
汗っかきは真夏に綿100%薄手生地Tシャツを選んではいけない理由
2022年8月5日 商品比較 2
夏のメンズカジュアルスタイルというのはバリエーションが少ない。
トップスなんて半袖Tシャツ、半袖ポロシャツ、半袖シャツの3タイプしかない。この3アイテムのバランスはマストレンドによって変化するのだが、最近では半袖ポロシャツはかなりのダウントレンドではないかと感じる。着用している人の数が少ない。
最近のメインアイテムは半袖Tシャツではないかと感じる。
当方もサラリーマン生活ではないので、もちろんカジュアルスタイルで年中過ごしているのだが、2017年くらいからは夏のトップスは9割くらいは半袖Tシャツを着用するようになった。
で、そんな半袖Tシャツなのだが、以前から気になる記述がある。
昔からファッション雑誌やファッションウェブメディアなどに半袖Tシャツの商品紹介文として「生地が薄いので涼しい」と書かれていることである。
日本人成人男性の中でもトップクラスの汗っかきだと自負する当方だが、この記述は体感的に半分は正しく半分は間違っていて、特に当方のような汗っかき体質にはまったく当てにならないと経験的に感じている。
まず、Tシャツに限らず衣服を着用した場合、生地が分厚い方が保温性が高いことは言うまでもない。生地が薄い方が気温を感じやすくなる。
そのため「生地が薄いから涼しい」という記述になるのだと考えられる。
この部分は全くその通りだが、他の季節とは異なり、夏は大量に汗をかく。中には当方の早逝した弟のように夏でも汗をあまりかかない体質の人間もいるが、どちらかというと少数派で、中年男性の中では特に少数派だろうと思う。
Tシャツは素肌に着たり、インナーTシャツのすぐ上に重ねて着用する衣服なので、夏は身体から出る大量の汗を吸収せざるを得ないという特性がある。
そうすると、薄手生地、特に「綿100%の薄手生地」の場合は、すぐに汗を吸ってボトボトになってしまい、常に濡れて湿っている状態が続くため甚だ不快である。
さらにいえば、ずっとTシャツが濡れたままなので見映えも甚だ悪い。
たしかに汗をかかない状態(冷房の効いた部屋など)で綿100%の薄手生地Tシャツを着ると、なるほど通気性が良くて涼しい。また涼しい外気温が直接肌に当たる感覚がある。
だが、灼熱の状態で綿100%薄手生地Tシャツを着ると、途端に噴き出る汗でずぶ濡れ状態になってしまうばかりでなく、暑い外気温が肌にモロにあたる感覚があり、さらに暑い。
これは当方の経験によるものである。
オリジナルの日本製Tシャツを2990~4990円の値ごろ感で企画・生産・販売(ネット通販のみ)することに定評があり、玄人受けしている京都イージーさんはこの件に関してこんな解説ブログをアップしておられる。
厚手Tシャツは暑いか?:Tシャツ選び 100のノウハウ:京都イージー (easy.ne.jp)
なによりも吸水性に富むからだ。この理屈が真夏は薄手(うすで)のTシャツだと暑いことにつながる。吸水性に富む。言い換えれば一瞬で水を吸うがその吸水量は薄地ゆえに少ない。これをTシャツに置きかえれば「汗をかくまではたしかに涼しいが汗をかくほど、たとえば汗シミがTシャツにでてくる気候、気温になれば暑い」なぜなら簡単なことで汗シミがでる。そのシミになった部分は生地吸汗性のキャパを超え、風、空気を通さない。これが最も暑い。
とある。
京都イージーを運営する岸本氏も何度かお会いさせていただいたことがあるが、かなり汗っかきなので、これは自身の体験に基づいたことなのだろう。
逆に汗が止まらない状況になれば吸水量の多い厚手生地Tシャツの方が涼しいとも結論付けておられる。
Tシャツが厚手になるほど(適度レベルで)吸汗性に富むことで、風、空気を通すことになり(特に野外など)汗を大量にかく真夏においては厚手のほうが涼しいことになる。
当方も最高気温30度を越える真夏日になると、綿100%生地のTシャツは厚手生地を選んで着用するようにしている。
京都イージーのような日本生産物作り系のTシャツブランドは「ともすると綿100%の風合いの良さが~」と言い、合繊主体のドライ吸水素材Tシャツを「邪道だ」と退けがちなことが多いが、
また近年のドライ生地Tシャツは機能的にもとてもいい品ができてきており、涼しさという点だけではドライ生地Tシャツがおすすめだ。
としておられ、その柔軟性を当方は高く評価している。
年齢を重ねるごとに微妙な気温の変化とそれによる自身の汗の量を認識するようになってきた。
