懐かしくも忌まわしいバブル期ファッション
2014年4月9日 未分類 0
正確にいうなら一昨年の秋冬ごろからバブル期ファッションのリバイバルが顕著である。
43歳のオッサンとしては、20年強前の黒歴史を見せつけられるようで、何とも気恥ずかしい思いがある。
ハイウエストのスカート&パンツ、真っ赤な口紅、MA-1のフライトジャケット、ビッグシルエットのトップスなどなど。
「ワシら高校生か大学生の頃、こんなニイチャン、ネエチャンがいっぱいおったな~」
と懐かしさを覚える。
そういえば、昨年春夏から晩秋にかけて人気を博したセーターの「プロデューサー巻き」もバブル期の象徴的なファッションで、まさかあれが復活するとは3年前までは夢にも思わなかった。
セーターのプロデューサー巻きについてはトレンドに詳しい人々が「2013年秋いっぱいでトレンドはピークアウトする」と予言しておられ、気温が上昇する3月になってもほとんど見かけないことから、これはほぼ的中したのではないかと思う。
ただ、3月、4月は寒の戻りがあり、本格的な春スタイルに移行しているわけではないので、もしかするとゴールデンウィークから復活するのかもしれない。
大阪都心では現在に至るまでプロデューサー巻きの着こなしはほとんど見かけない。
3月末に偶然1人だけ見かけた程度である。
これらのファッションをバブル期ファッションと認知しているが、正確にいうなら90年代半ばまではその延長線上にあった。
というのは、ボトムスの股上が浅くなったのは90年代後半からで、95年、96年、97年当時に買ったジーンズの股上は深いままだった。
そういえば96年くらいになってもまだボブソンのソフトジーンズ「04ジーンズ」を購入していた。この商品は捨ててしまったのだが、相当股上が深かった記憶がある。
でも90年代半ばごろになると、セカンドポーチとか、バブル期のオッサンが愛用していた激しい柄のセーターだとかそういう物はすでに「ダサい」というイメージがあった。
その割に、そのころのスーツのジャケットはまだ身幅とアームホールがゆったりしていたし、肩パットも今に比べると厚みがあった。
そのころのジャケットを着るとなんだかアメフトの選手のように見えてしまう。
ファッションというのは10年~20年周期でリバイバルする。
早いものだと7~8年程度でリバイバルする。
バブル崩壊後もさまざま過去のさまざまなファッションがリバイバルしてきた。
その中にあって頑としてリバイバルしなかったのがバブル期ファッションである。
2012年ごろまでバブル期ファッションは「ダサい」の象徴だったし、ファッション関係者はバブル期ファッションを忌み嫌っていた。
セーターのプロデューサー巻きなんてその象徴である。
それがリバイバルするのだから、驚きである。
それでも今、バブル期ファッションを取り入れているのは10代後半~20代半ばまでの若い層が多い。
40代以上には筆者同様に抵抗を感じる人が多いようだ。
また30代もあまり積極的に取り入れようとしている人は少ないように見える。
これは独断だが、30代半ば以上の人がリバイバルしたバブル期ファッションを着用するとバブル期の人そのままに見えてしまう。
筆者なんてバブル期のオッサンそのものになるので絶対に取り入れる気はない。
ユニクロの店頭を見ていてもバブルっぽい商品は消化率が低いと感じられるので、おそらく支持者数はそれほど多くないのだろう。
ご存じのとおり、ユニクロは最早国民服的な位置づけであり、購買層も老若男女幅広い。
昨年秋にメンズでMA-1のフライトジャケットを発売したが、各店舗でけっこう売れ残っていた。
定価は2990円くらいだったと記憶しているが、最終的には1290円まで値下げされて大量に販売されていた。
(ユニクロの公式通販サイトより)
メンズでいうと、毎シーズン、ウールのPコートやダッフルコート、チェスターコートなどはほぼ完売する。
そう考えてみると、トラッドテイストのあるPコートやダッフルコート、チェスターコートは購買層が幅広く、トレンド品と位置付けられたMA-1の購買層はそれほど多くなかったのではないか。
筆者は個人的にバブル期ファッションを取り入れるのは難しいと感じているので、凡人は手を出さない方が賢明ではないだろうか。