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南充浩 オフィシャルブログ

パシュミナストールについて。パシュミナ100%という原料はない

2011年2月7日 未分類 0

 ずっと以前から疑問に思っていた商品「パシュミナ」のストール。
パシュミナって何よ?

以前、倒産する前のコロネット商会(倒産再生後の社名、コロネット)の部長さんに教えていただいた「パシュミナの定義」とは「カシミヤ山羊から取れる、最上級の細番手のウールのことで、それで作った極薄のストール」とのことだった。
ウールに限らず、綿でも麻でも繊維長が長い細番手ほど高級とされており、カシミヤの中でも飛びぬけて細番手であるから、パシュミナストールの商品価格は高額にならざるを得ない。

しかし、昨今では本来の「パシュミナの定義」がグダグダに崩れている。
パシュミナは商品名であり、品質表示は「カシミヤ100%」と書くのが正しいのだが、まがい物があふれかえっており「パシュミナ100%」という表示がまかり通っている。残念ながら表記法的にも材質的にも「パシュミナ」という書き方は誤っている。
なぜなら、通常のウールは「羊毛」または「ウール」の表記であり、カシミヤなら「カシミヤ」、アルパカなら「アルパカ」、ラマなら「ラマまたはリャマ」、アンゴラなら「アンゴラ」、ヤクなら「ヤク」としか表記できない。
この段で行くなら、「パシュミナ」という動物が存在することになる。

P2031118

(カシミヤの毛で作られたカシミヤ山羊のミニチュア人形)

先日、ウール関係者とパシュミナ談義になったのだが、その関係者によると「パシュミナ100%」という表記はカワイイもので、稀に「パシュンという動物の毛から作られました」という商品説明を見かけることがあるそうだ。
これには笑うしかない。「パシュン」という動物は地上に存在しない。ピカチュウと同じ創作上の動物である。

存在しない動物「パシュン」の毛で作られたストール。なかなかファンタジックな設定である。竹取物語の「火ネズミの裘」のようだ。

その「パシュン」の毛から作られた「パシュミナ100%」のストールがなんと1900円とか2900円で販売されているのだが、真実の「パシュミナストール」であるなら1万円は裕に越える価格となる。
通常の羊毛(ウール)でも極細番手でストールを製造すれば、パシュミナに近い肌触りとなる。おそらくよほどのウール関係者でなければ手触りでは区別できないだろう。
しかし、その場合の原料表記は「ウール100%」か「羊毛100%」のどちらかでなくてはならない。

はっきり言って1900円で販売されている「パシュン」の毛で作られた「パシュミナストール」はニセモノである。くれぐれもニセモノを掴まないように。

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