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南充浩 オフィシャルブログ

ワークマンとしまむらの参入で低価格競争が始まったゴルフウェア市場

2022年5月30日 トレンド 0

先日、元アパレルOEMで現在アクセサリー雑貨のOEMなどを手掛ける方と話す機会があったが、局地的で小規模なトレンド変化はあるが、カジュアル服のマストレンドは2019年くらいからあまり変化していないという話題となった。

たしかに2019年ぐらいに買ったカジュアル服は今年も変わらず着用できるし、着用していても奇異には見えない。実際にネットで2019年の売れ残り品を安く買っても違和感はない。

となると、衣料品の売れ行きとしては伸びる要素が少ない。新しいアイテムを買い足す必要がほとんどないからである。

そのため、各ブランドは次の売れ筋を作ること、売れ筋に追随することに必死になる。

それがゴルフウェアブランド立ち上げラッシュの大きな要因だろう。世間的に見て伸びているジャンルがゴルフウェアくらいしか見当たらない。だから追随ラッシュである。

 

ワークマン初のゴルフウエア 機能性の高い服&小物で全身6120円を実現

 

しまむらがゴルフウエアの販売を開始 ポロシャツが税込1419円、パンツが1969円など

「リー」がゴルフウエアブランド立ち上げ ワークウエアに動きやすさを融合

 

先週もこの3連発の立ち上げである。

しかも、ワークマン、しまむらという大手低価格ブランドと、リーという著名ブランドの新規参入である。

激烈な安さのワークマンとしまむらが参入したことで、低価格ゾーン、値ごろゾーンの既存ゴルフブランドは結構なダメージを受けるだろう。

リーはどうなるのかわからない(笑)。既存のリーファンがゴルフをやりたいと思うのかどうか。

 

しかし、当方にはゴルフ市場が、こぞって参入すべき有望な市場だとは到底思えない。

昨年からの新規参入ラッシュで、弾き飛ばされてしまう既存ブランドもあれば、離陸できずに終わっていく新規ブランドも多々出現することになるだろう。

ゴルフブームに対して当方が冷淡なのかというと、以前にも書いたが自分がゴルフに全く興味が無いことを除くと

1、揃えるべき道具が多すぎて誰でも手軽に始められるわけではない

2、コースに行くには自動車が必須である

3,打ちっぱなし以外は仲間が必要になる

の3点がネックになると見ている。

要するに金持ちで自動車が運転できて仲間がいるリア充向けの娯楽だということになる。

そのため、手軽に始められるハイキングやジョギングに比べると、参加人口にも限りはあるし、市場規模の限界到達点も低いと考えられる。

あと、付け加えるなら

4、ゴルフウェアをデイリーカジュアルとしては使いにくい

も入るだろう。使えるのはワンポイントのポロシャツくらいであとは、30年前のカジュアルフライデーのオジサンのコスプレにしかならない。

 

数少ない伸びている市場ではあるが、全ブランドが好調というわけではないだろうと思う。

ちょうど10何年前にも新規のゴルフブランド立ち上げブームがあった。そのときに立ち上がったブランドが好調だとはあまり聞こえてこない。

その筋の専門家に尋ねてみる必要があると思うが、ヒールクリークとかダンスウィズドラゴンなんていうブランドが立ち上がり、2010年前後はそれなりに好調だと話題になっていたが、現在好調だとは聞こえてこない。恐らくは、売り上げ規模は限界点に達して停滞しているのだろう。

それぞれの会社の経営者やスタッフの能力、販促手法などの問題もあるのだろうと思われるが、市場規模が無限に広がるわけではないということの実例だともいえる。

 

実際の市場規模はどんなものか、前回とは異なる資料がある。

国内スポーツアパレル市場の調査結果発表、ゴルフウェア市場のみコロナ前から規模拡大 (fashionsnap.com)

2021年のゴルフウェアの市場規模(メーカー国内出荷金額ベース)は、2019年比101.1%の910億円で、全12カテゴリーの中で唯一、コロナ禍前の2019年の水準を上回る見込みだという。

そして、2022年の見通しは960億円となっている。

店頭販売金額ベースに換算するとだいたい1800億~2300億円くらいになるのではないだろうか。今の調子で数多くのブランドが参入するにしては市場規模として小さすぎるのではないか。

またメーカー出荷金額ベースなので、新規ブランドが増えれば増えるほどメーカーからの出荷金額は増えやすいということもゴルフウェア市場がわずかずつ伸びている理由の一つではないかとも考えられる。

 

さて、今回、裾値ともいえるワークマン、しまむらが参入した。

これを持って、ゴルフウェア市場も広がり切ったといえるのではないかと思う。今後も継続できるかどうかわからない新規ゴルファーのお試しウェアとしてはワークマン・しまむらは重宝されるだろう。また、既存ゴルファーでも幾分かは購入する人もいるだろう。他の野球やサッカー、陸上競技などのウェアとは異なり激しい動作が少ないゴルフウェアにはそこまでの機能性は必要とされていない。そのため、スポーツアパレル以外でも参入しやすいが、もう極限の価格競争が始まったといえ、今後は中途半端なブランドの参入には何のメリットもなくなるだろう。

 

以前のように3年くらいでそれなりのビッグトレンドが起きる環境なら、恐らくはここまで各社ともにゴルフに突っ込むことは無かったと思うのだが、ビッグトレンドは起きず、マストレンドも変化しない今、ゴルフ市場に突っ込みたくなる気持ちはわからないではない。しかし、ワークマンとしまむらという究極の裾値が参入したことですでにレッドオーシャンだったゴルフウェア市場は超レッドオーシャンと化してしまった。今後、新規参入するのであればそれ相応の覚悟が必要で、決して「プチブームだから」という楽観的なノリで参入できる市場では無くなってしまったということは心掛けた方が良いだろう。

 

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