当方の半袖Tシャツ姿など他人からすればどれも同じに見えるかもしれないが、最高気温によって着用する物を選んでいる。
大阪市内の気候を基準とするが、だいたい日中の最高気温23~24度になれば15分も歩くと汗をかくようになる。
しかし、汗が止まらないという状態ではないから、この気温だと綿100%薄手生地のTシャツを着用している。
25度~32度になると、綿100%薄手生地Tシャツはずぶ濡れ状態が続くことになるので、不快さと見映えの悪さを回避して、綿100%厚手生地Tシャツを着用するようになる。
そして、毎年恒例の猛暑日が来ると、もう汗が止まらないため、綿100%厚手生地Tシャツもずぶ濡れになってしまう。そこで合繊主体の吸水速乾Tシャツを着用するようになる。
低価格ブランドの中から例を挙げるとすると、例えばユニクロのエアリズムコットンオーバーサイズTシャツである。
最高気温33度以上、特に35度を越える日が続くと複数枚持っている吸水速乾Tシャツをローテーションで着続けることになる。
そのため、ここ2週間くらいは毎日を吸水速乾Tシャツで過ごしている。
ファッションメディアのこの手の表現が定着してしまうことで消費者の認知をゆがめてしまうことが少なからずある。
メディアは実際に衣料品を企画・生産していないため、仕方のない側面はあるが、このような表現を実際に企画・生産しているメーカー側やブランド側が何の疑問も持たずに公式通販サイトなどで安易に使用することは、あまり好ましい状態ではないと感じるので、ぜひとも改善してもらいたいと願っている。
仕事のご依頼はこちらからお願いします~↓
comment
-
-
BOCONON より: 2022/08/05(金) 1:10 PM
僕は登山はまだやった事がないが,昔からアウトドア派の人たちのあいだでは「山登りする時は綿100%の肌着/TシャツはNG」と言われていたものらしいですね。「綿というのは湿気を吸うけど吐き出さないから汗をかいた後不快だし,その上天候が急変して気温が下がると体を冷やしてしまって冗談じゃなく命に係わる」という事らしいです。…と言ってもしばしば命がけで山登りするような人間はクセが強くてつき合いにくいし「山女に美人はいない」だからあまり親しくしているわけではないが,これは本当らしい。
しかしまあ,アウトドア派でなくても「麻などに比べると綿と言う素材は日本の気候にはあんまり合わない」というのは昔からファッション入門本のたぐいにもよく書いてあったし,外回りのサラリーマン時代の夏には日々実感するので僕も早々に天然素材原理主義は捨ててYシャツの下にはメッシュ肌着などで対策しておりました。今は家にいる時は南さんやお気楽ニャンコ女史同様吸水速乾素材のTシャツなど着ています。
とは言え・・・これまた大きなお世話かも知れませんが,家にいる時や近所のコンビニにでも行く程度ならまだしも,暑さはさておきオシャレ,と言うより身嗜みを考えると,正直「40代以上の男(女でも同様だろうけれど)がTシャツ半ズボンで外出というのはどうかなあ?」と思わざるを得ない。「もう自分も若くはないな…」としばしば感じるくらいの年代だと,たいてい年齢は首筋に現れているからです。南さんがそうかは知りませんが,「オレは若い頃と同じサイズのジーパンが穿ける」とか言いたがるオジサンは得てして “首から上と下が別の人” 状態になっていてイタい感じがしがちだから,その辺は留意すべきだ・・・というわけで,僕自身はTシャツで外出は基本NGにしています。
私も一応(笑)女性ですが
同じく滝汗体質なので
夏の衣料にはとても苦心しております
全くもって同じようなチョイスで
勝手に親近感を覚えました
極薄手の綿はシャツ&Tシャツ共に
汗をかいて吸ってもビチャビチャになるので
猛暑では着用出来ません
綿シャツはまだ身体に張り付かないので
マシですが極薄Tシャツはビックシルエットでも
張り付いて悲惨です
カットソー素材は
真冬 厚地綿七分袖
春秋 厚地半袖
初夏 普通地半袖
猛暑日 機能性Tシャツ
シャツは
真冬 綿麻等の起毛素材(ネル素材)
春秋 普通地シャツ
初夏 半袖薄地シャツ
猛暑日 麻シャツ
セーターの代わりにスウエット素材
カーディガンの代わりにインナーダウン
ただ…古い人間なのだと思います
いくら高機能素材が出来ても
混紡ならまだしも100%化繊のシャツは
やはり好きになれません
逆に100%綿のスウエットは
重く乾きにくいので買わなくなりました
勝手なものです…
薄いから涼しい(寒い)は、冬場は感じますが
猛暑の場合は薄手だろうがノースリーブだろうが
暑いものは暑い気がします