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南充浩 オフィシャルブログ

ワークマンにカジュアルとしての進歩が感じられた商品が増えたという話

2022年2月21日 お買い得品 0

50歳を越えてますますファッション衣料への渇望が薄れてしまっている今日この頃だが、とりあえず、店頭を見て回ると、春物が一部入荷している。

無印良品の衣料品は相変わらずで、時代劇のように偉大なるマンネリ感があり安定感はあるが、衣料品が前年割れを続けている現状では、逆に回復する要素はないと見えた。

ユニクロは、昨年春夏のような一昨年物の使いまわし感・焼き増し感は減ったが、宣言通りに何品番かは値上がりしており、売れ行きが厳しくなるのではないかと感じた。

メンズで一例を挙げると、綿裏毛スエットプルパーカが3990円に値上がりしており、1000円高くなっている。スエットプルパーカで3990円はユニクロUの値段だった。

またユニクロUの綿100%セルビッジジーンズは昨年秋物が3990円だったが、今春物は4990円に値上がりしている。

 

ジーユーは昨年春夏と同じような感じだが、こちらは値上げというより、値下げ幅が小さくなった。1000円未満にまで値下げされるアイテムは数少なくなり、製造原価が上がっているということが伺える。

 

そんな中、進歩を感じられたのがワークマンである。

真っ先に結論から書くと、引き続きカジュアルとしてはイマイチなアイテムもあるが、かなり進歩していると感じたアイテムも増えた。

もちろん、最初から100点満点の物作り・店作りなんて不可能である。ユニクロだって、フリースブームのころでさえ物作り・店作りは大した部分があまりなかった。

徐々にブラッシュアップして今に至っている。

いくつか目に付いた物を挙げる。

正月に74歳の叔父が「ワークマンの靴下を買ったがユニクロよりも良い」と話していたことを以前に書いたが、靴下のコスパはすごいと感じた。

まず、メリノウール混の靴下である。なんばシティの「ワークマン女子」にはショートソックスしか残っていなかったが、2足セット780円という破格値である。

 

 

素材組成の詳細は下げ札にも書かれていなかったが、パッケージの文言を類推するとウールが50%強あるらしい。そこに機能性合繊を交編しているようだ。

最近の原料高でこの安さはすごいと思う。

もう一つ、当方が感心したのが綿の無地リブソックスである。黒・グレー・紺など5~6色くらいあったと記憶している(不確か)だが、3足セットで499円である。

生地もユニクロの通常の靴下よりも分厚く、一時期のユニクロ×JWアンダーソンコラボの靴下と同等くらいである。これで3足499円(税込み)なのだから、すごいコスパである。叔父が褒めるのも無理はない。

しかし、考えてみると当然で、ワーキングの世界では靴下は丈夫であることが最優先に求められる。ワークマンの靴下がしっかりしているのは当然だといえる。

 

ワークマンは基本的に値下げ販売しないから、定価で買うほかない。

値引きマニアの当方としては非常に葛藤を覚えるが仕方がない。今回は2つ買った。合計で3000円(税込み)である。

一つ目は、ダブルフェイスビッグシルエットフーディである。価格は1500円。

素材組成はポリエステル90%・ポリウレタン10%のダンボールニットである。ジーユーでもダブルフェイスの名前で売られている。ユニクロはドライスエットと名付けて売っている。同じ構造の素材である。

ビッグシルエットと謳っている時点でかなりカジュアル市場を意識した商品で、価格は定価としては業界最安値に近いと思う。

ジーユーのダブルフェイスパーカは定価1990円だし、ユニクロのドライスエットは定価3990円である。無地で良いならワークマンのこの商品が最もコスパが高い。

黒・杢グレー・紺が残っていて、紺のMサイズを買った。

 

 

 

アームホールは広いが、袖先に向けてかなりテイパードしていると感じるが、そこを気にしなければこの商品で十分だと感じた。素材はジーユー商品とまったく遜色ない。

黒はちょっと合繊特有のキラメキがあったので、買う気にはなれなかった。杢グレーの最限度はかなり精度が高く、ベージュがかったグレーしか存在しないジーユーよりもポイントが高いが、残念なことにXLしか残っておらず、Mサイズが残っていた紺を買った。

ただし、レジの人によると「冬物」なので、今月以降に入荷する可能性は低そうだ。

 

 

次に買ったのは黒のシェフパンツである。

 

 

 

3年くらい前からジーユーで盛んに売り出したシェフパンツだが、当方は買う気がしなかった。

シェフパンツとは厨房のシェフが穿いている作業着パンツという意味だが、ジーユーの場合、前開きではなくレギンスのようにして穿くタイプである。しかも発売当初は後ろポケットが右側だけにしかなかったので、不便なので買わなかった。

ワークマンの今春物シェフパンツは前開きである。他社のシェフパンツと同様に腰ゴムが入っているがベルトループもある。当方はオッサンなので、ベルト無しでズボンを穿くのはどうにも落ち着かないからこれは大歓迎である。

 

前開きになれば最早シェフパンツとは呼ばないのではないかと思うが、まあ、機能的には穿きやすいのでこちらも大歓迎である。

ポケットは前に2つ、後ろに2つある以外に、前ポケットの脇に大容量隠しポケットが左右一つずつあり、合計6ポケットある。

 

 

素材組成は綿60%・ポリエステル40%のツイルで、耐洗濯性40回の超撥水加工が施されている。

当方はスーパーペーパードライバーなので、最寄り駅まで自転車に乗る。雨の日は大変なのである。上半身はカッパを着るとしてもズボンは結構ずぶ濡れになる。

綿厚手生地だとなかなか乾かないので、当方は雨の日はポリエステル100%かポリエステル高混率のズボンを穿く。

その意味でもこのシェフパンツはうってつけだ。超撥水加工があるのはもっと嬉しいし、この加工が無くなったとしてもポリエステル高混率なので雨の日に活用できる。

ノンストレッチなのでワイドシルエットであるところも良い。

定価は1500円でジーユーのシェフパンツよりも190円安い。ジーユーのシェフパンツには機能性はほとんどないが、ワークマンの場合は超撥水加工と、大容量の隠しポケットという機能性がある上に、前開き+ベルトループがあるという点でジーユーに圧勝している。

 

このほか、ユニクロのエアリズムコットンカーディガン(定価1990円)の類似商品であるライトカーディガン(980円)もあり、かなりカジュアル向けデザインは上達しているといえる。

 

一方、マスコミで盛んに報道されている「ソロテックス」使いのワークスーツだが上下で5000円弱という破格値であり、今回の報道ではシワになりにくく改良したとされている。

店頭で実物を見たが、通年用という割に生地は薄く、ハンガーにかかっている時点でかなり小ジワがあったので、価格が安いとはいえ、出来はイマイチだといえる。

またシャンブレーシャツも980円で売られているが、こちらは生地が薄い上になぜかリネン混みたいな見た目と手触りがあり、これも出来は良くないと感じる。

 

このように、イマイチな商品もあるが、進歩した商品もある。

今春夏は変わり映えのしない無印良品と、値上げのユニクロは停滞しそうだと見ていて、ワークマンがカジュアルでさらにシェアを広げるように当方は感じた。

もちろん、これは個人の感じたことなので、「俺はそう感じない」という方がおられるのは当然だろうと思うが、当方の目には、低価格カジュアル分野の中で今春夏のワークマンの脅威度はさらに高まっていると映る。

 

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