数年前からあった指摘通りに低価格ダウンアウターの提案は激減している
2021年11月22日 お買い得品 0
今年の11月もここ数年間の例にもれず暖かかった。
11月22日は全国的に雨が降り、11月23日から最高気温は15度を下回る日が始まる。消費者はようやく冬物衣料を考え始める気候が始まるといえる。
今秋冬物の商品紹介を見ていて、強く感じるのは低価格ダウンアウターの提案がめっきりと減ったということだ。
このブログでも以前から書いているが、ダウン(羽毛)価格は高騰し続けており、近々低価格ダウンはほとんど作れなくなると業界内から指摘されてきたが、それがほぼ現実となりつつある。
また動物愛護の機運の高まりもそれを後押ししているといえる。
もちろん、船場センタービルやら天神橋筋商店街を歩けば、訳の分からない在庫処分品のダウンジャケット、ダウンベストが1900~4900円くらいでざらに販売されているが、これらのほとんどは過去の在庫品を引き取っているものであり、新たに生産されたものは少ない。
当方が愛用するアダストリアの通販サイト「ドットエスティ」でもメンズでは1万円台前半までのダウンアウターは昨年以前からのキャリー品を除いて存在しない。今秋冬の新製品は最低でも1万円台後半となっている。
ただ、ドットエスティに限らずややこしいのがポリエステル中綿を「テックダウン」だとか「エアコンダウン」だとか「ファイバーダウン」だとか称している点である。
この表記に騙されている消費者も少なからずいるのではないか。
少なくとも、各通販サイトで「ダウン」をキーワード検索するとこの手の「偽ダウン」も全て拾ってしまうので、商品を見比べるのに時間がかかってしまう。非常に迷惑である。
さて、低価格ダウンアウターは知る限りでは、ユニクロ、無印良品、しまむら、ワークマンくらいしかない。ジーユーはダウンアウターは現時点まで提案していない。
ワークマンはイージスダウンジャケット(ダウン75%・フェザー25%、定価5800円)があるが、1型だけで、その他は全てダウン45%・ポリエステル40%・アクリル10%・フェザー5%のフュージョンダウンである。(要するにダウン+合繊中綿の混合)
これらが暖かいかどうかというのは一度も購入して試したことがないのでわからない。一度試してみようと思うが、正直なところ、暑がりの当方にとって「暖かすぎるダウン」は必要ない。最高気温5度くらいにまで下がらないと厚手のダウンを着ると汗だくになってしまう。とはいえ、一度購入して試してみたいとは思っている。
ダウン+フェザーのみの低価格アウターというと、ワークマンの1型を除くと、ユニクロ・無印良品・しまむらの大手3ブランドに絞られてしまうのではないかと思う。
恐らくは、原材料の高騰もあって、大手しか製造できない製品となってしまっているといえるだろう。
最高気温10度を越えている時点では、まだインナーダウンベストを中綿なしのアウターの下に挟めば、当方はまったく苦にならない。
2016年くらいにユニクロのウルトラライトインナーダウンベストを2枚買った。
当時、期間限定で2990円に値下がりしていた物である。
まだオーバーサイズがマス層にまで普及していなかったこともあって、当方もイキってピタピタ目のMサイズを買ってしまった。しかし、そこから5年が経過し、下に着るセーターやトレーナー類もビッグサイズ化していることもあって、ちょっと合わせづらくなってきた。
また色も紺とベージュなので、黒も買い足そうと思った。
高額なブランドで買い足そうと思わないところが当方のいつもの思考である。
価格で比較すると、税込みで
ユニクロのウルトラライトダウンコンパクトベストが3990円
無印良品のインナーダウンベストが2990円(ポケッタブルノーカラーダウンベスト)
しまむらのインナーダウンベストが2700円
となっている。
ついでに言うと、ここ数年、セレクトショップ各社が共同仕入れをしているかのようなタイオンのインナーダウンベストは税込み4290円である。
この時点でタイオンを買うという選択肢は当方の中から消えた。
期間限定値下げや見切りの値下げは無い時期なので、ユニクロのウルトラライトダウンを買うという選択肢もない。
無印良品かしまむらの2択となった。
まず、何を置いても100円でも安い方を試してみたくなるのが当方なので、しまむらへと脚を運んだ。
2700円という価格は魅力である。
店舗に着いて、探してみると、相川らずハンガーラックがギチギチのパンパンにかかっている。およそ陳列としては汚らしく、購買意欲はそそらない。まるで自宅のハンガーラックを見ているような気になる。
で、そんなハンガーラックにギチギチにかけられていた2700円のダウンベストを発見した。
サイズはLサイズが今の服には合わせやすいだろう。
しかし、残念なことにギチギチのハンギングで押しつぶされたのか、やけにペタンコで平べったくなっていて、買うのをやめた。
2700円の定価で何を言っているのかと思われるだろうが、ユニクロ、無印良品のインナーダウンはもう少しふっくらしていたので、しまむらで買うのはやめた。あまりにもペタンコすぎる。
ただし、しまむらのインナーダウンカーディガンはなぜか、ベストよりもふっくら感があった。価格は袖付きなのに2700円でこちらは凄まじいお値打ち感がある。
しまむらは、メンズインナーダウンは黒と紺の2色しか展開していない。カーディガンについては価格は魅力だったが、すでにユニクロUとタイオンの黒と紺を持っているため、わざわざ買う必要はなかったのでスルーした。
インナーダウンではベストよりもカーディガンがしまむらではコスパが高い。
そして、無印良品に出向いて黒のLサイズを2990円で買った。
こちらは見た感じだとユニクロよりもモコモコ感がある。そして1000円安い。1000円安いと松屋の値上がりした牛めし並盛が2杯食べられて、まだ240円のおつりがくる。
ユニクロのウルトラライトダウンベストは、テイラードジャケットの下にネクタイを締めて着られるように、ネックを深く調整できるようになっているが、無印良品にその機能はない。しかし、当方にとってその機能は別になくても構わない。
色展開についてはユニクロ、無印ともに地味である。
ユニクロはダークグレー、黒、ネイビーの3色展開。ウェーブキルトタイプは黒、ネイビー、オリーブグリーンの3色展開である。
無印良品は6色展開とはいえ、こちらも地味な6色でダークネイビー、ダークグレー、黒、スモーキーブラウン、ダークブラウンである。
売れ残り在庫を増やさないという観点からも地味で安全パイな色だけを3ブランドともに揃えたというところだろうか。
そんな感じで、黒と紺の2枚を持っていたらインナーダウンは当分買い替える・買い足す必要もなく、10年くらいはすごせそうである。
しかし、それにてしても、低価格ダウンアウターというジャンルの縮小と超大手のみの展開に絞り込まれたということには隔世の感がある。
数年前に業界内で指摘されたことはちゃくちゃくと現実化しており、今後、このジャンルは超大手を除いて全て消え去る(合繊中綿に代わる)だろう。
無印良品のダウンマフラーをどうぞ~