロ)があればそれで十分。あとはそれ以外にもう1ブランドあれば良い。メンズスーツはオンリーで十分。

 

ということである。

カジュアルにしろスーツにしろ、マス層に訴求しマス層が喜ぶのは低価格帯ブランドしかないということであり、そしてメインはジーユー(またはユニクロ)があればそれで事足りると施設側は考えているということになるが、当方自身の購買行動と照らし合わせると、それで十分だと消費者側としてもいえる。ちなみにユニクロは隣接する「あべのキューズモール」に超大型店が入店している。

今回の場合はジーユーへの補完としてアーバンリサーチの低価格ブランド「センスオブプレイス」を導入している。

 

当日、センスオブプレイスにも立ち寄ってみたが、これまでMIOは店が隣り合う場合、数十センチの通路を開けていて「別の店ですよ」ということを示唆していたが、今回の改装ではジーユーとセンスオブプレイスの間にその通路は無く、わずかに万引き防止の電子ゲートがあるだけなので、まるで合同店舗かのように感じられてしまう。

センスオブプレイスは、以前よりも少し値段が上がっているようで、全体的にユニクロの定価から500~1万円くらい高い感じがあった。ただ、ユニクロとジーユーには無い色使いやデザインの商品が多く、ジーユー、ユニクロに飽きてきた人にはアクセントになるだろう。

そんな当方もジーユーでは何も買わなかったが、センスオブプレイスでは半額の2695円に値下がりしていたポリエステル・レーヨンの蛍光イエローのカーディガンを衝動買いしてしまった。

 

 

 

次に言えることは、

 

2010年代半ば以降の既存ブランド店の売れ行きが悪すぎてジーユー大型店の導入に踏み切らざるを得なかったのではないか。

 

ということである。

なぜなら、当方も2010年半ば以降はMIOの5階で服を買わなくなった。わずかにレイジブルーをたまに除く程度だった。理由は導入されているテナントの商品は値段が高い割に魅力が無くなっていたからだ。というよりもこれは業界全体にも通じることではないかと思うが、百貨店向けブランドやファッションビル向けブランドに90年代後半ほどのオリジナリティが無くなっており、現在だとユニクロかジーユーの商品で十分という感じになっている。人間は飽きる動物だから、ユニクロとジーユーだけでは飽きるが、その補完品としてはアダストリアの各ブランドやセンスオブプレイスあたりで十分ということになる。

MIO5階に何度も立ち寄ってはみたがいつも閑散としていたので、相当に売れ行きは悪かったのではないかと思う。バーゲン時にはフロアが超満員だった2000年代までが幻のようである。

 

オープン当日の夕方、ジーユーはごった返してレジに行列ができていた。実店舗の無いブランドなら満員になることも理解できるが、ジーユーの店舗なんて自宅の近くや職場・学校への道の途中にもふんだんにあるのに、なぜ、レジに行列ができるほど混雑するのか甚だ理解に苦しむ。もちろんMIOのジーユーは超大型店なので超大型店限定商品が並んでいたり、オープン記念のノベルティグッズがもらえたりするが、それでも混雑する理由は分からない。なんなら、隣接する「あべのキューズモール」にも中型店のジーユーがあるにもかかわらずだ。

 

レディースはユニクロ、ジーユーのみでは満足できない人もそれなりに存在するのかもしれないが、元々アイテムの種類が少なかったメンズではユニクロとジーユーがあればほとんど事足り、それ以外は補完するブランドがいくつかあれば済むという構図が出来上がってしまっていると感じる。それをまさに象徴したのが天王寺MIO5階のフロア構成だといえる。

恐らく、当方のこの見立てに強い反発を覚える業界人も多々おられるとは思うが、単なる懐古主義やファッション至上主義だけではこの構図を崩すことはできない。現実を直視した上で対策を練ることが必要不可欠になるだろう。

 

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 comment
  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/10/31(月) 2:09 PM

    >UR低価格レーベルはGUウニクロに飽きた人間のアクセント

    さすが大阪人。値頃に厳しい南サンです

    都内だとやはりビームスかシップスになるかな
    レディスだとスタジオクリップあたり

    セール品だけ攻めるかどうかにもよりますが
    セレクト下位でも、GUウニクロと比べると
    だいぶ値段が高いです

    このすきまを埋めるお店があればと思います
    (それがハニーズですかね?
     上代ママでもGUx115%程度ですから)

