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南充浩 オフィシャルブログ

洋服のネット通販に対して不満だと感じること

2022年5月13日 ネット通販 0

最近発表されたアパレル企業の決算や月次速報を見ていると、ネット通販の伸び悩みや前年割れが珍しくない。もちろん、伸びている企業もあるが、少し前のような「ネット通販をやれば必ず伸びる」という状況ではなくなってきたといえる。

それもそのはずで、これだけネット通販が大型モールから中小零細企業の自社通販サイトまで乱立すると、集客できるサイトとできないサイトの優勝劣敗がハッキリと生まれてしまう。

さらにいうと、自分もジジイながら業界に多少携わっている以上、ネット通販にも慣れなくてはならないという謎の使命感から、2017年か2018年くらいから定期的にネット通販で服を買ってみるようになった。

しかし、5年くらいやってみた結果としての最大の感想は

 

「実店舗で買うよりもめんどくさい」

 

である。

メリットもあるとは感じるが、めんどくさいというのが最も大きい。

 

自分が定期的に利用しているのは、ドットエスティで最近ベイクルーズも使ってみるようになった。あとはユニクロ、ジーユー、Amazon、Yahoo!ショッピングあたりである。

AOKIのアクティブワークスーツのようにピンポイントで決め打ちして買うのなら、そこまでめんどくさいとは感じないのだが、いわゆる「実店舗でのウィンドーショッピング」的な感覚で、ピンときたものを買おうと探すと、これがめんどくさくて時間がかかる。

まず、「新着アイテム」なり「セールアイテム」なりをざっと上から下まで見る。

そして、目ぼしい物を見つけるたびにクリックして商品の全画像とスペックとサイズを確認する。これを繰り返しているとすぐに1時間、2時間が経過するし、目も疲れる。

最近は近視がさらに進んだうえに華麗なる加齢による老眼も始まっている。

正直なところ、通販に限らずウェブ画面を長時間見続けるのは難行苦行に等しい。

個人的には、ウェブ通販が無限に伸び続けず、売上高の上限に至るのは当然だとしか感じられない。

 

《視点》検索疲れ | 繊研新聞 (senken.co.jp)

ツイッターで、相互フォローしている人が「グレーや明るい色の服が好きなのに、汗かきなので春夏は汗じみが気になって着られない」と悩む投稿を見かけた。

 ファッションECモールで汗じみ防止機能のある商品を一括検索することを勧めてみたが、「商品ごとに探すのが面倒なので、全商品が汗じみ防止のブランドがあったらいいのに」とのこと。口調からは、そうとう検索疲れしている様子が読み取れた。

 私もグーグルやBingで検索したが、見つけられなかった。代わりに、やはりECモール内の検索結果や、コーディネート・アイテムをまとめた情報サイトが検索結果の上位を占めた。それらを見ればある程度の情報を入手できるが、好みのデザインや予算に沿う商品を吟味する過程は残る。おっくうに感じるのも仕方ないのかもしれない。

というコラムだが、このめんどくさいと感じる人の気持ちはよくわかる。

実店舗よろしくウィンドーショッピング的に何か良い物をふらふらしながら探そうとするとネットはひどく疲れる。また、検索で探すのも最近では嘘表記の商品が多数引っかかるのでそれを一々確認することもめんどうで疲れる。

例えば「レザー」というキーワードで検索するとAmazonでもYahoo!ショッピングでもかならず合皮アイテムが多数表示される。それも上位で。

「ダウン」も同様で「中綿ポリエステル100%のダウン」なんて珍しくなく、むしろそちらの方が多品種で上位に検索されると感じるほどだ。

レザー、ダウン、カシミヤあたりのワード検索は嘘表記が多くて地獄である。

一々個々の商品をクリックして素材組成を確認せねばならない。

 

また、著名なサイトでも欲しい情報が十分に表記・表示されていないことも多々ある。

例えば、EC業界では持て囃されているベイクルーズのサイトだが、メンズの襟付きシャツではどのアイテムも首回りの寸法が全く書かれていない。

洋服なんてシルエットによってサイズ感は大きく異なる。ピチピチからダボダボルーズシルエットが混在しているのが今のトレンドである。身幅や袖丈のサイズ表記だけではわからない。特にメンズシャツは首回りの寸法がドレス、カジュアル問わずに重要になる。首回りがピッタリであることが理想で、首回りさえ合えば身幅がピチピチでもダボダボでもそれなりにマシに着こなせる。

また、80%オフで2200円にまで値下げされているコックジャケットは素材表記が無い。

商品画像を見ると織りネームに「100%BOMULL」と書かれてあり、これの意味がわからなかったのだろう。自分も分からなかったのでググってみると「スウェーデン語で綿(コットン)」と出てくる。要するに「100%綿」ということなのだが、このググる手間を省いたのだろうが、素材表記無しというのは景表法的にもまずいのではないかと思う。ベイクルーズという業界大手がこんな不手際な販売スタイルというのはいかがなものだろうか。

 

 

 

 

また、Amazonは表示される画像が少なめで知りたいことがわかりにくい。

例えば、先日、ズボンを検索して見ていたのだが、後ろの画像が無い物が多かった。最近のズボンは、尻ポケットが片方だけの物が多い。まあ、縫製工賃を抑えるための施策なのだろうと思うが、当方は尻ポケットが左右両方にある物しか買いたくない。そのため、尻ポケットが片方しかないのか、両方あるのかは非常に重要なファクターである。

これが知れないのであればAmazonがいくら値下げしようと買うことはない。

 

一つ一つ商品を調べるめんどくささと目の疲れ、表示・表記の手落ちなどを考えると、決してネット通販が便利でどんどん浸透していくとは考えにくい。雑貨やプラモデル、家具などはネット通販だけでも何の不自由もないが、身に着ける洋服というのは、売上高の伸びや浸透度合いに上限があるのは当然ではないかと思う。

 

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