b8ta(ベータ)のポップアップ店を見学したがマスコミや識者の熱狂ぶりがよく理解できなかった話
2022年8月30日 ネット通販 1
業界メディアでこれまでさかんに報道されていたので、先日、阪急百貨店うめだ本店の9階催事広場で開催された「b8ta(ベータ)」の期間限定売り場を見学に出向いた。
なぜ、b8taでベータと読むのかはわからない。
これは業界メディアと百貨店が今注目している「売らない店」の一つである。
この分野には非常に疎いジジイだが、とりあえず見てから判断したいと思って出かけた。あと、正直に白状すると近隣にあるグランフロント大阪で「ガンダム展」が開催されており、来場するとガンダムのエコプラとスタンプラリーをするとガンダムのトライアルキットが無料でもらえるので、阪急を見たあとはそちらに足を延ばすつもりだった。いや、もしかするとグランフロントが本命で阪急百貨店の視察は言い訳に過ぎなかったかもしれない。
この日は平日でしかも午後4時ぐらいだったこともあり、9階催事広場の客数はまばらだった。土日祝日ならもっと来店者数も多く賑わいが見られたかもしれないが、人ごみが苦手なのと自分が暇だったので平日午後に覗いてみることにした。
当方の感想からまず述べよう。
それなりに興味深い販売手法ではあると思うが、必要不可欠な手法になるとは思えない。また、テナント出店が埋まらない商業施設や百貨店などに出店することは増えるとは思うが、今後、この手の売り場が商業施設&百貨店の主流を占めるようになるとは思えない。
というものだった。
関係者からすると気を悪くされると思うが、さしてIT系の技術に興味もなく、意識も高くなく、WEBやVRにさほど興味もないオッサンにとってはこの程度のものだということは、関係者にも多少の参考になるのではないかと思う。
例えば「イシキタカイ系専用商業施設」みたいなものがあったとするなら、この手の売り方はその手の層からは支持されると思うが、例えばファッションビルにせよショッピングセンターにせよ、大型百貨店にせよマスに売ろうとするなら、マス層の反応は恐らく当方と似たような感じでしかないだろうと考えられる。
では今回の期間限定売り場はどのようなものだったかを紹介しよう。
b8taと共に日本各地へ「発見・体験」を届けるプロジェクトとして大阪より始動し、福岡、名古屋の順に3拠点を日産自動車株式会社の軽の電気自動車「日産サクラ」や、b8ta常設店舗でも大人気の美容機器まで、幅広いラインナップの商品をご体験いただくことが可能です。
とのことで出店商品は
【体験型ストア b8ta(ベータ)】大阪・福岡ポップアップストアに出品する全19商品を発表|ベータ・ジャパン株式会社のプレスリリース (prtimes.jp)
・日産自動車株式会社 : 日産サクラ
・株式会社エヌ・ティ・ティ・データ:V-BALLER
V-BALLERはVR空間で実試合での投球を軌跡・スピードともに高精度で再現します。また、投球に対する打撃時の選手の動きをセンシングすることで、投球別にスイングの傾向をデータとして可視化、分析に利用できる商品です。
などとなっており、食品、美容製品、家庭用電化製品などがラインナップされている。
会場でざっと商品を見てみたが、各ブースにはそれぞれのメーカーのスタッフがついており説明が聞けるようになっていたが、残念ながら当方は食品にも電気自動車にも美容製品にも興味がないため、わざわざスタッフの説明を聞きたいとは思わなかった。
イシキタカクナイ系のジジイにとっては、商品がざっと陳列されているに過ぎないとしか見えないわけである。
唯一、面白そうだなと思ったのは引用したNTTデータのVRサービスである。当方が視察したときには、楽天ゴールデンイーグルスの則本投手とVR空間で対決するというデモンストレーションが行われていた。VRゴーグルをつけた人が模擬バットを持って則本投手と対戦していた。傍から見ていても何の面白さもないが、則本投手と打席で対戦できるというのはなかなかできない体験だけに、この「体験型」のサービスだけはかなり興味深かった。
正直なところ、残りの商品はイシキタカクナイ系ジジイたる当方にとってはヨドバシカメラやジョーシンの売り場陳列と何ら変わるところが無いようにしか見えなかった。(販売方法・接客方法は異なることは承知しているが)
このb8taがややこしい点はもともとはアメリカの企業だったにもかかわらず、アメリカではすでに全店閉店しており日本法人は独自の活動をしているという点である。だから「全世界的に大ヒットしている」とか「全米で話題沸騰」とかではないという点である。また全店閉店となったアメリカと現在残っている日本では少し売り方も違うらしく、
米「ベータ」のようにRaaS(Retail as a Service、サービスとしての小売り)に特化した(本当に売らない)業態
(中略)
店頭でもECでもモノを売っている。日本の「ベータ」も同様だ。
とのことだ。
日本のベータ方式ならある程度は国内で需要はあるだろうと当方は考えている。逆にアメリカ方式にこだわっていたなら日本でも広がることはないだろう。
最近の商業施設はテナントを衣料品や雑貨、飲食だけに限定せず、スマホ修理店や携帯電話ショップなどの他ジャンルのテナントも積極的に導入している(導入しなければテナントが埋まらないから)。その手の一つとしてこのベータや他の「売らない店」は今後普通に導入されるようになるだろうと思うが、この方式が実店舗での覇権を握り大半以上の店がこの形態に変わるということは日本国内においては考えにくいのではないかと思う。
そんなワンオブゼムを見学した一日だった。
あと蛇足だがグランフロント大阪で見事にエコプラガンダムとガンダムトライアルキットをゲットできたことを付け加えておきたい。
エコプラガンダム
トライアルキットガンダム
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少々違うのかもしれませんが、むかーしやってた「WiLL」の店舗版みたいだな、って思いました。
いろんな企業の商品が集められてるのは新しいなと思うんですが、そうすることで何が起こるのか?なにが消費者にとって嬉しいのか?がよく分かりませんでした。
まぁまだ始まったばかりのものにあれこれ言うのもどうかとは思うのですが。。。
https://ja.wikipedia.org/wiki/WiLL_(%E7%95%B0%E6%A5%AD%E7%A8%AE%E5%90%88%E5%90%8C%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88)