時すでに遅し
2014年2月7日 未分類 0
先日、ナイスクラップがレディースボトムス専門店「ビブリオテーク」を2月26日にオープンさせるという報道があった。
ナイスクラップからボトムウェア専門の新業態「ビブリオテーク」デビュー
http://www.fashionsnap.com/news/2014-02-04/bibliotheque-debut/
レディースパンツ専門店としてはバリュープランニングの「ビースリー」が強固な牙城を築いているから、どのように差別化するのか興味があるのだが、ビブリオテークはパンツだけではなく、スカートも置くという。
ビブリオテークのターゲットは20代後半~40代前半の働く女性となっており、年齢層は幅広い。
一方のビースリーの客層は明らかに40代以上の女性なので、このあたりでも棲み分けが可能ではないか。
ただし、ボトムス専門店である程度成功したといえるのはビースリーくらいだから、その運営や商品構成のノウハウを体得するのはかなり難しいのだろうと想像する。
それにしても、このような取り組みは本来ジーンズ専業ブランドが行うべきだったのではないか。
ファッショニスタからはそれほど評価されないジーンズナショナルブランドだが、レディースブランドに関していえば、パターンをかなり研究しており、ブーツカット全盛時には美脚やヒップアップを実現するために各社は鎬を削っていた。
15年くらい前から従来型のジーンズ専門店は苦戦しており、倒産・廃業が相次いでいる。
当然、そこへ卸すメーカー側も売上高減少を余儀なくされている。
だからそれらと入れ替わるようにして、2000年代前半くらいからは、ジーンズ専業メーカーによる直営パンツ専門店という新たな取り組みがあっても良かったのではないかと思う。
数年くらい前に、某ジーンズ専業メーカーが「ビースリー」型直営パンツ専門店をテスト出店したと聞く。
しかし、軌道に乗る前に撤退してしまい、文字通りのテスト出店に終わっている。
一つには「ビースリー」の後追い的存在であるから、イメージがあまり良くない。
もう一つには、こらえ性がなかったのだろうと推測される。
新しい取り組みを軌道に乗せるためにはある程度の期間と投資が必要となる。
最低でも3年~5年は必要だろう。
そこを我慢しきれなかったようだ。
今回のナイスクラップの取り組みが成功するかどうかはわからない。
しかし、今後、こういうボトムス専門店、パンツ専門店への挑戦は増えるのではないか。
ますます、専業メーカーが得意とする市場は浸食されそうだ。