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南充浩 オフィシャルブログ

ワークマンが今よりもブランドステイタスを高めるための施策を提案してみた

2022年4月4日 企業研究 0

2000年代初頭くらいから「ブランド化」「ブランディング」という言葉が業界を問わずに流行し始めた。

ちょうどその当時、契約更改で揉めていた近鉄バファローズの中村紀洋選手が自身のことを「中村ノリブランドが~」と言い始めており、野球選手ですら「ブランドガー」と口走るようになるのかと驚いたことを今も覚えている。

ブランド化の理論はいくつかあるが、絶対のものではなく、環境や時代、企業風土などによって左右される。

その昔は「低価格ブランドがブランドイメージを上げることは難しい」と言われたが、2010年以降の国内状況を見ていると、それも絶対的な話ではなくなりつつあるといえる。

先日、大阪に1号店をオープンしたワークマンシューズの内覧会に行った。

 

ワークマンが靴の専門店で攻勢 10年後に200店舗体制、売上高300億円目指す (fashionsnap.com)

 

 

この時に、チラっとだが先方から「当社が今後、上の価格帯に行くための方策」ということを尋ねられた。

そのための方策はいろいろとあるのだろうと思う。また、絶対的な方策というものがあるわけではない。当方ならこうするという考え方をまとめてみたい。

「低価格ブランドがブランドイメージを上げるのは難しい」と言われたが、それに成功したといえるのは、ユニクロとジーユーではないかと思っている。

もちろん、ユニクロ、ジーユーに対して「超ハイセンスブランド」と捉えている人はほとんどいないだろう。しかし、ブランドイメージはこの10年強の間に著しく向上し、「ファッションブランド」の範疇には入っている。

ワークマンの価格帯はユニクロよりも下で、ジーユーとほぼ同等である。

ジーユーは最新トレンドを低価格で提供することが根本にあるが、ワークマンの場合は「高機能商品」を低価格で提供することが根本にある。

ユニクロとジーユーのブランドイメージを向上させた施策はいくつもあるが、当方は「著名デザイナーズブランドとのコラボ」だと見ている。

ユニクロの場合は、ご存知のユニクロU、+Jが代表だろう。JWアンダーソンやホワイトマウンテニアリング、エンジニアドガーメンツなどもある。ジーユーはアンダーカバー、ミハラヤスヒロあたりが典型である。もっともジーユーは企業ブランドとのコラボも行っており、カッパやハンテンなどともコラボしている。ハンテンのTシャツは定価ではほとんど売れずに値下げして投げ売りされたが。

この著名ブランドとのコラボというのは、ファーストリテイリングが独自に考え出したものではなくH&Mが始めた手法で、ファーストリテイリングはそれの後追いだといえる。

ただし、先行していたH&Mは近年は微妙なデザイナーブランドとのコラボを連発しており、マス層への訴求力は一時期よりも低下しているのに対して、ユニクロはホワイトマウンテニアリングコラボの売れ行きは芳しくなく値下げを連発していたとはいえ、H&Mよりはマス層に響きやすいブランドをセレクトし続けている。

 

ワークマンもこれを真似ればどうだろうか?

有名デザイナーや有名ブランドとのコラボ商品を現在よりも上の価格帯で発売してみるのである。ただし、数量は抑えめに3カ月くらいで売り切れる数量だけを生産すれば、売れ残り在庫の懸念はかなり低下する。

また釣り具のダイワのファッションブランド「ダイワピア39」のように、上の価格帯のブランドを別名で作るというのもありだろう。どうせ「ワークマン+」とか「ワークマン女子」などの別屋号の業態を作っているのだから「ワークマン++」みたいな別屋号で格上価格帯の商品を集積し、そこにコラボラインを投入するという手もある。

 

もう一つの低価格ブランドの手法としては、しまむらのしまらー、しまパトではないかと思う。

ワークマンは現在、各分野のアンバサダーを何人も起用しているものの、往年のしまらーに比べると各アンバサダーの知名度が低いから、「ワークマン+」「ワークマン女子」の業態で、もっとマス層に響くような知名度の高い(当然ギャラも高い)有名人をアンバサダーを起用してはどうだろうか。(通常のワークマンは職人向けとして堅実方向で安定的に運営させる)

 

いずれにしても資金力が求められることとなるが、そこはベイシア、カインズなどを含むベイシアグループでトータルの売上高は1兆円にも上るから資金力はある。

 

ただ、問題はファッション化すればするほど、売れ行きは不安定になり不良在庫は確実に発生する。定番的な例えば白無地Tシャツみたいな商品なら販売価格を長めに2~3年と設定しても良いだろう。

しかし、どう見ても鮮度が求められるようなアイテムは販売期間の設定は長くて1年、通常のファッションブランドなら3カ月で、その設定期間が過ぎれば、惜しかろうが高品質素材を使用していようが、容赦なく値下げして投げ売る必要がある。そしてその投げ売り品の数量を多くしないためにはMD(マーチャンダイジング)の精緻さが求められることとなる。それは決して現時点ではAIやらウェブナンタラとかそんな小手先のシステム導入では達成できない。

小手先のシステム導入が上手く行っていないことは、一流でございと澄ました顔をしている大手アパレル各社の惨憺たる数字を見れば一目瞭然だろう。

MDの精緻さを求めるアドバイスは当方には到底不可能なので、その辺りはマサ佐藤氏に相談してもらいたい。

当方が言えるのはこの程度の考え方の方向性までである。

 

当方への仕事のご依頼はこちらからお願いします~。

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