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南充浩 オフィシャルブログ

景表法違反の疑い

2014年4月3日 未分類 0

 3月末の紳士服専門店は、高校を卒業したばかりの新大学生と、これから就職活動を始めようとする大学生で賑わっていた。

紳士服専門店チェーンは、都心にツープライス店、ロードサイドには従来型店と出店形態を使い分けているのが常道である。青山はザ・スーツカンパニー、はるやまはパーフェクトスーツファクトリー、アオキはオリヒカ、である。
正確にいうなら、オリヒカは比較的低価格ではあるが、ツープライスではない。

ちなみに各ロードサイド業態は10年くらい前まではオッサン向け商品のみの取り扱いというのが相場だったが、最近は随分と商品のテイストも若返っており、こうなると都心ツープライスとの業態の使い分けはあまり意味がないのではないかとも感じられる。

さて、そんな紳士服チェーン店の状況だが、先日、こんな記事が掲載された。

紳士服「AOKI」の詐欺商法発覚
http://hunter-investigate.jp/news/2014/04/aoki.html

最近のスーツ量販チェーンはメンズの需要が頭打ちであることから、レディーススーツも扱っている。

3月末の需要に向けて各社では「スーツとその他○点セットで、19000円」とか「スーツとその他○点セットで、29000円」というセット販売を行っている。
そういう背景を踏まえた上で、「AOKI福岡清水店」で問題の商法が発覚した。

学生に発送されてきた印刷物。ハガキ大の大きさで、あて名部分を含めて6ページ。裏面には、レディススーツ全てが20%OFFから半額になることを強調してあり、その下に問題の記載があった。

 《フレッシャーズ限定 スーツも揃う》と謳った「19,000円」の5点セットの内容は、ブラウス、バッグ、靴、ストッキングにスーツの上下。印刷物には小さく『土日祝限定 各日5セット』。5セットが完売すれば、通常の割引価格による購入となることを示している。

女子学生に対応した店員は、スーツも込みで「19,000円」というセット価格での購入を希望した女子学生とその家族に、各日5セットの分は「もう出ました」と明言。通常の割引価格による販売を行い、「43,640円」を請求した。

その直後、不審に思った家族が、送られてきた印刷物を確認した上で、セット販売数について店側を厳しく追及。追い詰められた売り場責任者が、虚偽に基づく販売手法だったことを認め、電話口で謝罪の言葉を繰り返した。

 商品を突き返しに訪れた女子学生と父親に対し、「AOKI 清水店」の店長も、虚偽に基づく販売だったとして謝罪。この日のセット販売は2件しかなく、売り場の店員や責任者が、この事実を知りながら、女子学生を騙していたことを認めた。

とのことである。

「5セット限定」とダイレクトメールに印刷しておきながら、「2セット」しか用意していなかったことは「詐欺」と断罪されても仕方のないことである。
さらに、記事本文中にもあるようにこれは景品表示法違反の疑いもある。

そういえば景品表示法違反の疑いといえば、昨年秋に話題となり、先日半年ぶりに問題が蒸し返された楽天もそうである。

楽天の複数の社員がインターネット仮想商店街「楽天市場」の出店店舗に、元値をつり上げて割引したように見せかける不当な二重価格表示を指示していたことが(3月)19日、出店業者らへの取材で分かった。こうした表示は昨年のプロ野球日本一セールで発覚したが、社員の関与は明らかになっていなかった。

消費者に誤解を与える表示を楽天側が主導していたことになり、楽天は「事実なら看過できない重大な内規違反であり、厳正な処罰を行いたい」としている。

こうした二重価格表示は、景品表示法違反の有利誤認に当たる可能性がある。
消費者庁は「事実関係を確認したい」としている。

http://www.47news.jp/CN/201403/CN2014031901002251.html

この楽天スーパーセールでは、77%オフが謳われていたが、実際は元値を異様に高く変更して、77%オフした後の価格が定価に近い設定となっていたことが昨秋大いに話題となった。

とくに77%オフ後に2600円と表示されたシュークリームが記憶に鮮明に残っているが、筆者は、通常6万~7万円程度で販売されているiphone4sの元値を43万3915円と表示したことの方が記憶に残っている。

こうしたやり口は他社でもあるのではないかと指摘する声があるが、筆者の聞き及ぶ範囲では、それに近いことを行っている企業を複数知っている。

AOKIは紳士服業界で売上規模2位を誇る。楽天はインターネット通販業界のリーディングカンパニーである。
しかも両社とも当然のことながら上場している。

トップ企業のこのような姿勢は業界に対する消費者の信頼を大きく損なっている。

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