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南充浩 オフィシャルブログ

バイク用衣料はニッチ市場だから大手低価格ブランドは参入しない?

2021年11月19日 製造加工業 0

先月、4年ぶりにスマホを機種変更した。

4年間使ったiPhone7からiPhoneSEに変更した。はっきり言って、見た目も大きさも全く同じなので変わった気がしない。

しかし、バッテリーの持続時間は圧倒的に長くなったし、反応速度も速くなった。さすがに4年も使うとかなり動作が遅くなっていた。

iPhone13にしないのかと尋ねられると、全くそうする気が無かった。特に凝った画像を撮影するわけでもないし、動画を撮影するわけでもない。せいぜい、通話とメール、SNSくらいだ。SNSと言っても画像主体のインスタグラムはほとんどアップしないし、閲覧もしない。

これだけしか使わないのに最新機種は必要ない。機種代金も高い。安ければ安いほどありがたい。

そんなわけで一番安いiPhoneSEにずっと前から目星をつけていた。大したことはしていないといっても64Gじゃ容量が小さい。128Gが良かった。iPhone7も128Gだった。

 

いざ、機種変更しようといくつかの携帯ショップを回ると、iPhoneSEが品切れしている。ちょっと絶望しながら、何度か機種変更したことのある心斎橋のショップに行った。ここも品切れだったが、補充がいつ入荷されるのかわからないとのことだった。理由を尋ねてみると、アセアン工場のコロナ禍によるロックダウンと、中国工場の停電による操業停止の影響だという。

とりあえず、「次に入って来たら連絡してほしい」と伝え、店を出たが今日現在も連絡はない。

その何日か後にふと立ち寄った別の店には、iPhoneSE128Gが奇跡的に残っていたので、そこで変更した次第である。

2年後にはまた機種変更しなくてはならないのだが、その時にiPhoneSEの新型は出ているのだろうか?機種代金の高い最新機種にしなくてはならなかったら嫌すぎる。

さて、最近はいろいろな商品が品薄になっていて、その大きな理由の一つにアセアン諸国のロックダウンと中国の停電があり、iPhoneに限ったことではない。衣料品も同様である。

 

そんなわけで、衣料品の生産も国内回帰の傾向が強く、混んでいる国内工場が多い。

 

ブリッツワークスの青野社長も最近は国内工場を回っていて、かなり生産スペースがタイトになっているとのことだった。

年明けから少しすると中国はいつものように旧正月が始まるので、中国工場のスペースは旧正月明けまでさらにタイトになるだろう。

 

なぜ、国内工場を回っているのかというと、参入したバイク用衣料で日本製を強化しようという考えからとのことだった。

 

 

ここからは青野社長によると、

 

バイク用衣料というのは高額品が多いが、日本製は少ない。日本製が少ないだけならまだしも、知っている範囲でいうと、日本人体型に合うバイク用衣料が少ない。

 

とのことである。

 

何を持ってバイク用服なのかというと、個人的には各種プロテクターを内蔵できるかどうか、生地そのものが頑丈であるかどうか、ではないかと思っている。

そのほかにも防風だとか防水だとか透湿だとかそういう機能もあればなお良いだろう。

しかし、教習所で乗ったバイクのあまりの怖さに免許取得後、乗りたいとは一切思わなくなったスーパーペーパーライダーたる当方からすると、真っ先に思い浮かぶのが「転んだら、自転車で転んだ時より痛いし、大けがになるだろうな」という感想である。

そういう当方からすると、各種プロテクター内蔵が必須だと感じる。夏に半袖半ズボンでバイクに乗っている人を見ると怖くないのかと不思議でならない。

 

青野社長によると、現在のバイク用服はヨーロッパ基準が多いとのことで、ヨーロッパ基準の体型となると、ZARAの洋服よろしく、手脚が日本人より長いということになる。そうなると、肘当て・膝当ての位置が合わないということになる。

もっとも、日本人体型しか意識していないであろうワークマンのバイク用服も膝当ての位置が全く合わないという報告の動画もある。

 

 

バイク服というのは、趣味性が強いのでワークマンを除いては比較的高価格品が多い。カジュアルウェアだと1900~4900円くらいがボリューム価格帯だが、バイク服は1万円を越えるようなものが多い。

ただし、需要総数は少ない。

やはり、バイクに乗っている日本人が少ないし、この何年間かは減少傾向が続いていた。コロナ禍でバイク免許取得者が増えたというニュースもあるから今後は需要枚数は少しは増えるかもしれないが、圧倒的には増えにくい。

ファーストリテイリングやしまむらのような大資本が「価格破壊」を引っ下げて新規参入する可能性はほとんどゼロに近いだろう。

懸念があるとするとワークマンくらいだが、防水透湿ウェアは別としてプロテクター内蔵服でいうと、上の動画のような評価になるので、大々的に売れるということは難しいだろう。

ブリッツワークスのような小規模・零細メーカー(失礼)には比較的戦いやすいフィールドといえるのではないかと思う。ただし、大規模市場にはなり得ないだろうから、その辺りは覚悟の上だろう。

 

逆にバイク用服を一般衣料品店で売ることはできないだろうか?とも思う。

釣り具のダイワが開発した「ダイワピア39」という衣料品ブランドが大規模とは言えないまでも、セレクトショップで展開されている。こちらも価格的にお高い部類に入るので、何百億円規模には絶対に成長しないだろうと思うが、セレクトショップやジーンズカジュアルショップにもバイク好きスタッフは少なからずいるから、そういうニーズもあるのではないかと思っている。ただし、こちらも大規模には成長しないとも思う。

 

それにしても、今回の国内生産回帰では、これまでほどには、大手・有名ブランドの突然の生産依頼にはなびかない縫製工場が増えていると聞く。今まで何度か国内回帰現象が見られたが、いずれも短期間で終わり、喉元過ぎれば熱さを忘れるとばかりに中国やアセアンに戻って行った。

流石に国内工場も懲りたのか、大手・有名ブランドよりも、これまで定期的に発注をくれていた既存の取引先を優先するという姿勢が増えていると耳にしている。

今後は、よほどのデカイ生産数量か高い工賃を提示するかしないと、いくら著名なブランドでも、困ったときの国内生産頼みという手は使えなくなるのではないだろうか。

 

 

ダイワピア39の服、高い~

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