人事を尽くして天命を待つ
2014年1月21日 未分類 0
以前に、東京ギフト・ショーの出展社説明会で常に流される動画の中で「天は自ら助くる者を助く」というコーナーがあることを紹介した。
英語のことわざで原文はこうだ。
Heaven helps those who help themselves.
日本語に訳すと「人事を尽くして天命を待つ」となる。
さて、このコーナーの主旨は何かというと、「来場者へのアプローチは主催者任せにせず、自分たちでもやらないと効果がないですよ」ということである。
東京ギフト・ショーに限らず、主催者は来場者集めには常に心を砕いている。
出展社を集めました。でも来場者は集めませんというのでは、展示会やイベント主催者としては失格である。
だから東京ギフト・ショーだって主催者は何十万通という招待状を郵送している。
その費用たるや莫大な額である。1通80円として、10万通でも800万円である。
幸いにも東京ギフト・ショーは毎回、のべ20万人前後の来場者がある。
しかし、20万人の来場者がある展示会場に出展していても閑古鳥の鳴いているブースがいくつもある。
大多数の来場者に素通りされてしまっているのである。
この場合、問題があるのは主催者かその出展社か?
来場者を集めるという主催者の義務は果たしていると筆者は見る。主催者に一切の問題がないとは言わないが、問題点の多くは出展社側に多くあると推測される。
まず、第一に来場してもらいたい取り引き先、現在取り引きはないし面識もないけれども、ぜひとも新たに知り合いたい先に自分たちから招待状を送ったか?
来場者誘致対策を主催者任せにしていないか?
東京ギフト・ショーに限らず合同展示会、合同販売会に出展する際には、主催者だけではなく出展する側も自社の取り引き先への招待状送付は必須である。
「なんで金払って出展する俺らがそんなことせなあかんのん?」
こうノホホンと言ってのけるノー天気な出展社も存在するだろう。
しかし、A社の取り引き先に対して、関係性の薄いイベント主催者がアプローチするよりも、普段から交流していて関係性の深い出展社からアプローチする方が効果的であることは普通に考えればわかるだろう。
物を買う、物事の相談をする、そういう場合、多くの人は関係性の深い先から打診する。
これだけ衣料品のネット通販が盛んになっても、売上が鈍化しない小規模専門店もある。
大手チェーン店でもその店の店長や店員さんが馴染みなので、そこで購入するという人もいる。
それは店長や店員との関係性が深いからである。
見ず知らずのイベント主催者が「来場してください」とお願いするよりも、普段から交流の深い出展社から誘われた方が取り引き先だって腰を上げやすい。
自分たちで来場者誘致対策を打たない出展社は、そのことに気が付いていないか、取り引き先との関係性の薄さを自覚しているか、のどちらかだろう。
展示会、イベントは開催されてしまえば「待ち」の作業である。
しかし、天命を待つ前に、人事を尽くしたのかどうか考えてみる必要があるのではないか。
人事を尽くさずに天命を待っていてもそれは「待ちぼうけ」に終わる。