    やや気になるのが以下の記述

    >バーゲン時にはフロアが超満員だった2000年代

    00年代、都内ではセールを打っても
    すでに来店者数が伸びない時代に突入していました

    話題になるのはマルキューみたいな業界の象徴だけ
    百貨店はもちろんルミネも衰退まっただ中でした

    安くして大売りしても物が売れない

    すなわち

    安さもイベントも消費行動につながらない
    という流れ完全に完成した2022年現在
    どうやったら物が売れるんですかね?

    マァ実用衣料としての服は、
    減耗がある生活必需品だから
    不況に強いハズですが・・・

    実用品としての車はトヨタがあれば十分なのと
    一緒で、実用衣料としての服は
    ウニクロGUがあればいい訳だから
    ウニクロに就職するのが一番という事ですかねえ・・・

  • BOCONON より: 2022/10/31(月) 5:49 PM

    ほとんどの人間にとって「ジーユーとユニクロがあれば事足りる」というのはおっしゃる通りでしょうが,なんだか見たまんまのような気もするし身も蓋もないですな。
    そう言っちゃえば世の中皆そのようなもので,たとえば(関西の事情は知りませんが,関東では)「靴はABCマートさえあればたくさん」と言ってもおおよそ間違いではなかろうと思う。実際僕の住んでいる地方都市だと(婦人靴はまぁ除くとして)事実上 “靴屋” なんてものは絶滅したようなもんです。
    僕は足が小さすぎるので,安くて小さい靴が欲しけりゃ東京まで出た時に探し回らなけりゃならなかったりするけれど,東京でも “小さい靴専門店” なんてものは絶滅状態で,時々覗いていた上野の店も随分前に「メーカーが小さいサイズ作らなくなったので閉店します」だと。
    需要がないわけでもないのに些か馬鹿げている気もする。
    こんな塩梅でなんだかもう,どうにもつまらない世の中だし,規格外な人間には困ったもんでもある。ここでこれをどうするか,どうすべきかについ語りっても演説みたくなってしまうから何もいいませんが。

    ところで今日スーパーに行ったついでにしまむらに寄って,男もののインナー売り場で「あったか COTTON」というのが目についたので,「綿で暖かいっったってなあ・・・裏起毛か何かか?」と思って見たら「綿100%で “吸湿発熱”」と書いてあったので、ちょっとびっくらしてしまった。なんでしょうね,この面妖な商品は?
    ’南ミツヒロ的合理主義者’ 氏の言によれば,純綿で長期間吸湿発熱効果のあるものなんてあり得ないようでもあるし,綿100%でケミカルに暖かい素材なんてものがあり得るなら無印良品だってそんなものが作れない筈もあるまいに・・・と思うとどうも不可解なことであります。「買って着てみりゃいいだろうがっ!」と言われそうですが,僕には真っ白や真っ黒の,それもケミカル加工の肌着は着る習慣がないのでそれは悪しからず。

  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/10/31(月) 6:01 PM

    税収を考えると
    トヨタを国策産業化せざる得ないのと同じで
    トータルの金まわりを考えると
    ユニクロGUがサービス業の国策産業になっていますね

    多店舗展開をしているSPAもとい販売業という事は
    広い場所を借りて、いっぱい人を雇っているという事です

    産業の規模としてはトヨタ以上じゃないのかな?
    (もちろん売上とか利益率という意味ではない)

    あり得ないとは思うけど、ウニクロGUが完全中国資本な
    所に置き換わったら・・・と思うとゾッとします

    ただ、あり得ない事が20年30年ずっと続けて起きたのが
    日本のアパレル業界でしたから、どうなる事やら・・・

    20年後30年後というと、南サンも私も
    たぶんまだ生きているでしょうし

    現実問題、都心のあの賃料のフロアをあれだけ借りて
    あれだけ販売員を雇える力がある日本企業はウニクロGUだけです

    書店や家電量販店では不可能でしょう

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