売れることもあるが、必ずしも売れるとは限らない
2014年6月4日 未分類 0
先日、某生地産地の方と久しぶりにお会いする機会があった。
最近は各生地産地にも、自社製品の開発や、イベントの開始など新しい動きがある。
一部の産地内の先鋭的な人々が説き、ようやく産地内のその他大勢が追随してきたという図式が適切といえるだろう。
昨日、短パン社長がブログとフェイスブック上で提案した商品が24時間弱の間に、150枚の受注が集まった事例を紹介した。
ブログやフェイスブックなどのSNSを開始することにおいて、「効果があると耳にしないのでやらない」とか「売れるのだったらやる」という意見を耳にすることが多いのだが、それは本末転倒であろう。
現在の世の中において、「確実に効果が出る」なんてやり方は存在しない。
SNSでいうなら効果がある人もいるし、そうでない人もいる。売れることもあるが必ずしも売れるとは限らない。
短パン社長は売れたけど、あなたのやり方なら売れないかもしれない。
反対に、やり方次第では短パン社長以上の売り上げが稼げるかもしれない。
それに「確実に効果が出る」などというノウハウがあるなら、だれでもやっている。
さて、新しい動きの見える各産地だが、SNS是非論と同じような議論が各産地内にある。
国内の生地産地は、年々受注量が減っており、倒産・廃業が相次いでいる。
織布メーカー、編み地メーカーよりも整理加工場や洗い加工場の方が深刻といえる。
先日も児島のある洗い加工場が廃業を決定したと耳にしたばかりだ。
そういう状況下において、全盛を極めた当時のような受注を待っていても無駄である。
だから、自社製品を開発したり、イベントを企画したりという新しい取り組みがこの数年で生まれてきた。
しかし、そういう新しい取り組みに参加協力しようという人はやはり産地内でも一部にとどまる。
で、話が冒頭に戻るのだが、その方は「何度かイベントをやってみて、それなりに売り上げも出てきたから、重い腰を上げた人々がいる」という。
重い腰の人々は「確実に売れるのなら協力する」みたいなことを必ず主張される。
そのたびにちょっと笑えてしまうのだが、「確実に売れる」ような新しい取り組みがこの世に存在するなら、日本の繊維業界はもっと活性化しているだろうし、各産地もここまで疲弊していない。
で、この論法はホームページも持たない企業、SNSもやらない人と同じではないか。
いくら待っていても全盛時のような受注が戻ってくることがないのであれば、何か新しいことをやるほか手立てはない。
重い腰の人々は放置しておいて、賛同・共感してくれる人と新規取り組みを発展させる方が建設的といえる。
そんなわけで今後も産地からの新しい取り組みが次々と生まれることに若干の期待をしたい。