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南充浩 オフィシャルブログ

US君をブログにスカウトした理由

2022年5月10日 告知 1

みなさん、おはようございます。

長らくの読者の方にとっては、前回のブログは少し驚かれたかもしれない。

初めまして USと申します

今月から月に1度、US君に寄稿してもらうことになった。

 

ところで、USって誰やねん?と思われた方も多いと思うので、そのあたりの話を当方視点でご紹介したい。

前回の自己紹介でも書かれているが、US君は大手SPA企業の出身である。ちなみにファーストリテイリングではない。(笑)

大手SPAと言ってもピンキリだが、現在だと国内トップ10に入るほどの大手である。

当方と知り合ったのは、10年くらい前のツイッターである。どうでも良いことだが、当方がツイッターを始めてから13年くらいになってしまっていて、何度か凍結しかけたが(笑)何とか継続できている。

もちろん、顔も形も知らないままに交流させていただたいが、今から7年か8年くらい前、「転職のことで相談したい」というダイレクトメッセージをいただいた。

長らくツイッターで交流していた人なので、何だろうと思いながら梅田でお会いした。これが初めての顔合わせである。

 

大学を卒業してから10年間強、大手SPAで最初は販売員を、そこから店長に昇格してその時まで勤務されていた。前回の彼のブログにもあるが、「店長を何年間かさせてもらっているが将来のキャリア形成が見えない」という理由で転職を検討しているとのことだった。

この気持ちは当方にはよくわかった。当方も新卒で販売員から店長へと昇格したが、その後のキャリア形成が見えなくて退職してしまったからだ。

もちろん、当方の努力不足や見識の狭さはあるとしても、大手セレクトショップも含むチェーン店系や多店舗展開のSPA系は、この辺りを整備した方が、離職率は低くなるのではないかと思う。

当時の自分の経験でいえば、店長を何年間か務めたその後の社内での方向性がまるで見えなかった。25歳当時の自分はこのまま40歳過ぎても50歳過ぎても店長なのだろうかと、不安になった。

そこから20年後に同じ悩みを抱えたUS君から相談を受けたというわけなのだが、US君の会社は20年前に自分が所属した企業よりもはるかに大きく、福利厚生も整ってはいるが、その部分の悩みは同じだったようだ。

 

販売員・店長という職が死ぬほど好きとか、死ぬほど好きではないが天職だと考えているという人も多いだろうが、その後のキャリア形成が見えないというところに不安を抱くという人も多いのではないかと思う。当方とUS君は後者だったということである。

現在の大手でさえもそこのキャリア形成が見えないという点は20年前と変わっていないのかもしれない。これを整備することで大手小売店への人材定着率は大きく変わると思うがどうだろうか。

 

で、転職先について尋ねてみると「中堅規模の某生地問屋です」という。

これは正直言ってかなり苦労するだろうと思った。なぜなら、小売店と生地問屋では「同じ繊維製品を扱う」こと以外、業務の共通点はまるでないからだ。またUS君は、大学卒業後にSPAブランドの販売員と店長しか経験していない。

業務に慣れることだけでも早くて半年、長ければ2年間くらいはかかるのではないかと経験上推測できたからだ。

そこで当方は「辞めるのをやめたら?」と提案してみたが、彼の決心は固かった。そこで「慣れるまでは相当しんどいと思うよ」ということだけは伝えた。

 

その後、「中堅生地問屋に移籍しました」という報告をいただいた。

 

ある日、昔馴染みの10才くらい年上の業界の先輩から連絡をいただいた。長らく務めたメンズカジュアルアパレルを早期退職して、某中堅生地問屋に移籍したという。

昔気質だが、如才ないタイプの先輩で、我々のような後輩にも優しく、上役にはそれなりに好かれる性質である。

その先輩が移籍された先が偶然にもUS君の移籍先と同じだったので、その先輩に「US君というのが、つい最近同じ会社に入ったと思うのですが、『南から紹介されたよ』みたいな感じで話しかけてやってもらえませんか?一人で心細いかもしれませんから」とお伝えしたところ、快諾をいただいた。

 

その後、先輩とはときどき連絡を取り合っていたが、先輩によると「あの会社は、前任者からの引継ぎとかそんなものは何にもない会社(創立以来の社風)だからUS君も苦労しているよ」とのことだったので、悪い予感は的中するものだと思った。そう、当方の悪い予感だけはやたらと的中率が高いのである。ちなみに良い予感はこれまで持ったことがない。

そうこうしているうちに、またその先輩から「US君が繊維検査会社に移ったよ」とお聞きして安心した。

SPA企業に10年間強、生地問屋に3年、検査機関に移籍してもう3~4年になるだろうか。

繊維検査会社に移籍してからUS君とは再会し、今に至るというわけである。正直なところ、彼が生地問屋で苦労していることを聞いて「もっと強く止めていた方が良かった」と後悔をしていた。

 

今回、彼をブログにスカウトしたのは、月に一度、自分が書かずに楽をしたいということ以外に(笑)、国内トップ10に入るほどの大手で販売員と店長を合わせて10年間強も務めたという小売店の現場経験に加え、生地問屋と検査会社での勤務によって、生地や糸のことにも精通しているという点を評価してのことになる。

失礼ながら今の業界内知名度は低いが、経験や現在の知識量においてはすでに当方の及ぶところではなくなっており、非常に有為な人材の1人であると見ている。

川上からリストラされて、川下へ下りたオジサンはかつては結構見かけたが、大手SPAという川下から川上へ上った若手というのはそう多くはなく、それでいて、両方ともに勤務経験が豊富で知見がまともということになると、さらに希少性が高い。

まあ、そんなわけで月に1度、当方は楽をしつつ、今後、US君の知見を発信する場としてこのブログを使ってもらおうと思っている。ちなみにさらに楽をするため(笑)に、さらに書き手を増やすこともあるかもしれない。

50歳を越えて、行く先もたかが知れている身となれば、この程度でも貢献しようかというジジイの気まぐれである。

 

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 comment
  • BOCONON より: 2022/05/10(火) 11:11 AM

    僕が大学卒業後,実態を何も知らずに就職した印刷会社,それも中小企業の営業なんてものは昔の流行語で言えば “3K” の見本みたいなものでした。「きつい,汚い,危険」ではなく「キツい,給料上がらない,休日少ない」という意味で。その点,よく知らないとは言えアパレル販売員~店長に似ている気もする。「アパレル販売員30歳定年説」じゃないが,印刷屋も20代でもうたいてい「おれは一生こんな事をして生きて行くのか?」って思いますからね。大企業ならまだ違うのでしょうし,アパレルと違って自腹買いや立ちっぱなし仕事,センスが時代と合わなくなって行く,なんて事はあまりないにしろ,僕に高校生大学生の子供がいたら絶対「印刷業界なんて絶対やめとけ」って言うと思う(まあ言わなくても今どき紙媒体に明るい未来があるなんて誰も思わないでしょうけどね)。アパレルもユニクロ・GUみたく販売員が要らなくなりつつあるし。

    その辺の生々しい話も聞いてみたいようなそうでもないような・・・(どっちやねん)。

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