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南充浩 オフィシャルブログ

不良在庫処分にはネット通販が最も適しているのではないかという話

2022年4月11日 お買い得品 1

2022年も早くも4分の1が終わってしまった。

2021年の買い物履歴を振り返ると、ユニクロ、ジーユーでの買い物がほとんどで、無印良品が少し、ワークマンが1点か2点くらいで、それ以外のほとんどがアダストリアの商品だった。

自分の今の嗜好を顧みると、ユニクロとジーユーは飽きているからアダストリアでデザイン物(全て値下げ品)を買うという感じである。

それでもユニクロだとコラボラインのユニクロUとかJWアンダーソンとかは目に付く色柄物があるが、通常ラインは本当に飽きてしまっており、ジーユーもコラボライン以外はあまり変わり映えしなくなってきているから、そこにはない色柄物を買うときにアダストリアのドットエスティを使う。

なんやかんやで毎月1回は必ずドットエスティで買っている。

ネット通販の怖いところは、どんなに慣れてもハズレを買ってしまうところにあり、「思ったより似合わない」とか「サイズ感が違う」とかそういうのがサイズ表を見て、手持ち服と比べても必ず1割か2割は生まれてしまう。だから当方は洋服のネット通販万能論には極めて懐疑的なのである。

 

それはさておき。

 

ユニクロとジーユー商品がベースで、デザイン物をアダストリアで、という構図もそろそろ飽きてきており、アダストリア以外のデザイン物を開拓しようとして、先日、ベイクルーズアプリをダウンロードして会員登録してみた。

ベイクルーズアプリに限らず、どのアプリ、通販サイトもメリットとデメリットが必ずあり、完璧なサイトなどこの世に存在しない。ベイクルーズアプリの良い点とイマイチな点はいずれまとめてみたいと思うが、ベイクルーズアプリには「アウトレットコーナー」が存在するところがビジネス設計として素晴らしいと感じた。

また長年使っているドットエスティは「アウトレットコーナー」こそないが、何年も前の商品が完売するまで値下げされて表示され続けている。

アダストリアの場合は「アウトレットコーナー」というくくりで別枠にしていないだけで、実質的にアウトレット商品を売り続けているということになる。

 

EC担当者やECに強いブランドの方にとっては当たり前のことかもしれないが、当方はアウトレット商品の販売こそネット通販が最も役に立つのではないかと思っている。

なぜ、そんなことを改めて書くのかというと、先日、某大手に在庫処分の方法を尋ねられたからだ。

当方はアダストリアとベイクルーズを例に出して「ネット通販で売ればどうですか?」と提案した。まあ、この大手はあまりECに強いわけではないので、それは気が付かなかったという反応だった。

この大手によると「アウトレットモールへの実店舗出店は家賃が非常に高い(金額は明示せず)」とのことだったので、それならなおのことネット通販内で売ればその家賃分は確実にコスト削減できる。

しかもネット通販の場合、陳列スペースは理論上無限にある。

ネット通販で在庫過多に陥る原因の一つは、この「陳列スペースは理論上無限にある」というところなのだが、在庫品の値下げ販売をする際にはこれがメリットとなる。

正規品を無限に並べるのは、不良在庫を生み出す要因の一つとなり、各ネット通販ブランドの不良在庫比率が意外に高いのは、無限に並べられるからあれもこれもと品番数・型数を増やしてしまうからである。

締め切りがないとなかなか原稿が書けないという人が多いのと少し似ている気がする。

しかし、在庫処分品を並べるには無限のスペースというのは非常にありがたい。

 

当方がなぜ、処分品こそネット通販で、と考えるようになったかというと、少し以前に業界が騒然としたZOZOアリガトー問題というのがあった。

この時、アパレル側からは不満の声が多数上がったのだが、中にはしたたかな企業がいくつもあって、「ZOZOが自腹を切って値引きしてくれるのなら、アウトレット品や不良在庫品、死筋商品をそこで売ればいいじゃないか」とのことで、実際にアウトレット品売り場に切り替えたからである。

これは賢いやり方だと感心させられた。

その後、アリガトーは廃止されてしまった。

 

さて、売り方としてベイクルーズ方式の「アウトレットコーナー」化が良いのか、アダストリアのコーナー無しが良いのか、その辺りの判断はなかなか難しい。

ただ、使う側からすれば「コーナー化」されている方が見やすい。

ベイクルーズの場合は、携帯アプリだとこんな感じで上に「アウトレット」と明示されており、横スクロールでコーナー移動できる。

 

 

 

 

アイテム説明というところを下に広げると、明記されていない商品もあるが、シーズンが明記されている商品も多い。当方がいくつか見た中でいうと、2017年SSとか2017年AWという商品も数多くある。ということは5年前の商品もいまだに陳列され続けているというわけである。

これはアダストリアも同様で、こちらはシーズンは明記されていないものの、当方が買い始めるようになったのは2017年か2018年くらいなのだが、4年前くらいに見た商品がいまだに安値で陳列されていることがある。

ということは両社ともに少なくとも4~5年前の商品を在庫がゼロになるまでネットで売り続けているということになる。

またベイクルーズではアウトレット商品なのに「取り寄せ」という場合もある。これはどういうことなのかよく分からないが、ネット通販には残っていないが一部の実店舗には残っていてそれを取り寄せるということだろうか?もし、そうならこれも在庫処分としては上手いやり方だといえる。

 

こんなことは当たり前だと感じられる企業やブランドも多いだろうが、ネット通販にあまり造詣が深くない企業やブランドにはこのような活用法さえ知られていないのが実状なので、ぜひ参考にしてもらいたいと思う。

 

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 comment
  • 清澤華子 より: 2022/04/11(月) 9:51 PM

    ネット通販には家賃はないですが、自前でちゃんとしたECサイトを構築すると数百万円くらい費用がいってしまうので、そこに投資できない企業は多いかもしれませんね。

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