MENU

南充浩 オフィシャルブログ

学生が好きなブランドラインキングにランクインしないSHEINの人気

2022年6月28日 ネット通販 2

半年くらい前から中国発の急成長ネット通販専用ファストファッションブランド「SHEIN(シーイン)」が話題となっている。

個人的には国内での動向を見ていると、メディアや自称識者先行と感じられるが、国内で急成長が期待できるビッグブランドは無いから、メディアや自称識者が飛びついてポジショントークをすることは仕方がないと見ている。

国内のメディアや自称識者は

「学生なら100%シーインを知っている・買っている」

とか

「学生や若者から絶大な支持を集めている」

とか

主張しているが、実際に専門学生を教えていてそこまでのブランドステイタスがあるとは到底思えない。あくまでも個人的な感想にすぎないが。

先日、よくある「専門学生の好きなブランドランキング」の記事が掲載された。定期的に各社がアンケート調査をしておりその結果が発表される。

現役学生が好きなブランドTOP20 (fashionsnap.com)

今回はこのバージョンである。詳細は本文を読んでいただければすぐにわかるが、とりあえずめんどくさいと言う人のために引用したい。

1位 ZARA(ザラ)

2位 Maison Margiela(メゾン マルジェラ)

3位 BEAMS(ビームス)

4位 COMME des GARÇONS(コム デ ギャルソン)

5位 H&M(エイチ アンド エム)

6位 DIOR(ディオール)

7位 Acne Studios(アクネ ストゥディオズ)

7位 UNIQLO(ユニクロ)

9位 MOUSSY(マウジー)

10位 BEAUTY&YOUTH UNITED ARROWS(ビューティアンドユースユナイテッドアローズ)

となっている。

続いて11位から20位だがこんなランキングである。

11位 ISSEY MIYAKE(イッセイ ミヤケ)

12位 TOGA(トーガ)

13位 PRADA(プラダ)

14位 Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)

14位 SAINT LAURENT(サンローラン)

16位 Vivienne Westwood(ヴィヴィアン・ウエストウッド)

17位 sacai(サカイ)

18位 POLO RALPH LAUREN(ポロ ラルフ ローレン)

18位 CELINE(セリーヌ)

18位 JOURNAL STANDARD(ジャーナルスタンダード)

である。さらに補足するなら

また、「好きなブランド」に限るため今回のランキングには組み込みませんでしたが、「古着」が16位タイにランクインしていました。TOP20入りした各ブランドも古着人気も高いブランドであり、昨今の古着ブームの影響が表れていると言えるかもしれません。

という一文もあり、正式には16位「古着」ということになる。

 

で、何が言いたいのかというと、メディアや自称識者が「若者から絶大な支持がある」と主張するSHEINがどこにもランクインしていないのである。

シーインが低価格だからだろう?という問いは意味がない。なぜならユニクロ、H&Mがランクインしているから、本当に「絶大な支持」があるなら20位内にランキングしていても不思議ではない。

 

で、ここからが当方の身の周り調査について述べたいと思う。

これまで何度かこのブログでも同じ話をしてきたが、たしかに専門学生はシーインを買っている。理由はファッション性の高さでもなければ、システムの近代性でもない。(笑)

値段が安いからである。

それを踏まえた上で当方が毎週接してきた学生からの反応は

・「このブランド『シーイン』って言うんや。知らんかったわ」

・「とりあえず安いから買っている」

というものである。

たしかに買ってはいるが、ブランド名も認知していなければ、中国発のブランドだということも認知していない。言ってみれば、「ノーブランドの安い服を売っているサイト」というのが彼らのシーインに対する認識だった。

もちろん身の周りなので違うという学生がいるのは当然だろう。しかし、先の人気ブランドランキングと合わせて考えてみてもシーインというブランドがそこまで高く評価され認知されているとは思えない。

購入者数は増えているだろう。だが、それはあくまでも「安い服が買える」という点が評価されているだけでブランドそのものが評価されているとは言えないのではないかと思う。

さらにいえば、報道されているわりにはシーインというブランド、企業の顔が見えない。それは良くも悪くもユニクロというブランドの経営者の顔が見えすぎることと対照的で、H&M、ZARAでさえ企業姿勢はある程度見えるが、シーインにはそれが全くない。

だから煽っているメディアが他方では「シーインの謎」なんていう特集も組んでしまうという分裂ぶりを見せている。

実際に我が国の若者の間でそこまでシーインの人気、シーインの商品の人気が高いとはどうしても感じられないでいる。

ところが、先日、こんな内容のツイートを見かけた。

アメリカのZ世代はシーインの服をよく買っていて支持されている

という内容である。

アメリカ在住の方のツイートなので、恐らくは事実だろうと思われるのだが、シーインの驚異的な急成長はアメリカの若者消費に支えられた部分が大きいのではないかと考えられる。当然日本の若者も買ってはいるが、日本での売上高は身の周りの反応を見てもそこまで大規模ではないのではないかと思っている。

 

余談だが、日本では低価格品が問題だと叫ばれているが、何のことはないアメリカ人だって安い物が好きなのである。そもそもファストファッションを生み出したのは欧米なのである。欧米にこそ低価格衣料品の強い需要が昔からあり、それは今も変わっていないと見るべきだろう。

 

さて、今後、我が国でシーインがどれほど支持されるかなのだが、ユニクロ、しまむら、ジーユーを越えて支持されるとは到底思えない。これまで数々の外資低価格ブランドが上陸したが、いずれも撤退か鳴かず飛ばずに追い込まれている。ZARAでさえコロナ禍があったとはいえ、店舗数が激減していると伝えたのはつい先ごろのことである。それ以外だとGAPとH&Mが何とか踏ん張っているくらいである。

2枚目無料配布を繰り返す激安なシーインだから一定の売上高は我が国でも稼げるだろうがビッグブランド化するかどうかは非常に怪しい。むろん海外売上高だけで潤うということはあり得るだろうが、我が国内で熱狂的なシーインブームは起きないのではないかと見ている。

 

仕事のご依頼はこちらからお願いします~↓

SERVICE

1880円のスカートをどうぞ~

この記事をSNSでシェア
 comment
  • ティッシュ より: 2022/07/21(木) 10:51 PM

    シーインはブランドというよりモールという認識だからではないでしょうか?
    好きなブランドランキングにゾゾタウンが入らないのと同じで

  • 南ミツヒロ的合理主義者 より: 2022/08/29(月) 9:06 AM

    ここでも、南ミツヒロ理論が有効です。要するに、人間は

    ・安い物が好き
    ・安くてそこそこ良いなら大好き
    ・でも買うのがメンドイのはゴメンだよ

    というそれだけです。99.95%の日本人に当てはまる公式です

    その結果がSHEINだったという、ただそれだけです

    本能で選んでいるだけで、別にSHEINを熱烈大歓迎支持w
    しているわけでも何でもないです

    夢も希望もない話で失礼しました

Message

CAPTCHA


南充浩 オフィシャルブログ

南充浩 オフィシャルブログ