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南充浩 オフィシャルブログ

ネット通販の普及が低価格衣料品を一層探しやすくした

2022年1月6日 ネット通販 0

衣料品を底値で買うことにはかなりの自信があるが、それでも失敗してしまう。

今回は昨年末に買い物で失敗した事例をご紹介したい。

当方は、2021年はユニクロの陳腐化、ジーユーの色数の減少などの理由により、ちょっと見た目が変わった服をアダストリアが運営するネット通販サイト「ドットエスティ」で購入していた。

ユニ被り、ジーユー被りを避けたい時は、ドットエスティの値下がり品を買っており、多分、毎月4000円分(送料無料となるから)を買っている。

正直なところ、買ったけど似合わない、サイズ感が違いすぎるという失敗例も3割くらいあり、ネット通販のみで試着なしで買うことがどれほどリスクが高いかということを身を持って毎月体験している。

 

で、昨年11月末か12月頭くらいからロングコートに目を付けていた。

当方はロングコートが好きである。割合にスタイル良く見えるからだ。一方で苦手なのが裾を絞ったアームホールの広いショートブルゾンである。ただでさえゴツめの上半身がさらに強調されてしまい、ゴリマッチョなオッサンっぽく見えてしまい、休憩中の現場作業員にしか見えないからである。

そんなわけで2990円に値下がりしたジーユーアンダーカバーのMA-1 ブルゾンを試着しただけで買わなかった。

で、目を付けていたのが、ローリーズファームメンズのダブルフェイスロングコートである。定価が税込み14300円である。

洋服好きな方々からすれば14300円くらい定価で買えよと思われるだろうが、それは当方の懐事情とポリシーに反する。

で、12月下旬までは暖冬だったので売れ行きが鈍いのか12000円くらいに下がった。しかし、ここで買ってはダメだ。当方の読みではもっと下がる。ただし、底値まで待つと好みのサイズ、色柄が売り切れてしまう可能性があるので、どこで手を打つのかは細心の注意を要する。

この作業は株のデイトレードと似ていると当方は感じる。当方からすると株のネットデイトレードとネット通販のセール待ちは同じ感覚である。

12月下旬さらに一段階値下がりし、10010円となった。

そして当方はこの時、ドットエスティのポイントを2700円分も持っていた。これを使えば7300円になる。

7300円ならおよそ半額だから買ってもいいかと思い、ポチった。12月21日の履歴がある。

これが、到着後すぐに年末に8580円に下がった。

激しく後悔した。

そして、年始からタイムセールでさらに7500円くらいに下がった。

ここまで我慢していれば、5000円くらいで買うことが可能だったのに、なんとも悔やまれる。2500円も節約できれば、一体当方の日常生活ではどれほどのことができたか。HGのガンプラを2個くらい買えたかもしれないし、勝男で1回酒を飲むこともできた。今後は一層気を付けて買い物をしたいと思う。

タイムセール終了後は8580円に戻っている。

 

さて、ここからが本題だが、洋服のネット通販というのは、安さが集客の命綱ではないかと強く感じる。

ネット通販がプロパー消化率を高めるとかいう言説はちょっと意味がわからない。市場規模が小さい各D2Cブランドや、一部の売り切り御免ブランド以外で、何百億円単位の売り上げ規模のネット通販というのは、最大の集客手法は値下げ、値引きクーポン、ナンタラセールだろうと考えられる。

ネット通販のデータ解析は当方の能力の及ぶところではないので、深地雅也さんに質問をしてみた。

深地さんが現在解析しているブランドのいくつかはZOZOにも出店しており、来店者数が如実に増えるのは値引きクーポンがばら撒かれたときであるという。

また、楽天ファッションに出店しているブランドの中の人に尋ねると、楽天スーパーセールが始まると集客が格段に増えるという。

 

Amazonもタイムセールを繰り返しているし、ドットエスティは、値引き→タイムセール→再値引きという値引きサイクルを繰り返している。

当方もドットエスティからの「値下げしました」「再値下げしました」「タイムセールを開始します」というお知らせの都度商品の値段を確認する。

ユニクロサイト、ジーユーサイトも同様だ。

かならず「プライスダウン」の通知が来る。そしてそのたびにサイトで値段を確認する。

 

洋服の値下げを悪事のように見なすイシキタカイ系業界人が少なからずいるが、値下げ無しにマス向けの集客を行うことは至難の業である。

ナノユニバースなんて値引きクーポンの乱発と値下げで集客している。

繰り返すが、小規模でコアなファンを獲得しているブランド、ショップはこの限りではないが、それはせいぜい5億~10億円規模で通用する手法であり、50億円以上の規模を狙うのであれば、集客の最大の手法は値下げ、値引きクーポン、タイムセールなどになる。

 

ネット通販がアパレルの救世主かのようにとらえている業界人はかつて多く、今でもそれなりに存在するように感じられるが、そういう人たちは実際に服のネット通販を定期的に見て、定期的に服をネットで買っていないのではないかとさえ思う。

洋服の値下がりを悪玉視する人は業界に多いが、ネット通販が盛んになればなるほど、洋服を定価で売ることは難しくなり、洋服の低価格化が止まらないのはネット通販の普及にも一因があるだろう。

「値引きクーポンはプロパー消化を助ける」なんていう某マガシーク社長の発言は、論外で何一つ現状を把握していない者の寝言としか言えない。

それと、ネット通販での服の買い物は、当方のような人間にとっては洋服を買っているというよりも株式のデイトレードの一環としか感じられない。

 

 

 

 

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